紙の本
青春だよファンタジー
2007/12/10 20:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
青春ファンタジーとでもいうのだろうか?出てくるのは自称妖精の親父霊、主人公の思い人で殺伐とした高校の先輩・片里奈、とその僕たち(笑)彼女の部屋の床から半透明の禿親父が生えてきたことから事件は始まる…なんともユニークというか、人を食った始まり方だが印象は強烈。
とんとん拍子に話は進み、自称妖精記憶喪失の半透明ハゲ親父である憑依霊の正体はあっさり明かされるが、死因と犯人の謎、なぜ成仏しないのか、なぜ憑依するのか・・・謎は山積みだ。被憑依者である片里奈にも主人公にも過去の秘密がある。と、ミステリー要素が揃っているのに、この作品がミステリーらしい暗さを感じさせないのは、あまりに爽やか過ぎて清清しすぎており、しかもハゲ親父の殺人がぞんざいに扱われているからだ(笑)
片里奈の苦い過去とイジメと自殺未遂の同級生。主人公とその変わり者同級生2人が加わりなんとも個性的なキャラが場面を彩り、時折、意識を乗っ取るハゲ親父霊との会話バトルも面白い。
ただ、この作品で結局何が言いたいかっていうとわからない。
何かを諦めていきているやつは霊にもとりつかれやすいということ?まあ、内容は軽い…が、それでも面白く全部読ませるのは、主人公の正体がというどんでん返しと、キャラクター達の魅力があるからだろう。
青春ファンタジー・・・うん、まさにうってつけのコトバだ。
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これは、読んでて純粋に楽しかった♪
青春、ミステリー、恋愛。。。いろんな要素がたくさん詰まってて、飽きずに読めた。
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削除ボーイズ0326より面白いかも。
登場人物がみんな微妙に変人っていう方波見大志ワールドでしたね。
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方波見さんの第2作目ですが、前作同様に、とても読みやすいので、すぐに読み終わってしまいました。
始まりで、インコの亡骸から、オッサンの霊が出てきた時には、どんな展開になるのかと思いましたが、このオッサンの勘違い加減も、なかなか面白かったです。
高校生が主人公で、いじめや自殺を扱っているわりには重たい作品ではなく、読後感も爽やかです。
驚くようなどんでん返しはないけれど、誰もが幸せになれるような結末は、安心して読み切ることができるでしょう。
少し安易すぎるような気もしますが・・・。
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以前読んだ「削除ボーイズ0326」がなかなか面白かった記憶があったので
この2作目も手に取ってみました。
こんな感じだったっけ? と思う箇所もあったけど、うっすら残っている
記憶と同じ青春小説で安心。
探偵の2人のキャラも飄々として面白いっすね。この2人が
主人公の作品も面白そうだなー。
基本的に霊もの(?)って苦手だったんだけど、量を読んでくると
さほど気にならなくなるもんですね。
ただ作品タイトルは...ややあざとい...かな?
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出てくる登場人物が一人一人濃いキャラクターをもっていると思った。
ちょっと変人かな、と思う感じの登場人物もいたけど、そんな人がいたからこの話は面白いんだと思う。
この話は、主人公が秘密を明かしたところから話はもっと面白くなる。
なんだか、霊のおっさんはいてもいなくてもいいんじゃないか、と思うところがあった。
結局、霊の事件は適当に終わった感じがあった。
もっと、そっちの推理も真剣にしてほしかった。
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請求記号:F/カタハ
資料番号:011011616
女子高生、蘭に取り憑いてしまった半透明のオッサン。彼女を救おうと奔走する後輩の中島。その中島にもある秘密が…オッサンの正体は!?中島は蘭を無事救えるのか!?いじめ問題を交えながら物語は進んでいきますが,奇想天外なストーリーが面白いです。
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死んだインコの下からゆっくりと生えてきたのは、半透明のオッサン!?(引用より)。 いやはやシュールでおもしろかった。この方波見大志氏は数学とか数式がおそろしく、それっぽく作中に入れてくる。まぁ霊魂の上昇速度なんていくら計測したって無理があるので、「あーソレっぽい計算やってるなぁ」と受け止めるのが正しいのでしょう。気にしてはいけません。
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知人に薦められて読み始めたこの本。
まず、自分を「妖精」と言い張る、おっさんの風貌の霊?が話のキーという設定に「へぇ~!」最初は突飛な感じがしたけど、そのやりとりや振り回され具合がなんとも面白い。
その霊に憑かれた先輩から霊を追い出すために奔走するが、なかなか上手くいかない。このまま先輩は乗っ取られてしまうのか?
この先どうなるの?と気になるのでどんどん読めてしまう。終盤には「えっ?」と思うようなことも分かり、これまた面白い。
初めて読んだ作家さんだったけど、また読んでみようかな。
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妖精と名乗るおっさんに憑依された女子高生とその周辺の物語。なんとか昇天させようとするけど、そこには殺人、いじめ、自殺などさまざまな問題が山積していて…
作品中の地の文で一人称がおかしいなぁ、と思っていたら物語後半で解決。そういうことだったんですね!
題名に込めた意味がわかんなかった。
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高校2年の中島は片里名に取り憑いてしまった半透明のおっさんの謎を解くべく、同じ高校のオカルト好きと唯物論者の自称探偵、岡部と伊藤に協力を依頼する。一向に進まない調査を尻目に、半透明のおっさんは徐々に片里名の味覚、聴覚、視覚を奪い始め、身体の乗っ取っていく。
「インコから頭、生えてます」
片里名の飼っていたインコのピヨ吉の死骸から出てきたのは半透明の疲れ果てた残念な容姿のおっさん。
何故か中島にしか見えないおっさんは片里名に恩返しにやってきたインコの妖精かと思われたが、驚くべき正体が判明。
万事解決に向け、強烈な個性の仲間と共にあれこれと試していくが、更に驚愕の事実が浮かび上がってくる。
登場人物同士の思わず吹き出してしまう会話の内容、冒頭からの奇妙な事件から学園どたばたコメディかと思いきや、意外や重たいバックグラウンドが見えてくる。
無害かと思われた半透明のおっさんが片里名の身体を乗っ取り始め、主人公で頼り甲斐ある中島もある事情から事実上消滅してしまう悲劇的どんでん返し。
この物語、どうなってしまうのか―。
高校生特有の大人でもない、かといって子どもでもない年頃が抱える痛々しい青春群像劇をひねりにひねった上に更にひねってしまったようなファンタジーであり、ミステリーであり。
基本的に三人称で進行する物語だが、ある出来事から主観の一人称へと変化する件は秀逸。してやられたり。
読後感はクリアで爽快だが、ある登場人物の長い長い苦心と心境を思うとちょっと泣けてくる叙情詩にも思える。
主人公を欠いたパートの描かれ方が、そういった展開を孕むファンタジーRPG的で、残された仲間たちの葛藤と行動力が心強く心地良い。
方波見大志 その他の著書
・削除ボーイズ0326
・人体愛好会
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陳腐な幽霊もの。
ズッコケ探偵団てとこか。
ポプラ社大賞2千万円を手にした前作、
「削除ボーイズ0326」を経ての第2作。
意気込みばかりが空回りという感じ。
すでに4回を数えるポプラ社小説大賞でも
大賞受賞はいまだ彼のみ。もちっとがんば!
症例Aを読んで、プロの作家とはこういうもの
というのを学んでもらいたいものだ。
(直前に読んだ症例Aがあまりにも素晴らしいので)