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もし東野圭吾が「白夜行」とかで直木賞を獲っていたら、その世界観に通じるとかいわれていたと思う。暗さがいい。
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優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。(amazonより抜粋)
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なぜ、手を離してしまったか。
理由は簡単である。彼女が大人になってしまったからだ。大人になり、世界を広げ、抱え込んだものはその手には重すぎた。一緒にそれを支えていた存在ももはや罪でしかなく、愛してはいても手を離すしかなかった。だが彼女は、自分が男を捨てることはあっても、どこかで男が自分を捨てるはずがないと信じていたのだろう。幼い娘のままの、与えられる、愛される傲慢さで。
言わずと知れた直木賞受賞作。生臭い、どん詰まりに追い込まれた現在から遡っていくにつれ、最初と最後の章との落差に胸が詰まる。愛らしい小さな花と、若く見栄えのいい淳悟の『親子』。拙くも交わされる愛情と、ふたりがはじめて得た充足。けれど花が生まれる前から、つまりは最初から、ボタンは掛け違っていたわけである。「私のおとうさんは、最低なの」淳悟が最低だったのか、花がそれを狂わせたのか。お互いが、純粋な愛情を欲した上の結末は、あまりにも悲しい。
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冒頭から、グイグイ惹き付けられ、みるみる引きずり込まれていった。
でも、読後は違った。
あまりの嫌悪感に戸惑い…息苦しくなった。
本書は、時間を遡っていく構成のため、
ここであらすじを書いてしまっては面白くない。
非常に書きにくいのだが、大まかに、ね。
2008年6月、
結婚式を翌日に控えた24歳の主人公・花は、
養父・淳悟、婚約者の尾崎美郎と会食する。
一見すると幸福に思える風景は、花と淳悟が肉体関係を持っており、
さらに殺人事件にも関わっていたことが暗示されることで一転する。
時は1993年まで時間を遡り、
語り手を変えながら、二人の謎めいた過去を明らかにしていく。
当初私は、主人公の一人称だと勝手に思い込んでいて^^;
第二章からは、ただただ驚かされてしまった。
視点が変わり、時間が遡ることで、意外な真実が、判明していく。
時間の逆行という構成の上手さに、圧倒されてしまった。
各章を読み終わる度に、第一章に戻り確認してばかりだった(苦笑)。
そして、最後には、
2008年6月の第一章が、とんでもないことになるのだ。
思いっきり、好き嫌いが出る作品だと思う。
あまりにも背徳的だし、退廃的だ。
途轍もなく苦しい上に、重過ぎるのだ。
私自身、この父娘の生き様には共感できない。
けれど何故か、物語には共感できるという不思議な作品。
生々しい物語であるにも拘らず、無味乾燥な雰囲気があるのだ。
文章力は逸脱です。本好きなら一読の価値ありだと思う。
本書を好きか嫌いかと聞かれたら、正直言って、答えに悩む。
しかし、佳作であるとは答えたい。
だけど、「初」桜庭一樹が、この作品ではきっと引くでしょうね。
二番手、もしくは三番手辺りで、手にしていただきたい。
※第138回直木賞受賞作品。
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直木賞受賞作品。9歳の花は奥尻島地震の遺児。彼女をひきとったのは遠い親戚だという、25歳独身の淳悟という男だった。話は花の結婚式前夜から始まり、章を追うことによってさかのぼっていきます。そしていろんな秘密が明かされていきます。すごく重くて、どよ〜んとした空気の話でしたが、なぜかもう1回読み返したくなる作品でした。
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どこをどう飾り立てても これって虐待モノじゃん。
霧の中を彷徨うような..息苦しいような..そんな感じを受けながら読み続けた。
主人公の花が ”わたしの男”と呼び続けていた背景にひどく心が痛む。
淳悟のもとを離れ 新しい環境に身を投じた花だが 虐待の連鎖を生むようなことがないように願うばかり..
私の中では不完全燃焼..唯一共感できたのが 俗物小町くらいか..
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08/02/02〜08/02/03読了。直木賞受賞作品。内容に共感はできませんが、読んでいるうちに作品には引き込まれていくという不思議な作品です。
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装丁とタイトルを目にして、手に取らずにはいられなくて、立ち読みしたら止まらずに一章を読みきってしまいお買い上げ。一言で言えば狂気。陰鬱。決してすっきりするラストではない、けど、読後感が悪いわけじゃない。どろどろで暗い世界観が好きな人はもうぜひどうぞ。
それにしても私の好みは絶対に偏っていると思った。笑
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直木賞、でしたっけ。すごいですなぁ、これ。まったく理解不能ですけれど、環境によってはそういう風になってしまってもおかしくないものなのだろうか…と考えてしまいました。これ、読み手が男なのか女なのかで解釈が変わりそうですね。ここまで愛することができたなら、それはそれで本望なのかもしれません。ココまで愛することができたら、どうして離れられるのかわからないところですが。逆行していくものでしたが、この後どうなっていくのかちょっと気になる作品です。続編出るのかなぁ?それは想像に任せるのかなぁ?曖昧に終わる感じは、個人的には好きじゃないことのほうが多いんですが、これはいやな気分では無かったです。
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就活を読書好きで推していくに当たり、ホットな話題として読んでおくべきだろうとある意味仕方なく、手に取りました。 本屋でペラペラとページを捲っていつも読む気がせずにいつかは読もうと思い続けやっと手に取ったという感じ―― 実際、読み進めていって序盤の段階でこれは俺には向いてないなというのが見えてきました。 でも、とめられないこの感覚はなんだろう…イヤイヤな感覚ながらもページはスルスルと進んでいき、あっ、終わってる・・みたいなね。 凄く読みながら頭を使いました。言い方がむつかしくてそれが文学的だとか圧倒的筆力だとかいうのかもしれないけど、いまいち面白さがなかった。そういうのを求めるべきではない分類の話なのだろうけど、(題も近親相姦と理解のしがたい分野だったし。) この読ませる感じが評価されているんだろうなと、いまいち楽しめずに読了。 やっぱり、俺には向いていなかったと。
(2008.2.13)
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2008.02.14. もっとドロドロしたのを想像していたんだけど・・・そんなこともない?と思ってしまう私は、感性が鈍磨してしまっているのかもしれない。近親相姦ものというから、ある程度身構えて読んだんだけど。なんだか女は、生まれた時から女なのかとか、見当違いなことを思ったりした。あと、“ロスケ(ロシア人を野卑した呼び方)”がインパクト大。
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直木賞受賞作ですね!
桜庭さんの文章力のすごさを改めて感じました。
この幸せになれない暗い感じ大好きです。
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衝撃の作品でした。。。
読み終わってから、また1章を読み返しました。
成長をさかのぼるという描き方には最初違和感がありましたが、どんどんはまり込んでいける作品です。
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直木賞の候補に挙がっていたのは知っていましたが、
読み進めるうちに、「絶対!この本が受賞する!」と確信しました。
他の候補作品は読んでいないのですが、
たぶん。。。これほどの作品は無いだろう。。。
なんて、勝手に思い込んだわけです。
だから、今朝の新聞を見て「やっぱり〜☆」なんて、ほくそ笑んだ私です。
9歳の時、震災で家族を亡くした花は、
遠縁であった淳悟(当時25歳)に引き取られ育てられた。
父と呼ぶにはあまりに若すぎる男と、少女の生活。。。
物語は、15年間の秘められた関係に、
終わりを告げようとする、娘と父の別れから始まり、
過去へとさかのぼる。。。
お互いの、どこか淋しい生い立ちが、そうさせたのか、
親子の深い愛は。。。禁断の愛へと進んでいくのだった。
ただ、2人の関係は、決してどろどろしたものではなく、
どこか哀しげで美しささえ感じてしまう。。。
父と娘ではなく、少年と少女の凄まじい恋愛小説。。。
それは、花がとても愛らしい心の持ち主で、
淳悟が、あまりにかっこよすぎるからかも。。。
ついつい、映画化したら。。。などと想像しながら、
このカッコイイ父役には誰がいいだろうとあれこれめぐらしているうちに、
今は亡き、松田優作なんかがいいんじゃないかと、ふと思ったりしたのでした。
読む価値アリ!のおすすめの1冊です。
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人生を遡る構成。生い立ちがどんどん気になり物語に引き込まれていく。
確かに、直木賞受賞作品なだけはある。おもしろい。