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主人公は狂言作家(見習い)並木拍子郎こと筧兵四郎。
種取(ネタ拾い)の過程でいろいろ事件に首を突っ込んで、解決するという捕物帖的な展開。
芝居に関わる人間を中心に江戸時代の市井の人々の生活が自然に描かれていて興味深い+謎解きのおもしろさ+人情の機微も描かれていて一粒でふたつもみっつも美味しい作品。
この本では、「短い春」「雨の鼓」「子ども屋の女」「三世相」「旅芝居」を収録
松井氏の本だし読んでみるかと、何気なく手に取ったものだが、シリーズ3作目だったそうで。
いきなり読んでも全く問題なく楽しく読めたけど、前作読んでからの方がもっと楽しめたのかな?前作も読みたい!!
予想以上に、はまってしまった気がする。
NHKの金曜時代劇とかでやって欲しいほのぼのさ。
確かに江戸時代の人間を描いているのに、現在にも通じる人間の業とか欲とか女心、男心や人の情とかしっかり描かれてて、全く持って他人事という感じでもなく感じるものが多い。
毎回しっかり美味しそうな食べ物の描写があって、なんだかんだで因果応報を描いてくれてて後味もスッキリ。というパターンがあって連続ドラマとかにぴったりだと思いますわ。
松井氏の作品は時代考証に嘘が無いのだろうなという安心感があって好き。
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これってシリーズものなんですね。私ったら三巻目から読んじゃったみたい。でも、十分楽しめました。同心の家の次男として生まれながら、自らの出自に疑いを持つ主人公。家を出て、芝居の戯作者を目指しつつ、市井の事件に関わってしまう、という流れが無理なく、また、武家と町人の両方、特に芝居者たちの話がミックスされているところも面白い。料理屋の娘・おあおさが男勝りを売り物にしながらも、彼に恋している気持ちを持て余しているところが切なく、また、これからどうなるのだろう、と気を揉ませられる。彼女の作る料理も生き生きと描写されていて、自ら料理を柱としたブログを書かれている松井さんらしいなぁ、とも。戯作の師匠、その女房、おあさの父、同心の兄、岡っ引き、などそれぞれ好感の持てる人物たちが配置されているのも嬉しい。これは、1、2巻と戻って読まなくちゃだなぁ。(*^_^*)
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ふむ、どうやらこれはシリーズとしてまだまだ続くなぁ。2001、2003、2007、と3冊出ての、だから、そろそろ来るんじゃないか続編。。。でも、たぶんヒョウさんとおあさ坊がくっついたりとかそういうかんじじゃないだろうなぁ。五瓶と小でんもおちついたし。兄上の体調も小康状態だし。ヒョウさんが武家に戻っちゃあ面白くもなんともないから、ずるずるいくんだろう。続きが出るなら読みたいけど、もしおあさがヒョウさんと結婚したとしても、ああめでたしめでたし、にはならないだろうし、ヒョウさんが抱えている出生のヒミツへの疑問も、そこまではらはらしないんだよなあ。実は自分の父は五瓶ではないのか…?いやまさか…?くらいの疑問がむくむくと起こるくらいのほうが、奇想天外なんだけどなぁ。そのうち実の母にまつわる事件にまきこまれるとみたね、少なくとも。記憶がホットなうちに続編読みたいなぁ。どうもヒョウさんがタイプじゃないんで、面白いけどいまいちハマれないシリーズ。やっぱ松井さんは吉原絡みがすきかも。
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拍子郎とおあさの仲がなかなか進まない。
お兄さんにあそこまで言われたんだし、そろそろ進展してほしい。
出生の謎も、いつになったらわかるんだろう。それとも、わからないまま?
『旅芝居』のおじいさんの言葉が良かった。