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紙の本
ついに出ました!女性にもおすすめの古処作品
2008/02/17 16:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:上野蘭々 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大戦末期、日本軍の敗色濃くなったビルマ。日赤看護婦の静子は、後輩の美津らと、従軍看護婦として働いています。もはや医薬品不足に悩む病院では看護婦の仕事の大半は患者の下の世話。ビルマ人看護婦のマイチャンたちが、患者や看護婦を助け、時には場を和ませます。そんな兵站病院もついに撤退へ。
約300キロの陸路を、イギリス軍の空襲を避けながらほとんど徒歩で進む過酷な旅。戦時中の日赤看護婦といえば、きびしい教育を受けて戦地に派遣されるという、尊敬される女性の職業。しかし、路傍の負傷者から目をそらさざるを得ない厳しい撤退道。その誇りも揺らぎます。
厳しい状況の中で静子が看護婦としての矜持で必死に自分を支える様子には、共感を覚えました。いろいろな立場の人たちが、反発しあい、理解しあい気遣いあう心の描写は見事です。例えば、途中から一行に加わる芸者さんは大きな荷物をかかえていて決して離そうとしません。あまりに非常識なので皆迷惑するのですが、物語が進むにつれ、彼女の必死な思いもわかってくるのです。とくに構えて戦争ものとして読まなくてもいいし、ぜひ、女性にもオススメです。
実は古処ファンをまず驚かせた(たぶん)のは、主要な登場人物が女性であること。前作「敵影」もオトコの世界でした…(あれはあれですごくいいんですけどね)。「女性を描くのが苦手なのでは」疑惑もあったようですが、なんのその、です。明るく愛らしいマイチャンというキャラクターをアクセントに、登場人物それぞれ魅力的。著者の持っているよい部分が充分に発揮された作品でしょう。
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