紙の本
ありふれた話だから悪い、というのは短絡なんでしょうが、YAをバカにしちゃいけません。テーマ、ストーリー、キャラのどれをとってもフツー。これじゃあね
2008/06/17 20:07
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、不満が多い理論社のシリーズ、ミステリーYA!今回も The Letter from the Past という英文のタイトルがついています。これって意味あるんでしょうか。ファッションじゃないなら、全文英語本を出版してみたら?なんていいたくなります。新潮社といい、理論社といい何を考えているのやら・・・
七字由布の装画のついたカバー折返しの案内は
一週間の沖縄合宿から帰ってきた純一。
久しぶりの我が家で待っていたのは、
奇妙な置き手紙と、
腐ってもいないのに捨てられたシチュー用の肉、
そして、数日前から母親が家に帰っていない
という事実だった。
ひとつひとつは取るに足らない、
小さな違和感が積み重なっていく。
それが不安に変わるころ、母が発見された。
記憶を失って・・・・・・。
知れば知るほど不可解な母の行動と、増殖していく謎。
美人だが、いつも一言多い幼なじみの静海の力を借りて、
純一は母が失った空白の過去をたどる決意をする・・・・・・。
京都の町を自動車で駆け巡る、
個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、
爽やかな青春ミステリー。
です。以下、登場人物を中心に内容紹介をしましょう。
主人公は16歳の香山純二、鴨川高校一年生で、料理クラブに所属しています。純二のあこがれの女性はシレン、彼の夢の中に登場する少女です。名前で分るように、彼には2歳年上の兄・純一がいますが、10年前、9歳の時に事故で亡くなっています。10月3日生まれの兄は、今でも幽霊となって弟たちの前に現れ、遠隔透視の能力を見せたりします。ただし、ジュンニイの姿は限られた人にだけ見えます。
失踪した母は玲子といいます。年齢は特定できませんが、40歳前後でしょう。未だに長男の死を受け容れられず、毎年、長男の誕生日がくれば好物のシチューを作ることを習慣にしています。その姿を見るのが嫌で夫は東京に単身赴任して家に寄り付かず、純二もそれを苦々しく思っていますが、そういった感情に気づくことはありません。長男の幽霊ジュンニイを見ることはできません。
純一の事故に関係しているのが叔父で34歳になる香山ミノルです。ミノルが本名なのかどうかは分りません。結婚して一ヶ月というミノルの奥さんが瑶子です。これまた旧姓や年齢は書かれていません。
純二と一緒になって玲子を探すことになるのが、純二の幼なじみで、高校の同級生・音輪静海です。同じ料理クラブ所属で、彼女はジュンニイを見ることができます。モクは、彼女の弟で性格はクール、正式名称「黙」だそうです。はっきりかかれていませんが中学生でしょう。二人の父親が崖、こと音輪幸太郎、有名な洋画家です。美男子でもあることからマスコミにも取り上げられますが、裕福ではありません。玲子の同級生で、いまだに彼女に憧れています。
静海と一緒になって玲子を捜すのを手伝うのが、二人と同じ高校で料理クラブに所属する上田貴之と花咲京子です。ちなみに貴之は京子に気があり、京子のほうは、父親が有名人という静海に憧れ、友だちになりたがっています。本気で純二のことを心配しているかというと、そうではなくて遊び感覚、そういうところはリアルです。
ミステリとしての出来は、並以下でしょう。では、青春小説としての出来は? これも、はっきり言って面白くありません。ありふれている、という一言で終ってしまいます。純二と静海という組み合わせがあまりに平凡なのと、狂言回し役の音輪幸太郎に魅力がありません。作者にとってはユーモアの積りでも、読む側は寒いばかり。
京都が舞台、といえば、現在人気沸騰中の森見登美彦や万城目学がいますが、彼我の差に愕然とするのではないでしょうか。このシリーズ、作家から見直す時期に差し掛かったのかな、そんな気がします。最後に目次を写しておきましょう。
CONTENTS
第 一 章 シチュー用の肉を捨てて母は消えた
第 二 章 崖とモク
第 三 章 幼なじみの呪縛
第 四 章 記憶は失われていた
第 五 章 探偵団結成
第 六 章 捨てられた肉の謎に迫る
第 七 章 〈べにろく〉での口論
第 八 章 記憶のピース
第 九 章 UFOか人魂か?
第 十 章 口論の原因
第十一章 肉を捨てた理由
第十二章 手紙の正体
第十三章 見落としていた真相
あとがき
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何だか不思議な感じでした。
ミステリーとかにありがちな勘違い(?)もあったりで、面白かったです。
ただ私的にはもう少しスピード感が欲しかったと思うので、★は3つですね。
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ミステリーYA!の新刊。
なかなか面白かったです。
人が殺されへんし。
ただ、主人公の兄が幼い頃亡くなっている。
それが物語全体をうすら悲しくさせてますね。
それがなければ実は明るいかも。
キッシュが美味そう。
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内容はそんなに。
よく分からない状況が起きてて、本人は記憶喪失なので周りでいろいろ調査したり推理したりするんだけど、最後になって本人の記憶が戻って、本人が真相を語り、なんだか分からないうちに最後のページ、って感じ。
それより印象的だったのが、あとがきの作者の言葉。
「表面に現れていることと、まったく違う事実、別のストーリーが存在するかもしれない、そういう疑いの目は、情報という名のもとに、切り取られた出来事や言葉に惑わされないための訓練になるのではないでしょうか」(あとがきより)
ちょっとお説教くさいけど、ミステリーに対する新しい発想で、新鮮だった。
この本の中では、そこが一番おもしろかったかな。
残念だったのは、物語の舞台は京都なのに、ほとんどの人が京都弁じゃなかったこと!
ときどき「烏丸御池」とか出てきて「京都なんだった」って気づく感じ。
一人だけ京都弁の人がいた以外はみんな東京な言葉。
そこがほんとに残念。
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最初は、謎が謎を呼ぶ!みたいな感じでよかった。
静海(しずみ)と純一(じゅんいち)の家庭環境も、同情したくなる!
ただ、
オチが微妙だった。
トリックは分かったけど、そこからもう少し展開して欲しいかな。
それと、あとがきにすごい共感した!
作中に山本武が出てきてなんか嬉しかった(笑)
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自宅に帰ると、違和感がした。
違和感の正体は色々あったけれど、一番の違和感は
母親がいないという事。
兄の誕生日を毎年祝うというのに、その時期にいない母親。
その時点で違和感を覚えましたが、それは予想通りの展開でした。
全体的に、それは一体どうなったの? という箇所が多々ありますが
何という事もないものでした。
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あっという間に読めてしまいました。
ほんと、あっという間でした。
う~ん・・・。
面白かったような、そうじゃないような。
文章が簡単だったから、かる~い感じだったし、
なんとなく物足りなさを感じました。
「どういう事だろう?」って考えながら読むよりも、
ただスイスイ読んでいくうちに登場人物達が解決。
ホントそんな感じの本でした。
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一週間の沖縄合宿から帰ってきた純一。久しぶりの我が家で待っていたのは、奇妙な置き手紙と、腐ってもいないのに捨てられたシチュー用の肉、そして、数日前から母親が家に帰っていないという事実だった。ひとつひとつは取るに足らない、小さな違和感が積み重なっていく。それが不安に変わるころ、母が発見された。記憶を失って…。知れば知るほど不可解な母の行動と、増殖していく謎。美人だが、いつも一言多い幼なじみの静海の力を借りて、純一は母が失った空白の過去をたどる決意をする…。京都の町を自転車で駆けめぐる、個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、爽やかな青春ミステリー。
突然な設定がひっかかるけれど読みやすいです。あちこちで登場するレシピが楽しい。「爽やかな青春ミステリー」ってなっているけれど、家族関係のせいか、どこか寂しい感じも受ける。
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「今日は、純一の誕生日。
今から、タンシチュー用の肉をはなやま屋へ買いに行ってきます。」
純二が一週間の合宿から帰ってくると、こんな置手紙を残して母は消えていた。
しかしゴミ袋の中には腐っていないタンが捨てられていた。
母は一体、どこへ何をしに出かけたのか・・・?
岸田さんの新刊は、理論社の「ミステリーYA!」シリーズの一冊でした。
講談社のミステリーランドみたいなものかな?中高生向けなのですかね。
そうとは知らずに読んでしまったので、物足りなかったです。
これまた、前作につづいて感想が書きにくいのですが・・・。
謎はとても魅力的。なのですが・・・。
・・・そんな偶然って!?
一応、青春物ということで、高校生が主人公。
視点が純二と幼馴染の静海なのですが、ふたりとも家族に悩んでいるのです。
純二は兄・純一の死をうけいれられない母のこと。静海は野良猫のような有名画家の父のこと。
その親たちの視点がないのが中高生向けなのかな。
たしかに、あの頃は親の言うことすることなんて理解不能でしたから、このくらい掘り下げていないほうがそれらしいのかも。
彼らの部活はとても楽しそうでしたね。
「マテリアルクッキング」というもので、原材料からなんでもつくるという料理クラブです。
おいしそうだったなぁ~。
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幼馴染の高校生男女、ただしあまり仲は良くない(と、当人たちは思い込んでいるが、実際はいいコンビ)二人。
どちらもかなりの美形らしいが、なかなか気難しく、付き合うのが難しそうなキャラクタなのは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんぽくもある。
小中学生くらいの設定にした方が良かったかもしれない。
男の方の母親が記憶喪失になり、なぜそんなことになったのか、そしてつじつまのあわなさの謎を追いかける。
幽霊も出てきたりするけど、これはあんまり存在感がなかった。
女の方の父親は著名な画家で、なかなかおもしろそうなキャラクタだし、父娘関係のおもしろさもあるのだが、ストーリーとはあまりかかわってこなかったので、ちょっと残念。
これを読んだ人のほとんどはおそらく、ミステリの部分より、それとはあまり関係のない、主人公たちの参加する部活「マテリアルクッキング」の方に意識が行ってしまうのではないでしょうか。
これはかなりユニークで、おもしろい発想でした。
マテリアルクッキングが謎に直接結びつくような続編を期待したいところ。
(2008年07月14日読了)
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ん~、なんだかイマイチだったなぁ。ミステリとしてもだけど、メインキャラの二人がイマイチ好きになれず。
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中二病の抜け切らない高校生の純二が合宿から帰ると、謎の置き手紙と共に母親が行方不明の後、記憶喪失で見つかる。順次は幼なじみの静海と母の行方不明に至るまでや、置き手紙など不審な点の捜査を始める。 幼なじみ、友人、部活などをちょっと盛り込んだYA向けの本。謎解きは非常にあっさりしている。