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[ 内容 ]
夜空にいつも輝く星々。
その周りを惑星が回っているなんて少し前まで想像の域を出なかった。
しかし太陽系の外の惑星=系外惑星が今や次々と発見されている!…ベールを脱いだ惑星の姿は、予想をはるかに超えるものだった。
惑星がどのようにできるのか、理論は書き換えられた。
そして…私たちの住む地球は特別な存在か?
この根源的で素朴な疑問に、答が出ようとしている。
[ 目次 ]
第1章 系外惑星発見の時代(私たちの太陽系を遠くから眺めると;1930年代からの系外惑星探し ほか)
第2章 見えない惑星を見つける方法(直接法と間接法;恒星の位置の「ゆれ」を捉える―アストロメトリ法 ほか)
第3章 惑星系と生命誕生のシナリオ(私たちの太陽系の姿;原始惑星系円盤でダストから微惑星が誕生する ほか)
第4章 トランジット観測で系外惑星を探れ(HD209458bトランジット惑星発見と、その意義;トランジット惑星が教えてくれるもの ほか)
第5章 近い将来の系外惑星探査計画(すばる望遠鏡+コロナグラフで直接観測にチャレンジ;すばるとアルマで惑星系誕生の現場をおさえる ほか)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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4人の共著だが、ぶれもなく、テンポ良く読了。難しい記述はほんとどなく、系外惑星についての幅広い知識に触れることができる。2008年の発刊なので、その後のケプラー望遠鏡の活躍などは触れていないが、原理的な部分はほぼ網羅されている。
・恒星が巨大惑星をもつ確率は5%程度。
・現在の観測精度は毎秒1メートル。地球は毎秒10センチなので、まだまだ。
・検出法による発見のしやすさ、しにくさ(P79)。共通は小さくて軽い惑星は見つけにくい。
・「ダスト落下問題」:メートルサイズの微惑星は百年位で中心星に落下する。
・「惑星落下問題」:1天文単位の地球や5天文単位の木星は10万年位で中心星に落下する。
・太陽程度の重元素比率の恒星を探すことが重要か。
・生命の高等化にはどれだけのバリエーションがあるのかということが全く分かっていない。
・トランジット法による惑星大気の組成の観測。
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系外惑星の観測の歴史、方法についての概説など。中高生向けの内容かな? ある程度物理がわかってると後半の説明は冗長に感じるかも。
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本書の結論は、表題の『宇宙は「地球」であふれている』ではなく、『宇宙では、「地球」のような惑星が珍しくないと思われる』である。私は表題を読んで、てっきり「最近の観測技術の進歩によってついに、地球的(つまり水や酸素、有機物を持っている)惑星が見つかったのか」と早合点してしまったので、この結論にはがっかりさせられた。 しかし、内容はなかなか面白い。本来、発光することのない、しかも恒星に比べて非常に小さい惑星を見つけることは至難の業である。1990年代に入ってようやく太陽系外惑星の発見ラッシュを迎えた事実が、この困難さを表している。本書では、この至難の業・ドップラー法 惑星が恒星を回るときに恒星に与える重力加速度により恒星 が発する光がドップラー効果により変異することを利用し て、惑星を発見する方法・トランジット法 恒星と地球の間を惑星が通るときに発生する食(トランジット) により、わずかに恒星からの光が弱まることを利用して、惑 星を発見する方法・などなど、他にもあるが、詳細は忘れたを詳細に解説。これらの業を使っての最新(2008年)の結果も掲載されており、まずまずの出来である。惜しむらくは、もうちょっと刺激的な結論がほしいところ。2020年ころに、すごい望遠鏡が出来るらしいので、それまで待ちましょう。
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初心者向けの入門書を4人の宇宙観測の権威が分担して書いた本ですが、残念ながら分担したことでデメリットが目立つ内容となってしまいました。
例えば、恒星の周りを公転する惑星の軌道を、ハンマー投げの回転軌道に例えて解説していますが、では多くの惑星がなぜ歪な楕円軌道をとるのかといった素朴な疑問には答えていません、これは執筆者の誰かがどこかで説明しているはずというエアーポケットだったのでは?
とはいえ、さすがと思える情報もあり、例えば、巨大ガス惑星が3個の場合は軌道が不安定になるが2個の場合は安定的だということ(我らの太陽系では木星と土星の2個がガス惑星です)など。
全体的に、書かれている内容の難易度は高いので、心して読みましょう。