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エネルギー資源・食糧・衛生は人類存続、ヒトの営みの上最も重要なものであり、これらの安全・確保のために多くの財力、優秀な頭脳がそちらに注ぎ込まれ、その動向に世論はいつも注目するべしであるのに、世の中は異常者の犯罪だの「セレブ」の浮気だのに浮かれている。
これらエネルギー資源・食糧・衛生は重要であるからこそ利権からみ、共同体の将来よりも当事者の損得に左右され、さらには思い込み、(なんたるこっちゃ)意地に振り回される。
↑だろうなぁ、と薄々感じていたが、「マグマ」で「うむ、やっぱり」。
著者の情報収集/処理の実力は現役の報道人らの何十倍でもあり、小説だから(そこらへんの新聞/雑誌のように)情報を並べるだけではなく「読ませる」。楽しみながら勉強できる、ってやつだ。
快挙。
もちろん、架空、絵空事、と踏まえて楽しみ、疑問点、新たな視点は自分で勉強すればよろしい。
読者がそれまで素通りしていた報道記事にも「お、地熱?エネルギー問題」と立ち止まるようになるだけでも著者の本望であろう。
時事問題提示小説として満点、だろう。
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今回の舞台は
地熱発電とそれを取り仕切る外資系ファンド会社
地熱発電に真摯に情熱を燃やすものと
それを利用するもの
思わぬ裏切り
などみていてのみこまれそうになった。
だれが真実をもっていて
何が裏にあるのか。
推理しながら読んでも最後には裏切られる
そんあストーリー
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レッドゾーンを読んでから、このマグマを読んだがストーリーはスムーズに進み綺麗に一冊にまとまった読みやすかった。ゴールドバーグ・コールズ、ハゲタカなど時代設定がハゲタカと同じときのようでちょっぴり( ̄ー ̄)ニヤリとするところもある。
まあ、神風と書いているが話がとんとん拍子過ぎるのは気になるがまあいいでしょう。
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総電力の3割を原子力発電に頼る日本が、欧米諸国からの圧力、大物政治家の圧力によって地熱発電に移行する中、奮闘する人々を描いた物語。
登場してくる人物それぞれに抱えているコンプレックス、消せない過去があり、その過去が物語の終盤あたりで次々に明らかになり、各人の持つ熱い気持ちが見えてくるのが非常に面白くて感動的であった。
この物語を読み、特に以下の二点が印象に残った。
一つは、理想的といえる夫婦像。
もう一つは、自分の命を賭していいと思える仕事を持つことがより深い人生を歩むための一歩であるということである。
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「ハゲタカ」の作者が書いた小説。
小説を読みながらエネルギー問題が分かる一冊。「ハゲタカ」同様勉強になります。
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地熱発電企業の再生案件をメインとしたストーリー。
エネルギーor金融に興味がある人には相当おもしろいと思う。それぞれ専門的な領域だが、この小説では無駄なくストーリーに混ぜながら説明されているので読みやすい。単純な小説としても素晴らしいのではないかと思います。
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ストーリーは出来過ぎた感はあるが地熱について勉強できた。温泉国日本の地熱を利用しない手はないのは確かだが。地熱ヒートポンプ活用も脚光を浴びているようだ。化石燃料代替としては、かなりの金をつぎ込んだ原子力に頼らざるを得ないのは現実。確かに発電時はCO2は発生しないがプルサーマル、放射能そして核廃棄物等課題は多い。
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テレビの世界、実は政治が握っている。テレビの役割とは。視聴者としてテレビとどう向かい合うか、考えさせられる。
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2010年の様相とは大きく異なるが、政治の些々としたことで国の方針が変わることは本質を突いている。
地熱の基礎知識に。
御室夫婦の美しさが、今は際立つ。
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地熱発電?ナニソレ?と思ってましたけども、そこは流石の真山さん。
ほほー、そうだったのか。知らなかった。なるほどねぇ~。
てな具合に、地熱発電ってどんなもん?ってことがスッと入ってくるかんじ。主人公が地熱発電なんて言葉しか知らない、っていう設定で、主人公に感情移入しながらお勉強出来る。
ビジネスとして云々、っていうよりも、男のロマンとかプライドに共感しながら熱中して読んだ。相変わらずどれも真山作品はページを開けば止まらなくなる。
繰り広げられる人間ドラマも変わらず魅力的だけども、今回は身近な"電気"について、思いもしなかった事が多々学べた。エコだなんだと騒ぐ前に、この作品を読んでみて欲しい。
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地熱発電と外資ファンドと政治の三つどもえのストーリー。
主人公の野上の設定ががやや綺麗すぎるきらいはあるものの、最後まで一気に読ませるスピード感が好きです。
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わくわくしながら読めたのは良かったね。
エネルギー関して、全くの無知だったので、好奇心が駆り立てられて良かった。
エネルギーの可能性。
これは勉強にもなるね。
エネルギーについて学んでみたくなった。
そして、ビジネスをする時には新しくルールを作って、一気に攻める。
昨日を守るリスクから解放されるためにも強引さは必要だと感じだ。
「対案のない批判なんぞ不毛の極致だからね。」
これは最低条件。
そして、新しくルールを作る。
それも強引にでも。
でないと上を突破するのは不可能に思える日々この頃とを移し合わせていました。
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投資ファンドが再建先に行って奮闘する姿を見ることができる。
地熱発電所を建設するためにさまざまな方法を使って話を前に
進める。外資系ファンドのダイナミックなビジネスが垣間見れた。
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ハゲタカの作者 真山仁さんの作品
コールドバーグ・キャピタルの野上妙子は地熱発電の会社の再建を任される。
電力の主力になろうとしている原子力と比べて、コストがかかるといわれる地熱にこだわる上層部に翻弄されながらも妙子は地熱ビジネスに光明を見出す。
企業再生ビジネスの泥臭さを感じるとともにそのやりがいがあるようにも思えた。ビジネスの裏に政治あり、一企業のみを見ていても事業はうまくいかない。特にインフラ産業というものは政治が介入してくる分野なのだなと感じた。
企業再生の外科的措置として主に財務的リストラ、人的リストラ、不採算事業の切り離しがある。
また各発電方法ごとの発電単価(1キロワットアワーを発電するのにかかるコスト)
原子力(5.9±数円)、地熱(16円)など非常にへ~と思うようなデータも多数出てきて、電力事業に対する興味が出てきた。
本書で登場する地熱発電の前に
発電についてのメモ
すべての発電は動力を何で得るかが違うだけで、水を熱した蒸気の力でタービン(大きなモーター)を回すことで発電される。(蒸気を発生させるのが火力であるか、原子力であるかの違いだけ)
およそ地下2000~3000mにはマグマによって熱せられた地熱貯留層と呼ばれる高温高圧の層が存在する。
この地熱貯留層の温度は200℃ほどあるのだが、ここに存在する熱水を生産井と呼ばれる管より利用することで蒸気が発生する。
この蒸気から不純物などを除いてタービンを回すことで発電を行う。さらに地下より得た熱水は冷却して還元井を用いて地熱貯留層へと戻す。これによって半永久的に動力を得ることができる。
夢のような動力であるが、このようなマグマ層が存在するのが、国立公園内に存在することや、環境省などによる景観保護など種々の規制によって動きにくいこと、ランニングコストはかからなくても開発コストがかかる(地層の調査なども含めて)ことからあまり注目されていないという背景があるらしい。
また発電所一基あたりの発電量も原子力が100万KW、火力50万KWに対して地熱5万KWと大変低いことも背景にある。
新エネルギーに興味ある人はぜひ読んでみてください。
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2010年12月 03/101
地熱発電の話。
研究者の想いや、事業を再建させる主人公の想い、政治家や経営者達のそれぞれの思惑が絡んで行く。この交錯感がたまらない。
地熱発電の現場をとても見てみたくなります。工場見学熱を掻き立てる作品。