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豊島さん、ほんとうまくなったよなあ。と思わずにはいられない一作。やや優等生すぎる?と思わないでもないけれど、ストーリーは丁寧に紡がれ、花と巡る季節をモチーフにした心象風景の描写も鮮やかで、4つの短編の並びも実におさまりがいい。ちょうど桜の季節に満開の木の陰でこの本を読んだので、ラストの作は妙に入り込んでしまった。
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花。 身近にあって、時に強烈な印象を残すモノ。 胸の中に、大切な思い出の一風景として咲き続けるモノ。 この「花が咲くころいた君と」には、そういった花々が 「サマバケ96」「コスモスと逃亡者」 「椿の葉に雪の積もる音がする」「僕と桜と五つの春」という4つの物語の中で登場する。 またしても、キュウとさせられてしまった。思春期の少年少女はホント彼女の得意分野だと思います。全編を通して、語り手が、どちらかといえば二番選手というか、影と日向だったら影の部分をやや色濃くもつ、大人しめで控えめな印象の人物だからだろうか。だから響いてくるのだろうか。「椿の葉に雪の積もる音がする」も捨てがたいけれども、「僕と桜と五つの春」が一番よかった。
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20080502読了!
豊島ミホ最新刊。
我慢できず、ほかのをうっちゃって先に手をつけてしまいました。
花が出てくる短編、4作品。
ひとつひとつが、神経むき出しの知覚過敏全開ストーリー(★5が最高)
・サマバケ96(ひまわり)・・・★3 少女たちのひと夏。いらだちと成長。
・コスモスと逃亡者(コスモス)・・・★4 軽めの知的障害を持ったらしい主人公が逃亡者と出会う。
メインではないけれどセックスシーンが良い。
・椿の葉に雪の積もる音がする(椿)・・・★5 おじいさんと主人公。幸せな家庭で育つ普通の家族に訪れる喪失。
すごい。これを書いたのはすごい。上手い!
・僕と桜と五つの春(桜)・・・★5 痛清らかで胸がくるしい。桜のようにうつくしい美少女と、廃墟で凛と成長していく桜の木がオーバーラップする。
こういう青春をもつ男子は・・・いないだろうなあ。痛くてうつくしいおとぎ話。
総合評価★5つ。
ほんとうに豊島ミホはいいなあ・・・めっちゃハマった。しかも多作で安定してる。
文字ってただの文字なんだけど、この作品の表紙をひらけば桜吹雪が舞うし、椿がポトリとおちる。コスモスがいっせいにゆれる。
立体的な視覚をともなって、ストーリが身近にせまってくる。
もともと評価が高い作家さんではあるけれど、わたしと相性がいいんだとおもうなあ。
よし、今月中にコンプリートしようとおもいます。
他の積み本無視しちゃってでも!
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読み始めてあぁ、なるほど、と思った。
この本は4つの短編集からなるが『花が咲く頃いた君と』という題名の短編はない。
ないけれど、この表題がとってもしっくりくる。
季節ごとにその季節を代表する花にまつわるお話になっている。
どのお話もとてもよかった。
豊島さんは何気ない日常を描くのが本当に上手だと思う。
だから主人公の心にすっと入っていける。
そして、ちょっとせつなくなる。
読み終わるとぽろっと涙が出てくる。
『コスモスと逃亡者』も『僕と桜と五つの春』も景色が浮かびやすかった。
どちらもちょっと癖のあるお話なんだけど。
特に『僕と桜・・・』は桜のもつどこか気高くて冷たいよそよそしい印象と主人公の僕が恋する女の子が見事にマッチして、
まるで映画を観ているような物語だった。
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短編集。
中学生の女の子の友情を描いた「サマバケ96」。夏休みの宿題を7月いっぱいでやりきって、渋谷へ繰り出す計画を立てるのだが。
「椿の葉に雪の積もる音がする」は雁子と雪助という風流な名をもつ姉弟が経験する、祖父の死がテーマ。通夜の夜に姉弟で「人の死なない」ゲームを選ぶシーンが印象的だった。
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花にまつわるお話の短編集。「コスモスと逃亡者」が良すぎでした。おじさんの人格とか風貌とか歳が32なところとかダメさがたまりません。わたしの最近のおっさんブームはこっからきました\(^o^)/お話としても最後のせつないところが涙腺崩壊警報。図書館から借りた本だけども購入しようと思います
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2008.7.26
サマバケ96・・・ユカとアンナの夏休みのお話
コスモスと逃亡者・・・たからちゃんとサラ金から逃げているおじさんのお話
椿の葉に雪の積もる音がする・・・雁子とおじいちゃんのお話
僕と桜と五つの春・・・話すのが苦手な吉谷くんとカナハギさんと桜の木のお話
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一話目が自分と同じ年代の人が描かれた話なのでとても共感できました。
朝読書の時に全部読みました。
表紙に似合わず
いろいろ「ええ!?!」と思うところも多かったです。
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3話目だっけ?相変わらず,というか,実験的な話を書くなあ,と.
それよりも何よりもラストの話が綺麗すぎる.桜をすごく巧く使ってて相当好き.
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2008.08.26. 豊島さんの新作を見つけると、ついつい借りてしまう。思春期の心は残酷だけどキレイだな。「花」に関連した短編集で、今回もとても読みやすい。ラストのが1番好き。だけど、なんだろ、私がオバサンになってるのか。。。言葉遣いとかがちょっと気に障ったりして、現実の子たちはもっとすごいんだろうけど。
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ひまわり、コスモス、椿、桜・・・季節の花をモチーフとした、少年少女が主人公の短編集。
最近の豊島さんは正直どうなの?と思っていましたが、これを読んでやっぱりファン続けよう・・・と思いました。すごくせつなくてステキ。最後の一篇だけは残酷すぎて好きになれませんでしたが、後はどれもよいです。
「コスモスと逃亡者」・・知的障害の女の子のせつない感じ、寂しさをすごく上手に描いています。この人は本当にうまいなあ。
「椿の葉に雪の積もる音がする」・・思春期の少女とおじいさんの間に流れるせつない感情。読んでいて胸がキュンとしました。
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「花」がさりげなくテーマになっている短編集。
豊島ミホさんの作品は、
登場人物がいきいきしていて好き。
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「花」にまつわる4つのお話。
ひまわり→コスモス→椿→桜
豊島ミホは短編集でも物足りなさがなくて、おなかいっぱいになる。
いやはや。
すごいな。ほんと。頭のなか、どうなってるんだろ。
『椿の葉に雪の積もる音がする』と『僕と桜と五つの春』が好きです。
━私はたくさんのものを持っていた。大きくてきれいな家と、仲の良い両親、弟、きれいな瓶の香水、いざというとき心配してくれる友だち。
でも、私の大事なもちものの中から、おじいちゃんが欠けてしまった。欠けてしまって、もう戻らない。
外の光の中で、椿の花は燦然と輝いていた。それはもう鮮やかで、ずっと目の裏に焼き付きそうなほど。
ー聞こえんか。椿の葉に雪の積もる音がする。
特に思春期の心情を書くのが上手すぎる。中学生とか高校生の子におすすめしたい。
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やっぱこの作家さん好きだ〜休筆されてるとのことで理由は知らんが残念です。
椿の話と桜の話、それから冒頭の向日葵の話が好き。
豊島さんの中では、”中学生”と”高校生”ってはっきり違うもんなんだなーって何故か感じる。
友達取っちゃってごめんな、とかあんな風に言われたらどうしような?
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後味がたまらん。「コスモスと逃亡者」はおっさんのキャラが良かったし、「椿の葉に雪の積もる音がする」は最後泣けた。最後の話も良かった。あー豊島さん好きだ!どんどん読みたくなる。短編集は基本的に好きです。