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地方議会改革に関する入門書として購入しました。
本書は、地方議会改革に関連する100の論点について、各論点を見開き1ページで紹介し、左ページでは必ず図もしくはデータを掲載するといった、入門書としては利用しやすい構成となっています。
100の論点は、第Ⅰ編で地方議会改革全般について、第Ⅱ編で議会の持つ権限について、第Ⅲ編で議会内部の組織・運営について、第Ⅳ編で地方議員の現状やその選出方法について、それぞれ分けられています。
内容としては、地方議会改革についての論点がかなり幅広く網羅されているのではないでしょうか。財務過程において地方議会の持つ権限についてなども丁寧に記述されています。
本書は、「議会不信の蔓延と脱却の可能性」を論点①に置き、まず、地方議会不信の蔓延する現状を反映する2007年全国世論調査のデータを取り上げています。そして、そこでは不満派(60.5%)の最大の理由として、「議会の活動が住民に伝わらないから(53.3%)」が挙げられています。このような現行の議会活動と市民が想定する議会活動に関するイメージのギャップこそが、地方議会改革論議の難しいところでもあり、面白いところでもあるのではないしょうか。
構成としては、入門書ですのでやむを得ない部分はありますが、無理やり論点を100に分割したために、いくつか読みづらい箇所があったように思います。ただその分辞書代わりに使いたい方にとっては有用な一冊です。地方議会について勉強したい方は手元に持っておくと便利だと思うので、おすすめです。