紙の本
絵と物語の力強さ、深さに圧倒される。ヤクーバよ、よくやった!
2008/10/02 22:21
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒一色で描かれた力強い絵に魅了される。一見無表情のヤクーバ。しかし、そのまなざし、姿勢に魂が表れ、ライオンもまた、その体の線、たてがみ、きばが、すべてを語る。
勇気とはなにか? それが、この絵本のテーマだ。
少年ヤクーバは、戦士になる証として、ライオン狩りに出かける。彼の村では、ひとりでライオンと戦って、それを仕留めることで、戦士として、大人として認められるのだ。
ところが、ヤクーバが出会ったのは、傷ついたライオン。ライオンは、ヤクーバの前に身を横たえながら、彼の取るべき二つの道を示す。それは、真に「勇気がある」とは、どういうことかを、彼に問うものだった。
ライオンは、もちろん言葉は話さない。しかし、ヤクーバに問いかけたというのは、すなわち、ヤクーバの側に、自分が今、どうするべきなのかを常に問える素質があったからだ。ライオンの目に、その問いかけを読んだということは、彼自身の煩悶がそこにあったからこそ、読み取れたのだ。
彼には、とるべき道がすでに心にあっただろう。しかし、現実の前に悩む。夜明けまで。そこでの時間に、ヤクーバとライオンの間にあったものを思うと、心が震える。そして、ヤクーバは、ついに決心する…。
この物語は、勇気や気高さとは何かということを、まっすぐに問いかけてくれる。読む側も、真っ直ぐに受け止め、考えざるを得ない。そんな力のある絵本だ。一読して、忘れられない絵本になった。
紙の本
ライオン
2020/01/22 17:18
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
傷を負ったライオンを倒すかどうかを悩んだとき、ヤクーバはライオンの命を救うという道を選びました。その結果、仲間から外されました。しかし、それからライオンが牛を襲うことはなくなったそうです。
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ウヒー絵がこわい!
アフリカのある村の少年は、勇気を示すためにライオンをひとりで倒さなければならない。
ヤクーバは手負いのライオンをしとめず村に帰り、名誉ある戦士にはなれなかった。
本当の勇気とは?
って話
別に手負いのライオンでも、やっつけちゃっていいと思うんだけどなー
怪我してるんじゃ、卑怯ってことかな
他の元気なライオン探すとかさ
よくわからない
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アフリカでの話。少年が若者として認められるためにライオンを倒しに行く。絵本「三びきのやぎのがらがらどん」では、トロルを蹴散らすやぎに喝采したわたしたちも、ここでの結末に向かい合い、更に深く生き方について考えることになる。ボールドな線で描かれた絵はモノクロだが、そのコントラストが見事にアフリカの強い日差しを感じさせてくれる。
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深いです!
小学校高学年なら何か感じるものがあるんじゃないかな?
世の中”力”だけじゃないよね。
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本棚に並べただけでは、子どもたちは手にとらないタイプの本。
暗いトーンの表紙で、中身はモノクロの絵だから。
だからこの本は、まず読み聞かせで。
アフリカの少年ヤクーバは戦士として認められるため、ライオンと戦う。
だけど目の前にいるライオンは深傷を負っていた。
ライオンが目でヤクーバに語りかける。
わしを仕留めるのはたやすいだろう。
しかし、それは本当の名誉か?
殺さなければ、お前は気高い心をもてるが、
仲間はずれにもなる。
さあ、どちらの道を選ぶか?
ヤクーバが本当の勇気(戦わない勇気)を教えてくれます。
芝居に仕立てたらよさそうなストーリーですね。
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この「ヤクーバとライオン」は1と2があり1は「勇気」、2は「信頼」である。本書のテーマは勇気。勇気とは何だろうか。先般、あなたへシリーズの『ゆうき』(著:レイフ クリスチャンソン)でも「勇気」について考えさせられた。本書の訳者のあとがきにも勇気にはいろいろあると記されている。本書で語られる「勇気」についてもそれぞれの思いや立場でしっかりと受け止めて選択できる者でありたいと思う。
成長した少年たちが戦士として認められるために、ひとりでライオン立ち向かい戦って、倒さなくてはならない。ヤクーバにもその時が来た。ライオンに遭遇し、今こそ勇気を奮い立たせて戦おうと向かったその時、ライオンと目が合った。そのライオンは大きな傷を負って、もはやヤクーバと戦う力すらも残っていなかった。ライオンの目が語りかけた。「おまえには、二つの道がある」と。
選択の1…ライオンを倒してりっぱな男になったと認められる。
選択の2…殺さないで気高い心を持った人間になる。
しかし、後者は「弱虫」として仲間はずれになるリスクがある…と。
この話の読み方も考え方も自由である。どのように捉えても、どちらを選択しても間違いとは言えない。私たち自身がそれぞれの立場で一方を正しいとし一方を誤りとする。今風に言うなら、一方を勝ち組とし他方を負け組と言うのであろう。ヤクーバの選んだ勇気をあなたはどう思うだろうか? そして、あなたはどちらを選択するだろうか? 「戦う勇気」と「戦わない勇気」について今一度考えてみようよ。
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中学生を対象とするブックトークを一緒に担当した他館職員の方が紹介していた絵本。本当の勇気と揺るぎない信頼の物語。
読んでいて何とはなしに『クリスチャン・ザ・ライオン』の動画を思い出した。筋立てなんかはまるで違うんだけどねー。
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本屋で立ち読み。
白黒の絵ゆえに、アフリカの大地でおきた
ライオンと少年の間の深いやりとりが、
心に染みてゆく。
大人になるまえに、少年たちに読んでほしい一冊。
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ぱ~っと読んだら、拍子ぬけだった。期待がすごく大きかったから?でも、いい本だと思う。
(2)も一緒にあるといいのかな。
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ページをめくってみると、ライオンとヤクーバの迫力に思わず「ひっ!」と声を上げそうになる。
モノクロで、単純なタッチで描かれているにも関わらず、臨場感が半端ない。
ストーリーを読んで思い出した。
ロス五輪の決勝で、ラシュワン対山下。怪我をしていた山下の足を攻めないで、怪我をしていないほうの足を攻めた。ラシュワンえらい。というもの。
話がずれるけど、ラシュワンは結局全力で戦って結果そうなったんじゃないのかな。
ライオンだって、ヤクーバだって思いっきり戦えばいいのにー!
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絵、メッセージともに迫力をもってこちらに問いかけてくる。本当の勇気とは。子供達もじっくり聞いてくれました。
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2冊目 6分
6年生に必ず読みたいと思っていた2部作の1作目。
大人でも深く考えさせられる絵本です。
アフリカのある村では、ある年齢になると一人前と認められるため少年は独りでライオンを見つけて立ち向かい槍で倒さなければならない。少年ヤクーバはライオンと出逢ったがライオンと目が合いライオンがヤクーバに語りかける。弱っているライオンを殺して栄誉ある兵士になるか、ライオンを救って尊い命を助けるが勇気のない男として軽蔑され仲間はずれにされるか。ライオンは後者こそ気高い精神の持ち主ではないかと問う。ヤクーバの選択は・・・。
人間は1日で「選択」ということを何回しているのだろう。調べてみるとおおよそ9000回、20000回、30万回など答えは様々。その時の自分の立場や環境などによって選択は変化するのかもしれない。大人になるほど大きな勇気を必要とする選択が増えるのかもしれない。勇気を出して選択したら人に流されず自分を信じて前を向いて歩いて欲しいと思いをこめて。
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人間界の表面上の名誉を選ぶのか、生きる者としての根本的な正義を選ぶのか。本当に深ーい話。子供も大人もよく考えないと理解できない。おそらく「生きていく過程で答えが導きだせたらいいなー。」ってくらい深ーい話。
たまにこんな作品に出逢えることはありがたいことです。
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どのお話を読んでもその時に自分が置かれている立場で感じ方が変わってくるものだと私は思っています。
この本を読んで、
そうだ!そうありたい!と思うときと、
私には無理だ…と自分の弱さを思うときもある。
ただこの絵本はいつも
「あなたにとって勇気とは?」
と問いかけてくる。
先日、小学校で読み聴かせをした時に、ある子どもから「優しい!」と声が聴こえた。
彼女にとって今、勇気とは優しさなんだなぁと感じ、私の心まで温かくなりました。
ちなみに今の私にとっての勇気は、
「他人がどう思うかではなく、自分がどう思うかを大切にする事。」
今の私にはこれが結構勇気のいることなのだ。
さて、あなたにとっての勇気とは?