投稿元:
レビューを見る
ケインズ経済学を背景にした大きな政府から新自由主義、市場原理主義を背景にする経済政策への大きなパラダイム転換を行った本家本元。
とても論理的な本で理解しやすい。新自由主義、市場原理主義を批判する前にまずはこの本を理解し、批評する必要があると思う。
投稿元:
レビューを見る
大変読みやすく、すいすいとカラダに入ってくる本。
簡単に言えば、極論だからだろう。
ちょっとだけ、この部分を修正するとかがない。
よいよい!
投稿元:
レビューを見る
40年前の著書であるが、今の日本でもかなり通用する部分がある。
規制については、かなりの部分で当てはまる。
次は何を読むべきか?
投稿元:
レビューを見る
政府が自由を脅かすのを防ぎつつ、政府という有力な道具から望ましい成果を引き出すにはどうしたらよいだろうか。郵政改革、教育バウチャー、規制撤廃など、絶対自由主義者の政策の意味を説いた名著。(TRC MARCより)
投稿元:
レビューを見る
変動相場制に移行する前に、フリードマンがいくつか自由主義者として提言した内容。出版されて30年経過したのちに書いた著者のコメントが面白く、ハイエクなどと同様に30年前はさっぱり受け入れられなかったが今は人気で喜ばしいという率直な感想。暴落が起きてしまった今となっては、評価が再び分かれそう。フリードマンの提言は、いまとなっては当然のものも多い。
投稿元:
レビューを見る
分かりやすく書かれていて理解しやすかったので、☆5つ。資本主義という自由な社会において、行動の自由は守られているが、ある人が隣人を殺す自由は、隣人の生きる自由を守るために排除されなければならない。この主張は誰もがすんなり同意する。しかし、経済においては、協定を結ぶ自由や団結する自由と、競争する自由が衝突するといった、簡単に答えが出ないケースもある。こういう例を踏まえ、資本主義と自由の関係を知ることができ良かった。
投稿元:
レビューを見る
著者は誰もが知るミルトン・フリードマン。
アメリカの競争的市場を信奉するシカゴ学派の主要人物。
いわゆる純粋自由主義者に近い。
本書『資本主義と自由』は1962年に出版されたものである。
当然、出版当初も、世間に好意的に受け入れた本ではなかったようだ。
そして、当然今なお主流派からは異端視されているわけだが、彼の理論も一理ある。
変動相場制、税率区分の簡素化、政府機関の民営化といったフリードマンの政策提言は、いまや世界の常識となっていることこそがその証明ではないか。
(本の要所要所でアメリカ政府の政策を批判しているのにはウケた笑)
本書では、一貫して市場原理を崇拝しており、競争自由市場の実現こそが
現行の差別・不当な格差などを解決し、真の「自由」社会を実現できると考えている。
過剰な(彼にとっては不当な?)政府による市場への介入が、あらゆる分野において
自由・発展の阻害要因となっていると主張している。
うーん
彼は非常に論理的に進めているのだが、学術論文ではないためか?、私が自由主義者ではないためか?、「ちょ、待てよ!」となる部分が多々ありました。というのは、理論上は間違ってはいないのだが、彼は「市場」を過信しているため、現実的ではないということです。彼の主張通りに市場が機能すれば別ですが。
とはいえ、もちろん彼の「大きな政府」批判に同意する分野もありました。政府の介入が全くもって社会に利益を還元出来ていないこと、場合によっては市場の混乱・不利益を生み出す介入がなされていることは言うまでもない。
このように、政府の市場介入を激しく批判している彼ですが、市場が必ずしも有効的に機能しないことを認めている。第2章・自由社会における政府の役割には「自発的な交換を通じた活動では、政府がそのための下地を整えることが前提とされる。具体的には、法と秩序を維持し個人を他社の共生から保護する、自発的に結ばれた契約が履行される環境を整える、財産権を明確に定義し解釈し行使を保障する、通貨制度の枠組みを用意することが、政府の役割となる。」(本書、p.73)とあると記述されている。
彼は、「筋の通った自由主義者は、けっして無政府主義者ではない。」(本書、p.85)とはっきり書いており、世間一般に批判されているほどの偏った人間ではないのかも。
まぁ、免許制度などについては行き過ぎた感があるが・・・
---
世界的大不況に陥った今、行き過ぎた「資本主義」に批判が集中しがちであるが、私見としては、あまりにも短絡的な批判に過ぎない。上記にもあるとおり、市場が必ずしも有効的であるとは言えない。今回の不況も、アメリカの金融商品を世界にバラ撒いてリスク分散させようとしていたこと、不景気になるとバブルを生み出そうと政府が市場介入していたこと、いろいろな要因がある。おそらく現行の自由市場と奇妙な政府介入の最悪な事例であろう。しかし、だからと言って安易に自由主義批判に走るのはいかがなものか。もちろん、今まさに「大きな政府」が成功している北欧の事例もあるが、���ずしもすべての国に導入すればいいというわけではないということを確認したい。
自由市場の実現による急成長という事例もあるかと。
まぁ、こんなこと言っても、だったらどうすれば?ということができない自分。笑
要は、フリードマンの自由主義に賛同できないが、かといって自由主義批判に走るつもりもないという・・・笑
---
私自身、経済学に関してまだまだ未熟者であり、このような古典を安易に批判できる考えは持ち合わせていない。また、本書は私に新しい視点・問題意識をもたらしてくれたという意味では”今の私にとっては”良書であった。
(実際、マンキューが推薦する本ってくらいなので、いい本なのでしょう。)
何より、本書はミル『自由論』、ハイエク『隷従への道』と並ぶ自由主義(リバタリアニズム)の三大古典の1冊であり経済学を学ぶ者にとって必読書であると考えている。
そうした意味で、★5つと評価する。
投稿元:
レビューを見る
リーマンショックにより世論から反感を買っている新自由主義を唱える側の経済学者の大家の一人、ミルトン・フリードマンの著作のうちのひとつ。
全ては自由から始まる。自らの個々人の自由を実現するためには、今(書いている当時)の政府は強大で、制限的すぎる。政府は、市場が上手く機能するための最低限のルール設定とそのルールを破ったものへの制裁程度が限界であると説く。そして一部の例外を除き、市場での自由な競争を望むべきである。また、国立公園や平時の徴兵制、公有公営の有料道路など民営化を唱えたものは多岐にわたる。
一部には、教育の自由化など、普通に考えたら中々民営化を考えないようなものへの言及もある。さらには、ケインズの投資理論の現実を説き、新自由主義への舵取りをする。
今やリーマンショックのせいで酷な評価を受ける新自由主義であるが、まだまだ世界の根幹を構成するだろう。そして格差社会と言うが、それと新自由主義の関係はあまりないだろう。感想レベルだけど。。
投稿元:
レビューを見る
●未読
ミルトン・フリードマン:ノーベル賞経済学者。
◎「スラム化する日本経済」p.149で紹介。
《著者フリードマンはノーベル賞経済学者。1962初版。「資本主義こそ、社会的不平等解消の特効薬」と主張する内容。世界が社会主義化することへの恐れと焦りが、著者を極端な資本主義礼賛論へと追いやったが現在(2009年)では、まさにその逆の方向に力が働きそうになっているように見える。「社会主義と自由」と言う本をそのうち誰かが書くかもしれない。まさか「全体主義と自由」(全体主義〜統制・監視)はないだろうが、そうならないように努力しないと、さみっとは「またやるの」どころか、「もうやれない」分断と統制の世界の到来となってしまう。
*最悪の事態がきても、それが恐ろしいあまりに統制経済化と『自分さえよければ』主義による囲い込み、そして「引きこもり」の方向に向かう事の内容、意識の共有を図っておくべきである。》
投稿元:
レビューを見る
「自由」へのこだわりがずっしりと響いてくる。
かといって、現在よく言われている「自由主義」の「弱者切り捨て」とは一線を画す印象。
「社会主義」と「自由」は相容れない。
投稿元:
レビューを見る
サブプライムローン危機以降、何かと悪者にされる市場原理主義ですが、これを読めば、その評価がまったく的の外れたものであることが分かります。
投稿元:
レビューを見る
ジョン・スチュアート・ミル『自由論』、フリードリッヒ・ハイエク『隷従への道』と並ぶ自由主義(リバタリアニズム)の三大古典の1冊
序章
第1章 経済的自由と政治的自由
第2章 自由社会における政府の役割
第3章 国内の金融政策
第4章 国際金融政策と貿易
第5章 財政政策
第6章 教育における政府の役割
第7章 資本主義と差別
第8章 独占と社会的責任
第9章 職業免許制度
第10章 所得の分配
第11章 社会福祉政策
第12章 貧困対策
第13章 結論
投稿元:
レビューを見る
ミルトン=フリードマンの代表作。これが45年も前に書かれたものであることは驚きです。まだ通貨の固定相場/金本位制が当然とされていた時代(フリードマンは本書の中でこれに対して変動相場への移行を論理的に推奨)の話ですから。
いくつか本の中から目に付いた内容を引っ張ってくると、
・恣意的な中央銀行の介入の批判
・不況期の財政政策の効果への疑問(反ケインズ)
・関税撤廃(軽減)、保護貿易反対
・教育バウチャー制度提案
・職業免許制への批判(医者免許含む)
・最低賃金規定への批判
・負の所得税提案
・企業のCSR活動への批判
・郵便事業の民営化
・政府による有料道路への批判
・政府による年金運営への批判
などなど、現代日本で先鋭化されている諸問題に関わるテーマが盛りだくさんです。
根底に流れるのは、自由主義的思想(リバタリアン)の原理原則への忠誠です。言ってみれば「民でできるものは民で」というやつですね。
自由主義者は、弱者切捨て、格差社会の元凶とも思われているところもありますが、それを口にする人はその前にこの本を読まないといけないんだろうなと思います。機会の平等は保持されるべきだが、結果の平等を担保しようとしてはならない、というようなことがはっきり書かれています。
今でも有効な古典、と呼ぶにはあまりに現代的にすぎる名作。
(結論には好き嫌いはあると思いますが)
投稿元:
レビューを見る
民主党政権になって、規制緩和・構造改革路線が大幅に鈍化していますが、なぜ構造改革が必要かという原点を確認するために、折りに触れて読むようにしています。
解説にある、
①政府が政策で介入してもいい
②でも、国営で行う必要はない
③民営でもできる
この3つの視点から考えることを忘れず、今後も規制緩和・構造改革の進展をみていこうと思います。
投稿元:
レビューを見る
自由とは何か、それを追い求めるのが本著である。著者はノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン博士。サッチャーやレーガン等から彼の理論は持てはやされ、小さな政府がその後の主流となっていく。しかし、この書籍が出たばかりの頃には異端視されていた。
自由主義(liberalism)という物について本著では、政府の果たした役割についての言及と、過去から現在(1962年)まで続けられるケインズ経済主義へのバッシングを行っている。
ミルトン・フリードマンは2006年に残念ながら永眠された。
この著書はその4年前の2002年に巻頭の序文を付け加えた形で2008年に発行されている。
私と経済学が初めてであったのは2006年のことで、今から4年も前であり、そのころひとりの老人から渡された、スティグリッツ教授の書籍が私のバイブルなのである。
その後も個人的にはスティグリッツの経済政策を中心に読み込んでいくため、この資本主義と自由については違和感を覚えたのは事実だ。
実は今回で読むのは2回目で、1回目の時は理解に苦しんだ。その後、いくつかの経済書を読んでいくうちにアメリカ人の考え方リバタリアニズムやリベラリズム等に触れるうちに、理解はできるようになっていった。
この書籍で言いたいのは、政府が果たした役割についてニューディール政策のような箱物、バラマキ政策や税制は今すぐやめて、税金を安くし、還元しろ。貧困層には負の所得税つまり補助金を現金で還元し消費させろと言っています。
だからといって、社会保障を0にするというような突拍子も無いことを行っているわけではなく過剰で過保護な政策を辞めなさいとも言っているのです。
フリードマンが認めた政府が行ってきたこと<084>
・法と秩序を維持する
・財産権を明確に定める
・財産権を含む経済のルールを修正出来るようにする
・ルールの解釈をめぐる紛争を仲裁する
・契約が確実に履行される環境を整える
・競争を促す
・通貨制度の枠組みを用意する
・技術的独占に歯止めをかける
・政府の介入が妥当と広く認められるほど重大な外部効果に対処する
・狂人や子供など責任能力のない者を慈善事業や家族に代わって保護する
勘違いされやすいが、
スジの通った自由主義者は、けっして無政府主義者(アナーキー)ではない。
そして、その後に農産物の買取価格の決定権から有料道路の保有までの14項目にわたり政府がやらないほうが良いリストを上げているあたり、筋金入りである。
また、フリードマンは権力の集中を恐れた。もちろん自由が阻害される要因であるからだが、
ある人の自由を他の人の自由を妨げない限りにおいて個々人の最大限の自由を守ること
そして、
この目標を実現するためには権力の分散が必要
と考えるのだそうだ。ところが、この後に来るのが通貨問題である。この通貨の問題とはすなわち為替、貿易時に起こる為替差がそれに当たってくるというのだ。
この当時いまだ、金本位制を敷いていたため、現在のような変動相場制ではないため、1ドル=XXX円などと固定レートでの貿易を行っていた。そうすると当然、海外への輸出が増えれば儲かるが、輸入が増えれば損することになる。元々は戦後の体制からこのような金融・外交政策をとっていたわけだが、ある程度世界経済が復興してくると輸出量よりも輸入量が増加してくる傾向になったというわけだ。もちろん、それは日本の製品品質が安くてよかったからということに起因しているわけなのだが、それでは貿易赤字はどんどん増えていくため、このような固定相場制からの脱却を促していたわけだ。ここらへんは中学ぐらいでも十分習った範囲である。(もちろん、商品本位制や、金銀本位制などの記載もあるが割愛)
そして、FRB(連邦通貨準備基金)の創設についても触れられていたりと、非常にマクロ政策よりの記述が多いのが特徴である。
上記についてはp92以降に書かれているのだが、フリードマンの提言はp142に記載がある。ここについては現在ではほぼ達成されているので割愛する。
ここで、注目したいのがp144以降にある「貿易統制の撤廃」なのだが、ドラッカーと同じくしてこの人もよく日本を研究していた研究者であると言える。なぜ、ここでアメリカの取引相手として日本を選択したのかを確認したいが彼は故人であった。
だが、何かしら日本への対する危機感があったのかもしれない。
この後は教育問題や就業問題、人種差別問題、経済活動への政府の介入範囲、累進課税に対する言及、そして社会福祉や貧困対策と幅広く政策提言されている。そのなかで気になったのが以下の文面である。
自由主義と平等主義<352>
自由主義の根底にあるのは、個人の尊重である。自由主義では、各自が自分の考えに従ってその能力と機会を最大限に生かす自由を尊重し、このとき、他人が同じことをする自由を阻害しないことだけを条件とする。
この内容は貧困対策の最後に書いてあるのだが、どうして貧困対策の最後なのか、という点だ。つまり、人は等しく基本的人権を持ち、尊重され自由に生きることが出来る。それにはお金も地位も名誉も人種も性別も年齢も職業も、何もかもが関係がないということなのだ。ただ、相手を尊重することだけは最低条件で守りなさいということであり、これがヨーロッパから迫害され渡ってきた自由を求める民の心情なのかもしれない。
最後に、ミルトン・フリードマンは結論でこのように語っている。<362>
しかしこれらすべて、自由市場を通じて展開された個人の創意工夫や意欲の果実であって、政府の施策は少しも貢献しておらず、ただ邪魔しただけである。
政府の施策がもつ重大な欠陥は、公共の利益と称するものを追求するために、市民の直接的な利益に反するような行動を各人に強いることだ。
と政府や地方自治体への悪口部分だけ抜き出してみたのだが、この前にもちろん政府が果たしている公共性へのリスペクトや配慮は十分にしているのだが、あまりにも長いので割愛した。実際には公共衛生も反トラスト法も作ってきたではないかと敬意は払っているものの、それ以上に働きが甘いといわゆる「喝!」をいれているのがなんとも面白い。
これの書籍が今から約50年ほど前に書かれたものだとはとても信じ��れないぐらい、我々の今の生活を予言している。案外、人間は変わらないのかもしれない。