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昔よく見た歌番組やラジオから流れる今週の「トップ10」。
それにからめての連作集。
なかなかおもしろい趣向でした。
今はやりの若手歌手、ラップ調のグループ、往年のフォーク歌手、本格派歌手、正統派アイドル・・・
トップ10には様々な歌手やグループがいて、中には「これはあの人のこと?」「あのグループのこと?」とニヤッとしてしまうことも。
売れっ子には売れっ子の、アイドルにはアイドルの、それぞれの悩みがあって、
これは小説だからもちろん実在の歌手やグループではないのに、本物の世界もきっとこうなんだろうなぁと想像してしまう。
で、割と淡々と読んでしまった。
一番豊島さんらしいと感じた話は最後の『絶望ソング大全集』。
高校でいじめられていた沼倉のデビューするまでのお話。
彼が自分の心の内をさらけ出した12曲が『絶望ソング大全集』で、その中の一曲が第10位だったらしい。
私としては、彼の大全集をテーマにした小説を読んでみたいかな。
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J-POP TOP10チャートから生まれるドラマ10編がおさめられた(連作)短編集。
豊島ミホは個人的にアタリハズレが激しい。
夢見がちというか、乙女チックというか、そういうふわふわした書き口だから、日常の些細な風景やみにくいものを描くとピタリとはまるんだけど、スケールの大きいファンタジーの入った作品になると、そういう書き口とあいまって何だか浮き足立って薄っぺらくなってしまう気がしてしまう。
今回は名の知れたミュージシャンたちを題材としていて、たぶんモデルがいて、いろいろ想像を膨らませて書いたのだと思うけど、人気ソロアーティストを描いたものはやっぱり平凡で陳腐な感じを受けました。「あたしはいい子」「ぜんぶあげる、なんでもあげる」あたりが特に。
逆に、ユニットものは、メンバー内の関係を描いているものが多くて、地に足が着いていて、大きな舞台でも豊島ミホのよさが生かされている気がしました。
とくに「きらめくさだめ」とか、女の子同士の関係を書かせると、豊島ミホはやっぱりオンリーワンだなあと思います。
「話があるよ」「楽園が聞こえる」「ラストシングル」も好きでした。
ソロだけど、心のどろっとしたところを描いた「絶望ソング大特集」もばっちり嵌まっていてよかった。
きらきらしたお話も素敵なのがいっぱいあるけど、きたなくてだらしないもののほうが、豊島ミホの清潔さが際立ってよいと思う。読後感がいいから、過剰になり過ぎないし。
流行のサイクルが早くて、次から次へと消費されるのは音楽も文学も同じ。
豊島ミホの本音が見え隠れしているような1冊。
★
――あたし、ずっと欲しがられていたいよ。
最後まで口にしたら、身体がぜんぶほどけてなくなりそうなくらい力が抜けた。誰も「ずっとなんてないよ」とは言わない。「うん、うん」と、キミオがもういっぺん頭を撫でてくれただけだった。
疲れてたんだ、それだけだ――そう思ってから、「それだけ」なんて言うべきじゃないな、と思い直した。
――だって、それでこんなになるなら、「疲れてる」って超ダメなことなんだろ。
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ヒットチャートに並ぶシンガー達の心模様10編。連作短編集。豊島ミホお得意の!というような感じです。相変わらず読みやすい。この人は、あるようでない、という作品を書くなあ。痒いところに手が届くというかなんというか。それを言葉にして届けられるのは羨ましい限りでございます。1位のモデルは浜崎あゆみ、2位のそれが倖田來未、川嶋あいやハロプロ系をモデルとしたような人物もチラホラ見受けられ、現実を軸にフェイクの世界のあれこれを想像しながら読むのは結構面白かったです。10位の話が、一番豊島ミホっぽいと思った。ネガティブを武器にポジティブにするという。そして自分がヒットチャートや音楽番組をいつからか気にしなくなった、そんな年齢になったんだなあと気付かされた。いつだろう、高校の途中くらいから、だったかなあ。
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200807読了 もんくなしで★5つ
後日、きちんとレビューできればよいけれど。
とにかく、あふれるほどの音楽がすごかった。
ちゃんとカウントダウン。
ええっと。後日まともに書きます。とりあえず、枠つくっておかないと、書くのをわすれちゃう!
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以外とと言っては失礼ながら、面白かった。カーテンコールの明暗と申しましょうか?芸能人を素材にした成功と挫折と過去と未来と・・・万華鏡ですな。リアルエンタメ界を彷彿とさせる一部の題材に関心しながら、短編完結方式が読み手を飽きさせない。
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J-POP TOP10チャートを中心にミュージシャンたちの光と影を描いた連作。
以前、小説家としてデビューしたものの本が売れず、若くして夢を断たれた作家の苦悩を描いた実話を読んだことがあります。音楽業界と文壇は程度の差はあれ、シビアだという意味では似ているのかも・・。音楽はあまり聞かないけど、文壇の厳しさを重ねて読みました。
印象的だったのは最初の伊藤ありさと、アライブオンザエッジ。伊藤ありさの章では、ライバルに追い上げられている歌姫の苦悩がよく描けています。「あたし、ずっと欲しがられていたいよ」という言葉がせつない。豊島さんもそう思ったことがあるのだろうか?
アライブオンザエッジの章では売れずに解散に追い込まれるバンドの悲しみを淡々とつづっています。一番よくできた短編だと思いました。できたらその夢破れた後を描いてほしいな・・と思います。
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素敵だわー.なんでこの作家さんはこんなに連作短編が巧いんだろう.
これ当て書きしてるよね?あー誰のことだ,って想像するのも楽しい.
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主人公がすべてミュージシャンということで頑張って読んでましたが、ひさしぶりに読破できず挫折です。。。
10コの短編が入ってるのですが、1話目はあゆ。2話目は倖田來未。をモデルにして書いているのが丸分かりで。
主人公の設定が、まんまやーん!て感じやったので、微妙に入り込めず。。。
作者が楽しそうに書いてるのは伝わってくるのですが、伝えたい事とかがよくわからないし、文章にセンスも感じれなく、3話目以降は読む気をなくしてしまいました。
自己満足だけで書いてる気がしちゃったのです。
ナオコーラさんとは正反対の位置にいる作家さんだなぁ〜。。と私は感じました。
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架空のヒットチャートを題材にした短編集。年代が近いせいもあってか、誰をモデルにしてるかがなんとなくほとんど分かってしまったのも面白かった。架空のお話なのに、実際の彼らに重ねてみちゃったりして。8位の男性2人組(これて絶対○&●だよなー)がやけにリアルで、何年か前のことを思い出したり。
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2008.11.16. 1位から10位まで、今週ランクインしたミュージシャンたちの、それぞれの話。よくいそうなミュージシャンを取り揃えていると思う。でも、それだけかも。
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音楽にかかわる若者たちを主人公にした連作10編。
好きな作家なのだが、10パターンを読みついでいくのには、我慢がいった。
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<This week BEST10>トップ10アーティスト10組のそれぞれの音楽への思い。連作短編。
表に出ないところでこういうことはあるだろうなーと思う内容でした。自分の思い通りにできないことなど。そして、どんどん新しい人がでてくるわけで、追いかけられる側はやはりつらいなぁと思いました。もうちょっと先まで知りたいと思っても、短編ということで区切られちゃうのが残念。
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こんな短編初めて読んだ!芸能界ってこんな感じなのかな、と思った。確かに時代の流れってあるけど、それで忘れられちゃうとかもういらないとか切り捨てるってどうなのかなとか。世間って冷たいとも思った。2話目の倖田くみっぽい人の話は結構好きだった。
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この人にしては珍しい題材だなと思いました。
今を引っ張るシンガー達のそれぞれの思いがつづられている短編集。
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2番目に読んだ豊島作品。
彼女にはまりそうです。
以下、短編名と覚書。
ぜんぶあげる、なんでもあげる:この人しかいない。痩せた額
絶望ソング大全集:その後、誰かを好きになれた