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エイレーネーの瞳 シンドバッド23世の冒険 みんなのレビュー

  • 小前 亮 (作)
  • 税込価格:1,54014pt
  • 出版社:理論社
  • 発行年月:2008.4
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

話はともかく、中東に対する知識はなかなかのものと見ました。それならもっと踏み込んで、中東を書きつくしたほうがよかったのでは

2008/10/07 19:34

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

全く知らない作者です。おまけに23世というものの、「シンドバッド」という超有名どころの名前をチャッカリ使う。正直、理論社のミステリーYA! でなければ手にしたかどうか。ま、ホームズが登場するパロディ本は世に数多あるし、小前のこの作品では、「23世」と、ある意味、後継者としてお話の縁切りはされているので、目くじら立てるほどのことではないんですが・・・

ちなみに、英文のタイトルが

The Glitter of Ruby and Sapphire

Adbentures of Sindbad XXIII

とストレート、これなら敢えて書く必要ないんじゃないか、なんて思います。佐竹美保の装画、岩郷重力+WONDER WORKZ。のブックデザインも、叢書なのである意味平均的なもの。勿論、谷山彩子のマークイラストレーションも変えようがない。ただ、児童書としては好きな造本であることは間違いありません。

カバー折り返しには

十七世紀、オスマン帝国の首都イスタンブール。
さまざまな民族や言語、宗教を抱えるこの巨大な国際都市は、いつも活気にあふれている。

少年マレクの師匠セルマは、「シンドバッド」の名を継ぐ正真正銘の冒険家だ。
ランプの魔人をしたがえ、魔法の絨毯を駆って、颯爽と大空を飛び回る日々を送っている。
そんなある日、いわくつきの宝探しに乗り出そうとした矢先、
ふたりは不可解な事件に遭遇した。
街の広場に立つ巨大なオベリスクが、一夜にして消えてしまったのだ……。

襲いかかる数々の試練、手がかりとなる三つの鍵、謎めいた暗号、不気味な追っ手の影―。
謎と魔法に彩られたきらびやかな冒険が、いま幕を開ける。

と書いてあります。西暦17世紀というのは、イスラム暦で11世紀にあたるそうで、舞台はオスマン朝の帝都イスタンブールです。ここでいう「いわくつきの宝」というのは「エイレーネの瞳」というルビーとサファイアの対になった指輪で、一つを持つものに災いを、二つを持つものに福を、という言い伝えを持つ東ローマ帝国の秘宝です。

オスマン帝国、東ローマ帝国、イスタンブール、オベリスク、ボスポラス、といった中東ファンなら飛びつきそうな言葉の他に、文中に建築家ミマール・シナンへの言及があります。2004年に夢枕獏が出した『シナン』で、一躍我が国でも有名になった存在です。無論、知らないのは日本人だけといってもいいい存在だそうで、私の『シナン』の書評メモにも獏の教えにならって

シナン、とはミマール・コジャ・シナンという、オスマントルコ時代の建築家で、一般的にはミマール・シナンと呼ばれているらしい。ちなみにミマールは、トルコ語で建築家、コジャは偉大な、と言う意味だという。シナンは1488年、トルコのカッパドキア地方のキリスト教の村に生まれ、24歳で徴用され、イェニチェリと呼ばれる兵士団に入れられ、イスラム教に改宗させられている。

で、この話は彼がイスタンブールにある巨大な建築物、聖ソフィア寺院を凌ぐ建築物が欲しい、と願うオスマントルコ時代の歴代のスルタンの夢を、シナン87歳の時、セリミエ・ジャーミーという形でかなえる物語である。

と書いています。あえて、詳述したのはある意味、シナンの名前をさりげなく入れるあたりに小前の力を感じるわけで、著者略歴には、小前亮[コマエリョウ]1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。大学での専攻は、中央アジア、イスラーム史。2005年に重厚な歴史小説『李世民』でデビューをはたす。豊かな歴史の知識を駆使し、歴史上の人々や当時の生活模様を活写した物語は、たちまち多くの読者を魅了した、とあります。ふむ、ただものではない・・・

とはいえ、最近の児童書(ヤングアダルト向けなので、対象年齢はもっと上ですが)らしい、 ありふれた設定もあって、勿体無いなあ、もっと割り切ってBLかGLものにしちゃえば良かったのに、なんて思ったりします。森奈津子あたりだったら、もっと破天荒なお話になったでしょう。そう、理論社さん、思いつきでナンですが、ミステリーYA! の一冊を森奈津子に書かせませんか、エポックメイキングなものになること請け合いですが・・・

とまあ、先走りました。何が当たり前の設定なのか、登場人物を詳しく紹介しながら述べていきましょう。

セルマ:主人公で、この人がシンドバッド23世です。趣味と実益を兼ねて、普段は男装をしている美女で、年齢は不詳だが、10代後半か20代前半という設定がいかにも今風。職業はトレジャーハンター。ただし、裕福ではないので宝探しのたびに出資を募って、資金提供者に配当付きでお金を返すというやりかたをしています。類まれなる直感力の持ち主で、過去にファラオの財宝やソロモンの秘宝を発掘しています。空飛ぶ絨毯を自在に操り、時々突拍子もない行動に出ることもありますが、先代のシンドバッド22世をこよなく尊敬しているように、普段は常識的な人と言っていいでしょう。

マレク:セルマの弟子でユダヤ教徒です。素直でしっかり者の十歳の少年、というのも、ありがちではありますが、彼の存在がブレーキとなって、ベタベタした若い男女の恋愛譚になることを防いでいます。先生であるシンドバッドへの道のりは、まだまだ遠いものですが、幼くともエンヴィルよりは男として魅力があります。

エンヴィル:銀の角屋の店主、と書くと中年のようですが、セルマと同世代で、セルマと結婚するのは自分だと思っています。誰もが振り返るほどハンサムですが、声が大きくてうるさいのと、セルマ、セルマと騒ぐのがありふれ過ぎていて欠点といえます。セルマと同じくシンドバッド22世の弟子で二人は幼馴染みといってもいいのですが、セルマがシンドバッドの後継者となったため、今では彼女の宝探しの為の情報屋となっています。暗号解読に長けているようですが、男としての魅力は皆無。

シャムリッシュ:代々のシンドバッドに仕える魔人です。もともとはランプに封じ込められていましたが、このお話では、普段はシンドバッドが身につけているエメラルドの指輪の中にいることになっています。彼が三つの願いをかなえると、そのシンドバッドは引退をすることになっている、というのがちょっと面白いのですが、三つの願いのカウントの仕方が曖昧ではあります。

アレクシオス:セルマとマレクが弟子だった先代のシンドバッドで、22世、ギリシア人です。生涯をかけてエイレーネの瞳というルビーとサファイヤ、対になった二つの指輪である東ローマ帝国の秘宝を探す途上で亡くなりました。

全体として、意外性は感じませんでした。ただ、YAもので、中東についてしっかり書かれているものがない現在、そこは貴重です。ただし、もっと突っ込んで彼の地の事情なり歴史を書き込んだほうが良かったな、とは思います。『シナン』と比べるのは無茶でも、先日、ポプラ社から復刊された塩野七生・司修の絵本『コンスタンティノープルの渡し守』のほうが、中味が濃い、と感じるのは私だけでしょうか。

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紙の本

アラビアンでミステリ&宝探し

2008/12/09 20:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る


 この理論社のミステリーYA!シリーズは大好きです。
この作家さんがヤングアダルトで書くと、こうなるのか?とか、
やっぱり!とか、思える本に出会えて良いです。
 で、本書ですが、著者の小前亮さんは
「李世民」や「飛竜伝」で考証しっかりの本格中国時代小説を書いてきた作家です。
その方が、このミステリーYA!だとどうなるのか!?
やっぱり中国物!?、いや違います。なんと、アラビアンナイト風、中近東もの!?です。
 それもそのはず、小前亮さんは、世界史ということで、中国史を書いていただけで
実は、専門は、イスラム史だったのです。そう今までの中国史関係が、専門分野ちょっと外で
本書こそ、専門分野ど真ん中なのです。

 で、本書ですが、時代は、17世紀のオスマントルコの時代、1600年代の頭頃です。
主人公のマレク少年は、ユダヤ人。(当時のイスラム圏は、他民族に対して寛容でした)
現在シンドバッド23世であるセルマ(なんと女性です)について修行中の身です。
 そして、一夜にして消えたといわれるオベリスクの謎を解いたり、宝探しに
師匠とともに参加するのですが、、、。
 という設定。

 児童書でさらったことしか、アラビアンナイトってなかったけど、
シンドバッドってこういう設定だったんですか、、。(知らなかった)
というのも、修行して、師匠に認められるとシンドバッドを名乗ることが出来るのです。
 そして、本書でも、空飛ぶ絨毯にランプの魔人(本書の魔人は、指輪に入っています)
なんかも、当然出てきます。
 シンドバッド23世であるセルマですが、男尊女卑的なイスラムにおいて便宜を考え
普段というか、街中では、男装をしています。
で、師匠が、空飛ぶ絨毯で飛ぶとき、修行中のマレク少年は、小さな座布団に乗って飛びます。
 飛んでいる姿、落っこちそうで、可愛いです。
 それと、勿論、小前さんの専門知識を生かした、イスラムの風俗、習俗描写が素晴らしいです。
登場人物みんなで食事を料理してワイワイ食べるシーンがあるのですが、凄いよかったです。
(シシカバブを食べます。)
 おとなが読むには、もう一歩踏み込んで書いて欲しい気もしましたが、
アラビアを舞台にした小説なんてちょっと読めないし、
総じて、良かったです。

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2010/01/24 23:57

投稿元:ブクログ

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2017/01/06 06:42

投稿元:ブクログ

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2018/09/03 17:14

投稿元:ブクログ

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