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問題に直面した際に読み返したい。
第1章
●日本企業の問題解決には、 ① オペレーションの改善が主体、 ② 経験的なア プローチ、 ③ 総花的な対応、 という問題点がある。
●リーダーは、 優れた問題解決によって組織を導くことが期待される。 優れ た問題解決とは、 ① 問題を直視し、 組織の発展にとって重要な“よい問 題” を捉える、 ② 問題の真の原因を探し出し、 真因に対して取り組む、 ③ 創造的な解決策によって解決する、 ④ 問題解決の成果を組織で共有する、 ⑤ 組織全体が主体的に問題解決に取り組むように導く、という状態である。
22:42 Kouzou リーダーが対処しなければならないのは、複雑な問題である。複雑な問題 とは、 ① 何が問題なのかよくわからない、 ② 原因が多数ある、 何が真の原 因かよくわからない、 ③解決策が多数ある、 どれがベストの解決策かよく わからない ④ 解決策の実現が難しい、という条件の問題である。
●複雑な問題を解決するには、 行き当たりばったりでなく、一定のプロセス を踏む必要がある。
●問題解決プロセスは、大きく問題発見と問題整理解決に区分でき、さら に細かく ① テーマ選定、②状況分析、 ③ 課題の(再) 定義、 ④ 原因分析、 ⑤ 解決策立案、 ⑥ 選択・実行という手順に分かれる。
●問題解決プロセスでは、 ① フェーズを分けて検討する、 ② 組織を発展させ る“よい問題”を捉え、課題を形成する、 3③ フェーズごとに適切な技法を 用いる。 ④ 一義的に決定する、といった点に留意する。
第2章
●リーダーは、組織を発展に導く "よい問題” を捉える必要がある。 よい 題を捉えるには、問題と課題を峻別し、オペレーション型の問題と戦略 の問題、見える問題・探す問題・創る問題、という違いを意識して、無数 の問題の中から課題を形成しなければならない。
●また、漠然と課題形成するのではなく、課題を再定義する発想が必要にな
●そのためには、リーダーは高い問題意識を持つことが重要だ。 「問題意識 が低い」状態とは、 ① 現状の認識 ② 理想の認識、という2つのいずれか (あるいは両方) がうまくいかず、 "よい問題” に到達できない状況である。
●正しい現状認識とは、 客観的で、 幅広さと深さがあることだ。 客観的であ るためには、事実にもとづくこと、 幅広さでは、適切なフレームワークを 用いること、 深さでは、 価値ある推論をする仮説思考が重要だ。
●正しい理想認識には、現状の延長線上でなく、 否定的に考えること、視点 を変えること、ビジョンを持つことだ。 優れたビジョンの条件は、自社の 存在を示しており、 現状からの飛躍がある一方、適度に現実的で、 社会性 があることだ。
●本当の問題は、 常識的な思考の範囲外にあることが多いので、発散的な思考技法を用いるとよい。 ブレーン・ストーミングは手軽で有効な方法だが、 人間の摂理に反する技法なので、短時間に区切って実施するとよい。
第4章
把握した問題から解決策を導き出して成果を実現するには、収集した情 報 アイデアを整理する必要がある。
・問題点を整理する最初のステップは、グルーピングである。 たくさんの ライテリアを持ち、問題の内容に応じた適切なクライテリアを用いる。
●グルーピングされた情報は未整理な状態なので、 因果関係があるかどうか 確認する。 因果関係があったら、 ディメンジョンと MECE を意識して Why ツリーに整理していく。
●課題に対して解決策を立案するとき、 発散的にアイデア出しをするととも に、それを How ツリーに体系化する。 また、 意思決定に不確実性がある
場合、 デシジョン ツリーを作成する。
●最終的には、比較可能な代替手段を何らかの基準で評価し、特定の解決策 を決定・実行する。その際、基準を明らかにし、一義的に決定することが 重要である。
●リーダーは実行を部下や関係者に委ねるが、①よい仕事のを与え方をする。 ②必要なリソースと体制を整える ③ 動機づける、 ④進捗を確認し、 軌道 修正する。 ⑤コンフリクトに介入する、といった行動が必要である
第5章
リーダーには、他社の追随を許さない創造的な問題解決が要求される。 造的な解決策は、統計調査の分析よりも利用者 消費者の経験に注目し、 考え抜くことから生まれる。また、意味のない常識を見つけ出し、大胆に 変革する反常識のアプローチも有効だ。
●リーダーが解決策を選択するとき、数理的に判断できるのは稀で、決断 (トレードオフを伴う決定) を迫られる。 よい決断をするためには、判断 の軸がぶれないこと、つまり確固たる価値基軸を持つことがポイントにな る。また、決断に人がついてくるためには、無私の意欲を持つことが必要 だ。
●解決策が創造的であるほど、 今までのやり方を変えたくないという抵抗勢 との摩擦が大きくなる。 摩擦を解消するには、 コンフリクトの構造を正 しく理解するとともに、トップダウン、 ボトムアップによる対処方法を使 い分ける必要がある。
●リーダーは自身が問題解決に卓越するだけでなく、組織全体が主体的に問 題解決に取り組むよう風土づくりをする必要がある。 主体的に問題解決に 取り組む "上向き” な組織を創るには、 ① よい仕事を与える ② 「場」を 作る、 ③ プロセスを重視する、 ④ 失敗を許容する、 ⑤学習環境を整える、 といったリーダーの行動が重要だ。