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みんなのレビュー71件

みんなの評価3.6

評価内訳

71 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

言葉のシールはあなたのすべてを表すものではない

2008/10/27 00:36

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブライアン - この投稿者のレビュー一覧を見る

石田衣良さんがR25に連載しているコラムをまとめた新書で、1つ1つのコラムが短いので電車に乗っている間など細切れ時間に読むのに最適です。


内容としては2006~2008年の時事的な話題から石田さんが注視する雇用や格差の問題、そこから派生する人間社会の在り方を描いています。といっても上から目線というよりは働き詰めなR25世代を心配する良き兄貴分みたいな論調で、ときには客観的にR25世代が置かれている立場を俯瞰するような、ときには自身の経験を織り込みながら、読んでいるうちに励まされているような気分になる本です。


個人的に参考になったのが、「究極の難問、先輩後輩」のコラムです。一般的には地位も権力もある先輩寄りになってしまいがちなところを、敢えて後輩の味方をしよう、とR25世代に呼びかける内容で、それこそが“情けは人の為ならず”いずれ自分自身が歩いていく道を造っていくと説いています。


傷つきやすくなった世界は、「格差」や「勝ち組負け組」といった昔はなかった言葉の出現によって、我々の潜在意識にあった劣等感や自意識が顕在化したものと言えます。でもそんな言葉のシールはあなたのすべてを表すものではない、そんな著者の励ましが背中を押してくれる好著です。

I
心まで格差をつけないで
「でも」の年
世界を切り取ろう
迷う力のすばらしさ
ラブ・キャンペーン
「いやらしい」を表現しよう
植物化する男たち
青いランドセル

II
新しい人よ、きたれ
究極の難問、先輩後輩
残業大国ニッポン
残業禁止法、制定
ユニクロの勇気
社長、それはないよ
大転職時代をひかえて
今目の前にある貧困
心のタフネス

III
怒りのネンキン
産む機械、はたらく機械
選挙にGO!
ミステリー辞任、KY辞任
猛暑の星
M氏の過失
靖国参拝に未来はあるか
ケンポー・パッシング
子どもマーケットの奴隷たち

IV
エッセイって、なに
カメラマンデビューの日
日本代表は日本人
牛丼マイウェイ
ハイテク買い物天国、ニッポン
熱狂の日の子どもたち
大人になったら音楽を聞こう
ハイヤーの趣味人

V
ようこそ先輩
大人の真剣な遊び、下北サンデーズ
インタビュワーを、インタビューする
地方発の文学賞
女子アナ的世界
作家と遊ぼう 推協60周年イベント
10年に一度の、作家祭り
今年は「できません」
新しい街、新しい生活
ネットを遠く離れて

VI
絶対おかしい
今年を代表する1字
てのひら返しのアップ&ダウン
知らなくていいこと
ハートをつなごう
いじめられているきみへ
傷つきやすくなった世界で

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紙の本

冷たい風が吹き荒れる社会を動かす力はどこにある

2008/08/17 08:40

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 石田衣良が格差や貧困問題で発言を続けていることを聞いていたが、これまで著者の本を手に取ることはなかった。はじめて手にした本がこの『傷つきやすくなった世界で』だ。
 いま、格差や貧困といっても、本当にその実態に気づき心痛めている人と、言葉ではわかっていてもこれほど酷い状況だとは気づいていない人との「格差」はあまりにも大きい。「格差と貧困」の実態を理解すること自体にさえ「格差」があるという社会というのが、今の現実なのだ。

 「『池袋ウエストゲートパーク』の新作を書くために資料を読んでいて、衝撃の事実に出会った。今、ぼくたちの目の前にある貧しさである。ネットカェ難民と呼ばれる若者たちの状況に驚愕したのだ。それは状況などというニュースの言葉より、落とし穴とか罠と呼んだほうが正確な脱出困難で絶望的な生きかただった」
 「働く意欲があって、毎日仕事をしているのに、住所不定で健康保険もない希望ゼロの生活を送る。そんな若者が大都市のターミナル駅周辺にはたくさんいる。多くは普通のファッションをした、外見からは難民だとわからないワンコールワーカーだ。これが世界有数の経済大国の姿なのだろうか。ぼくたちの目のまえにある貧困を、もう一度考え直す時期にきたのではないか」

 働いても働いても希望が持てない。明日の生活費さえどうなるかわからない。そんな若者がいったいどれくらいいることだろうか。非正規労働者は全労働者の3人に1人、年収200万円以下の労働者は4人に1人なのだ。
 そんな実態を知るに付け、心がズキズキと痛んでくる。本書を読んでいてもズキズキ痛む箇所があった。なんとかならないのか。なんとかしたい。そんな強い思いが身体中を駆け巡る。
 いま、立ち上がっている人もいる。しかし、それは圧倒的少数だ。本当はすべての労働者・国民がこの現実を直視し、声をあげ、現実をかえるために力を合わせるべきなのだ。しかし、しかし、これだけ社会問題になっても、まだまだ根本的な解決への運動にはなっていない。ぜひ、みんなが声をあげて欲しいと思う。

 著者の現実を直視し、エールを送る姿勢は素晴らしいと思う。でも、何かが足りない。本書の帯には「痛みに耐える力が、あなたに湧いてきますように。」とあるが、「痛みに耐える力」でなく、「痛み」の元をなくすことこそ必要なのだ。その力は私たちひとりひとりの力を寄せることだ。ひとりひとりの力は小さくても、まとまれば大きな力になる。いま必要なことはこの力を集め、現実を変えることだ。

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2008/05/21 23:23

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2008/06/04 13:20

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2008/06/09 17:43

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2008/06/24 01:01

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2008/06/28 09:02

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2008/07/02 10:55

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2008/07/18 00:32

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2008/09/20 12:02

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2008/09/26 00:44

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2008/10/02 11:45

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2008/10/09 16:53

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2009/01/12 00:12

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2009/01/31 00:01

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