紙の本
やはり発想は面白いと思うのだけれど…
2008/05/18 22:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
太陽の活動活発化に伴い、生命存続に危機的な状況が予測される地球。国家プロジェクトによるシェルター計画やコロニー計画がたてられるも、確実な安全性は期待できない。そんな状況の中、小さな会社の片隅で、民間主導による地球脱出計画が相談されていた…
この作品の大きな主題として、恒星間航行船の開発に関わる政治的・技術的な困難をどのようにして解決するかということと、社会とのつながりを絶って人間は生きられるかということがある気がする。でも、これに対する著者なりの解が呈示されているかと言うと、正直疑問だ。
技術的課題についてはある程度の解が与えられているが、政治的課題についてはどのように回避したかが全く語られない。語られない裏側で暗躍があったことがほのめかされて数年先に物語が飛んでしまっている。社会とのつながりに関しては、神崎正がなにやら自問自答して解決したことになっているけれど、彼の人格形成に大きな影響を与えたと思われる父との関係性が物語中でほとんど語られないため、説得力に欠ける。
前作、前々作を読んでも思ったことだが、人類とは何かという根源的な問いを投げかけているにも拘らず、技術的なことについては言及しても、人間的なことについてはほとんど言及されないのがもったいないと思う。
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うーん、なんて言うか
SFなんだからと言う話もあるけど、技術論は中途半端すぎる
引っ張るだけ引っ張っていつの間にか解決した…みたいな
あと人間関係も伏線はって、理由書かずに結果という流れが多く
(少なくとも主人公については何とかしろよw)不満
ラストは上手くまとめたとは思うんだがなぁ
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機本さんの3作目。
自分が読んだのがという意味で。
今回は宇宙船の話。
あとやっぱり機本さんらしく、主役が人って何?自分って?とか言うことについて悩む話。
でも個人的には機本さんのなかでは『神様のパズル』が一番かと。
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近未来・・。
南極大陸の氷を掘って過去の大気中のガスの成分を調べていた。
「ここは、俺の居る場所ではない」
天文学者である神崎正は、この計画の発案者だったがこの仕事を辞めて南極から出て行く。
太陽が大きなフレアを起こし、地球に影響が出てきたのだった。
今は、電磁波の影響がたまに出てるだけだったが、予測では今後この勢いがまして、生命体が目玉焼きになって人類が滅亡するかもしれない。
地球では、シェルターなどを作りそこに非難する方針が進められていた。
正は地球の外に生きる希望をみいだそうとする。
そして彼は、ネットに募集をかける。
宇宙船を作りませんか?
「ダメで元々スペーストラベル。略してダメトラ」
1口1万円で抽選で乗船できる。スタッフも募集中。
このネットを見た、瀬河那由は父親にこれに応募した事を聞く。
詐欺かも知れないと思い、スタッフ募集に登録してこの人物に会いに行く。
宇宙船を作るという無謀な計画に巻き込まれていく那由。
父親と正とともに「ワールドエンド・スペーストラベル」を立ち上げた。
しかし、実勢に建築していく会社も設計までもまだだったのだった・・・。
映画「神様のパズル」の原作者機本伸司が書いた第三弾がこの作品です。
宇宙船を作る人々の物語りになってます。
実際に宇宙船を作るとこのくらいの規模になるのでしょうか?
俺個人としては、今回も面白かったです。
宇宙船の作る色々な問題が面白かったです。
キャラクターもそれなりにたってるのでその影響もあるかな?
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主人公に魅力を感じられません。
アイディアとシチュエーションで読ませる作品です。
2012.10.27追記
キャラクター造形は「神様のパズル」「メシアの処方箋」に比べればまだマシといったところ。
第一部で宇宙船の設計だけであれだけもめていたのに、第二部になったとたん、完成間近になっていたのは拍子抜け。
重要なのは宇宙に行って自分とは何かを知る、ということならストーリー展開が早足になってしまうのも仕方ないか。
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ハルキ文庫は(以下略)。
前作のロータスのときも思ったが、今回も、言いだしっぺの人間に
他人を巻き込むほどのカリスマを見出せなかった。
それがないとここに書かれている《計画》に説得力がないように思う。
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機本さんらしい作品でしたが、主人公の魅力が少ないと思います。結構ぐだぐだっとなっている部分がありましたが、最後のドキドキ感は楽しかったです。
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この作者は「神様のパズル」以来気に入って読んでいる作者なのですが
これは神様のパズルと同等かそれ以上の作品じゃないかと思います。
正直なところ2作目の「救世主」だったかな…とにかくそれがあまり
気に入らなかったので今回の本も買うのを少しためらったんですが
買ってみて大正解でした。
ヒトのもつモノが巧く表現されてて、読んでいて爽快感というか
後味すっきりというか、それでいて濃厚というか
うまく表現できないけど、そんな感じ
SF小説だけど、この人の作品はメインはSFじゃなくて
物語がメインなのでとても読みやすい、のに
奥が深くて味わいがあって…
まぁこれからはためらい無く買う著者になりました。
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太陽が膨張して、地球が危ない⇒自給自足型の宇宙船で逃げる。
テーマは壮大ですが、ぶつかる問題は権力や倫理など日常的なところがいい塩梅です。
特に、ラストの再起に臨む会話が好きです。
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地球消滅の危機が現実味を帯びる近未来を舞台に、氏が描く地球脱出計画。
実際に起きたら。。。あんな光景になるだろうなぁと、確信してしまうのは何故?
SFは未来に起こりうる可能性を描く物語だと私は思うのですが、氏の作品は秀逸です。
秀逸なSF作品を読者に送り続けるかの堀晃氏が解説で絶賛!
あなたは終末の時、どう生きますか?
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地球の終末2050年が舞台。 このままでは地球は滅亡するから宇宙へ逃げようとする人たちの話で、宇宙船作ることはもんのすごく大変なことがいやでもわかりました。
主人公が主人公らしくなく周りの人物もまぁまぁアホで…おもろいやん(笑)ページ数が多いのと導入部分(宇宙船どやって作るか)が長いわりに実際作る話がなくて完成間近まで話が飛ぶんのは残念でした。
人間のロマンや人間関係の話が良かったので文系の私にも楽しめる作品でした!
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近未来のSF長編。
今回は地球脱出のための宇宙船作り。
科学的にありそな内容となっています。
子供たちのその後も続編としてでないかな。
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恒星間航行船の開発での技術的課題についてはある程度の解が与えられているが、政治的課題をどの様に回避するかを期待して読み進めていたら全く語られる事なく数年先に物語が飛んでしまった。
その為、物語の構成がいまいちに感じてしまった。
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表紙のお尻はけしからんと思う。ライトノベルと間違えて手に取ることを期待しているのか?
民間で移民用宇宙船を作ろう!という話。政府の横槍や、宇宙船建造の難しさにドキドキしながら読んだ。
宇宙船建造計画の言い出しっぺである神崎正の言動にイライラした。「ここは自分のいるべき場所じゃない」等とくだらないことを言い続け、関係部署との調整等、ややこしいことは人任せ。じゃあかしいわ!そんな正に惚れたっぽいヒロインの那由の気持ちも理解できず。正の何がいいの……?
登場人物にはときめかなかったけど、ストーリーにはドキドキした。
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世界の終末に向けて、宇宙船を作ろう!
国や大企業や、そういったものの力ではなく
民間のちっぽけな会社で宇宙船を作ってしまおうとする話。
お金さえあればできるんじゃね?
と思ったけど、まさにのそ資金調達が難関。
なかなかに無謀なその計画に
出資しようなんて酔狂もおらず
設計図だって、造船請け負いの企業だって、
政治的・法的な対処だって
何から何まで民間でやるのは本当に大変なことで…。
ただただ感心し、驚嘆し、絶望し…
なんというか、理性的な感情の揺さぶられる話だった。
為になったと思う