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世界の歴史 15 成熟のイスラーム社会 みんなのレビュー
文庫
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高い評価の役に立ったレビュー
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2020/10/01 10:08
16世紀から17世紀に栄華を遂げた国際都市イスタンブルとイスファハーンの発展を詳細に解説した興味深い一冊です!
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、523頁というかなりのボリュームのある歴史テキストです。実は、同書は、中公文庫として出版されている「世界の歴史」シリーズ(全30巻)の第15巻目です。同書の内容は、表題にもありますように、イスラーム社会に焦点を絞って書かれています。16から17世紀において、多種多様な国家、民族の人々が行き交う国際都市イスタンブルとイスファハーンの繁栄がその中心的な内容となっています。オスマン帝国とイラン高原サファヴィー朝の王朝がイスラーム世界に大輪の花を咲かせた時代の全貌が詳細に描かれています。
低い評価の役に立ったレビュー
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2012/06/18 08:43
それぞれの繁栄
投稿者:しろうるり - この投稿者のレビュー一覧を見る
2部構成で、第一部はオスマン帝国史(永田 雄三 著)。オスマン帝国の起源から16世紀スレイマン一世の時代を中心とする。政治・制度の話よりも、オスマン帝国下の社会で生きる人々の姿、オスマン文化に重点がある。
文化面では、オスマン文化とヨーロッパ世界との文化的連続性が強調されている。(オスマン帝国を「トルコ人の国」と考えていると、オスマンとビザンツ・バルカンとの連続性など、見えなくなるものが多い。)
そして、16世紀以降の帝国の「変容」に伴う社会の変化に触れている。(帝国のその後の歴史は『世界の歴史 20 近代イスラームの挑戦』 で扱われている。)
第二部はペルシア(現イラン)を中心として繁栄したサファヴィー朝史(羽田 正 著)。サファヴィー教団の時代から17世紀アッバース一世の時代を描く。そして、都イスファハーンを中心とする、サファヴィー朝下の多言語、多宗教の社会、絨毯や絵画などの文化に詳しい。
サファヴィー朝がシーア派イスラームを採用した理由の説明や(かつてよく言われた、スンナ派のオスマン朝に対抗して、という説明は誤り)、かつて「ペルシア人の民族王朝」と強調されたサファヴィー朝の君主の日常語はトルコ語であったという指摘もある。
第9章「それぞれの生き方」は、あるクルド人リーダー、ハレムの王女、インドに移住した宮廷医師、イスファハーンで生活した一修道士といった人々の生き方を通して、サファヴィー朝の諸相を描いている。
原著は1998年出版(本文中の図版は全てカラー)だが、この文庫版巻末の参考文献にはそれ以降の文献も記載されている。そして、両著者による「あとがき」が収録されている。特に、羽田 正は「イスラーム世界」という概念に対し懐疑的になっている
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紙の本
16世紀から17世紀に栄華を遂げた国際都市イスタンブルとイスファハーンの発展を詳細に解説した興味深い一冊です!
2020/10/01 10:08
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、523頁というかなりのボリュームのある歴史テキストです。実は、同書は、中公文庫として出版されている「世界の歴史」シリーズ(全30巻)の第15巻目です。同書の内容は、表題にもありますように、イスラーム社会に焦点を絞って書かれています。16から17世紀において、多種多様な国家、民族の人々が行き交う国際都市イスタンブルとイスファハーンの繁栄がその中心的な内容となっています。オスマン帝国とイラン高原サファヴィー朝の王朝がイスラーム世界に大輪の花を咲かせた時代の全貌が詳細に描かれています。
紙の本
それぞれの繁栄
2012/06/18 08:43
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しろうるり - この投稿者のレビュー一覧を見る
2部構成で、第一部はオスマン帝国史(永田 雄三 著)。オスマン帝国の起源から16世紀スレイマン一世の時代を中心とする。政治・制度の話よりも、オスマン帝国下の社会で生きる人々の姿、オスマン文化に重点がある。
文化面では、オスマン文化とヨーロッパ世界との文化的連続性が強調されている。(オスマン帝国を「トルコ人の国」と考えていると、オスマンとビザンツ・バルカンとの連続性など、見えなくなるものが多い。)
そして、16世紀以降の帝国の「変容」に伴う社会の変化に触れている。(帝国のその後の歴史は『世界の歴史 20 近代イスラームの挑戦』 で扱われている。)
第二部はペルシア(現イラン)を中心として繁栄したサファヴィー朝史(羽田 正 著)。サファヴィー教団の時代から17世紀アッバース一世の時代を描く。そして、都イスファハーンを中心とする、サファヴィー朝下の多言語、多宗教の社会、絨毯や絵画などの文化に詳しい。
サファヴィー朝がシーア派イスラームを採用した理由の説明や(かつてよく言われた、スンナ派のオスマン朝に対抗して、という説明は誤り)、かつて「ペルシア人の民族王朝」と強調されたサファヴィー朝の君主の日常語はトルコ語であったという指摘もある。
第9章「それぞれの生き方」は、あるクルド人リーダー、ハレムの王女、インドに移住した宮廷医師、イスファハーンで生活した一修道士といった人々の生き方を通して、サファヴィー朝の諸相を描いている。
原著は1998年出版(本文中の図版は全てカラー)だが、この文庫版巻末の参考文献にはそれ以降の文献も記載されている。そして、両著者による「あとがき」が収録されている。特に、羽田 正は「イスラーム世界」という概念に対し懐疑的になっている
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