先輩と私 みんなのレビュー

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投稿者：みーちゃん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ええ、予想はしていましたが、それを上回る過激さで、思わず笑ってしまいました。読み終わって、大学生のオクテ長女に渡そうかどうしようか悩みましたが「エロ本読む？」って聞くと「いいよ」と返事。それなら、と廻しましたが、感想を尋ねることはしませんでした。勿論、高三次女には渡しませんでしたけど・・・

帯の言葉は、

先輩、ずるいです！
私は勇気を出して告白したのに・・・・・・。
　　抜いて、笑って。
エロ面白い、超お得な一冊!!

で、カバー折り返しには

○大いに楽しみたまえ。オナニーの技術を獲得することこそが、女
性の真の自立につながるのだからな。○私が興味あるのは、レズビ
アニズムではなく自慰行為ですから。○あなたがたの前でオナニ
ーすることを恥じたりはしません。これからお見せする行為は、
いわば私の官能作品です。○ただ、私は阿真理先輩の自慰行為
をお手伝いしてさしあげたいと思っただけです。○ああ、今すぐ、
誰かに胸を揉みしだいてほしい！オナニーでアヌスまで使うよ
うになってしまった今、二本の手だけでは足りない。○セックスとオ
ナニー両方楽しんでこそ、生きている甲斐もあるというものだ！
○言っておくが、私はオナニーでも失神したことはあるからなっ。

と書いてあります。連作小説というか、長編というか、いずれにせよこの手の本を詳しく解説しても興を殺ぐだけなので、各話の初出と、極々大雑把な内容紹介をしておきます。

目次

１――先輩と私　　　　　　　　　（「問題小設」2006年 2月号）：私が密かに想いを寄せる阿真理は少しもそれに気づかない・・・

２――サフィストの誘惑　　　　　（「問題小設」2006年 5月号）：華代から先輩を助けるためにエロ研会員になった私・・・

３――妄想クローゼット　　　　　（「問題小設」2006年 8月号）：華代女子が私に命じたのはクローゼットに潜んでそっと・・・

４――小悪魔の罠　　　　　　　　（「問題小設」2006年11月号）：私の作品のファンだといって現れたのは、18歳の瑠璃・・・

５――サディスティック・ロリータ（「問題小設」2007年 2月号）：瑠璃と彼女に心酔する仁子、二人に自由にされる私は・・・

６――逆転エロチカ　　　　　　　（「問題小設」2007年 5月号）：罠にはまった私は、ついに愛する先輩のいる好研を退会し・・・

７――愛欲の企画倒れ　　　　　　（「問題小設」2007年 8月号）：次の獲物は阿真理先輩・・・

８――官能私小説の書き方　　　　（「問題小設」2007年 9月号）：スランプに悩む私に瑠璃が考え出した奇策は・・・

９――美少女地獄変　　　　　　　（書下し）：華代救出作戦始動、魔の手から女史を救い出すのは・・・

10――天国に一番近い四畳半　　　（書下し）：私が想いをこめて書き上げた小説を捧げるのは、やっぱり阿真理先輩・・・

　　　あとがき

主な登場人物について書いておきましょう。

秋吉光枝：本作のヒロインでＴ女子大の二年生なので20歳。ワンルームマンションで一人暮らし。見かけだけは清純派。Ｔ女子大学非公認サークル好色文学研究会（以下、好研）の唯一の平会員。コピー本の好研会誌「月刊アマゾネス」に、官能小説『カレン姫の秘密の冒険』を連載中。阿真理先輩に密かな恋心を抱いているが、必ずしもオナニストではない。

羽田阿真理：二年前、好研を創立した会長で22歳の処女。アパート暮らし。十二歳くらいにしか見えないが、胸の大きさは並の大人以上。女性がオナニーによって自分の欲望を解消させることこそが、男性への依存から女性を解放させると信じているフェミニスト。光枝が寄せる熱い想いに少しも気付かない。しかし、12歳くらいにしかみえない巨乳の女性、というのが大人の同性に魅力的とは、私には思えないのだが・・・

小早川華代：11年の歴史を持つ非公認サークル、エロティック文学研究会（以下、エロ研）の会長。資産家のお嬢様で和風美人、勿論豪華な2LDKのマンションに一人暮らし。才能で負けるせいか、好研および阿真理に強烈なライバル心を抱いている。五人のエロ研会員は全員レズビアンで、オフセット印刷の会誌「月刊ゴモラ」は、レズ小説で埋め尽くされている。

阿部エリィ：エロ研副会長。女戦士のような、堂々とした体格の美女。華代の崇拝者であったが、瑠璃の策略によって・・・

加々美瑠璃：作品のファンを装って光代に近づくが、実はエロ研会員。経済学部の一年生。容姿は可愛らしいが、趣味は鬼畜系。様々な謀略を操り・・・

添田亜希子：エロ研会員。エリィ脱会後、副会長に。クールな日和見主義者。切れ長の眼にボブカットが良く似合う美女。

小野仁子：エロ研会員。瑠璃の崇拝者。色が浅黒く、目鼻立ちのはっきりした南国風の美女。

ま、誰もが個性的ではあるのですが、セックスという共通項で結ばれているため、あまり誰かを贔屓にしたい、なんていう気持ちは起きません。読みながらゲンナリすることはしばしば。もしかして、ミステリ嫌いの人にとっての本格推理小説なんていうのも、同じように受けとめられているのでしょうか。うう・・・

遠目に見ると、小学生が手にしてもおかしくない可愛らしいカバー画ですが、よーく見るとかなり危ない、っていうか子どもが読んじゃダメでしょ、っていうような警告を発するようなものです。そんな Illustration は大林森（間違って、大森林、と書くところだった・・・）、Design（ていうか、装幀？）は岩郷重力＋WONDER WORKZ。です。

笑いながら読むのが無難な一冊。