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物理学史 みんなのレビュー
- 小山 慶太 (著), 原 康夫 (編集), 近 桂一郎 (編集), 丸山 瑛一 (編集), 松下 貢 (編集)
- 税込価格:2,750円(25pt)
- 出版社:裳華房
- 発売日:2008/05/15
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紙の本
本書から物理学という人類の進歩の歴史を学ぶ
2020/12/08 11:56
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投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、大学など教育機関向け仕様の物理学関連シリーズの一冊である。僅かな図版写真が載るだけの硬派の簡素な装丁だから、副読本とも言えまい。内表紙に「教授、理学博士」の肩書が背中合せで邦英文で併記されているから、権威ある装いを纏った、やはり教科書用途である。
横書き頁には「,」(コンマ)「.」(ピリオド)が句読点代わりに使用されている。英文仕様のまま邦文変換の手間を省いて原稿執筆するのが理系の習い性なのだろうが、校正時の単なる手抜きとも思われる。
評者(私)は文系出身者なので、やはり日本語文章として違和感がある。一般読者を想定した書籍では「、」(句点)「。」(読点)に直されるのに、本書は“閉じた”理系社会用だからそのままでいいとの判断か。
私は、漢数字での「二人」をアラビア数字で「2人」と書くのも嫌いな性質だから、区切る機能は「,」(コンマ)も「、」(句点)も一緒でしょという論法には組みしない。おたまじゃくしみたいな記号の頻出は、生理的に嫌悪感が湧くのだ。
さて、著者は、1章(力学の確立と発展)、2章(光学と電磁気学の融合)、3章(熱力学の完成)で18世紀から19世紀までの物理科学の歴史を概観し、4章(微視的世界と量子力学)、5章(相対性理論の誕生と展開)において、「人間から離脱した」物理学たる「量子力学」と「相対性理論」が20世紀に発展を遂げた様を描く。
各章の要所では活字ポイントを変え、代表的な学者の著作から時代を反映した文章が引用されており、読者の更なる理解の深化に手を貸してくれる。引用文献に当たって考えろということだ。
6章(基本粒子とその相互作用の探求)では、巨大なエネルギー設備である粒子加速器で人工的に生成させた微細粒子を捉える素粒子物理学、原子核物理学の発展過程が詳述される。最終7章(ノーベル賞と現代物理学)では20世紀後半の顕彰業績の歩みを振り返る。
「次の課題は傍証的な証拠ではなく、直接、重力波そのものを検出することになる」(178頁)との記述は、五年前(2015年)に重力波望遠鏡LIGOの研究者らによって実現された。昨年(2019年)には、電波望遠鏡群を駆使した国際協力プロジェクトにより巨大ブラックホールが撮影画像として捉えられた。
物理学をはじめ、人類の進歩の歴史に、益々目が離せないことが実感できる。
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