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日本沈没 第2部上 みんなのレビュー

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みんなのレビュー26件

みんなの評価3.7

評価内訳

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紙の本

あの「沈没」があれだけで終わるはずもなかった。

2012/02/21 17:02

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 沈没していく日本を克明に描写した、著者の名作「日本沈没」。本書は日本列島が水面下に沈んでから25年後の、日本人の「それから」を描いた作品である。
 災厄で故郷を離れざるを得なかった人々。しかし望郷の念は強くとも、次の世代は「日本」という土地を知らずに育っていく。そして他国の人の目は・・。社会的な問題は当然続いただろう。そして地学的にもあの「沈没」があれだけで終わるはずもなかった。

 本書が書かれたのも第一部からおよそ30年後。プロジェクトチームを立ち上げ、執筆は谷甲州。複数の場所での進行や理論をきっちりと練り上げて踏まえるところなど、構築は小松さんの味を強く感じる。しかし文章そのものは存外淡々と書かれているという印象であったのは、それが執筆者である谷さんの味、ということであろうか。

 世界中に分散した日本人の活動や諸外国の対応を描くので、舞台は地球全部に広がっている。そして日本沈没の次に起こるべき出来事もさらにスケールの大きなものになっている。

 国土が無くなっても、国家は存在できるのか。着の身着のまま避難させられ、役所も移動しながら「戻りたい」「忘れない」想いを持ち続けている、現実に存在している人たちの姿がどうしても重なって見えてしまう。この第二部もハードなSF小説であるとともに、「こんなときにはこうなるかもしれない」という想定のシミュレーションとしても読めそうである。

 前作の主要登場人物がやはり重要人物としてでてくるので、前作はやはり読んでおきたい。前作で離れ離れになった主人公と婚約者のその後にも一つの結末があるので見逃せない。

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2008/07/16 14:01

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