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先に「ふたつめの月」を読んでから本作品を読みました。
なのでベースとなっているのは続編の方です。
こちらの作品の方が比較的ミステリ色が強い気がしました。
九里子のネガティブさが目立っていました。続編の恋に悩める九里子は魅力的だったなぁ。
近藤史恵の書く登場人物は魅力的な人ばかりで好きです。女性は特に可愛い感じ。
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ファミレスで働くフリーターの久里子は、気になる客がいた。それは、毎日同じ席で何時間もすごす老人。彼女の愛犬が巻き込まれた事件をきっかけに、彼女は老人と親しくなっていく。
いわゆる「日常のミステリー」という部類にはいるのだろう。で、謎を解くには老人で、久里子はその助手のようになって動く、といういわば王道。
しかしながら、それだけではないひっかかりがある。
主人公の久里子は、専門学校を卒業したものの上手く就職できずファミレスでアルバイトをしている。弟は、高校で挫折し、引きこもりのような浪人生活を送っている。そして、老人も…。誰もかれもが生きにくいとあがいている。
誰も特別ではない。
ミステリーといういわば非日常の世界を描きながら、そこにあるのは、同じように悩み同じように傷ついているという人の普遍的な姿なのだ。
そして、その閉塞から脱却することを、それは久里子だけに当てはまったことなのかもしれないけれど、特別なことは何もなく、ただきちんと前を向いて地道に生きていく彼女には光を感じる。
その光には、老人の力が少なからず関与しているのだけど。
彼女は、老人と出会うことで変わり、彼女が変わったことで弟も変わっていく。世界はビリヤードの玉のように、ぶつかり合うことで変わっていく。そこに光がある。
楽しく読んだ後、漠然と「優しい世界」を希求する自分がいた。
人は誰もが違う。けれど、誰も同じように悩み苦しんでいる。そういうことを皆がそれぞれに受け止められる、そんな優しい世界。
だから、非日常(ミステリー)なのだ。
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以前読んだ「ふたつめの月」よりも前のお話。
前作と同じく、松尾たいこさんのかわいらしいイラストが印象的。
物語の大筋は、ちょっとしたミステリー。
だと思うのだが
根幹に流れている話は、ちょっと違うような気がする。
家族のことや、将来のこと、恋のこと
いろんな悩みを抱える、ごく一般的な主人公が
とある老人と関わることで事件と関わっていく。
事件が解決に向かうとともに
彼女の胸の中に絡まっていた問題も
ちょっとづつほぐれていく。
誰しも抱えている問題は複数あり
それらが複雑に絡み合っているもの。
だから、どれかひとつの糸口が見つかると
一緒に絡まっていたものも
だんだんとほぐされていく。
そういうものなのかもと
読みながら思った。
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ファミレスで働く久里子が出会った不思議な老人が、久里子の周囲で起こる謎を解明していく。
「天使はモップを持って」と似た感じで、軽く読める。
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図書館通いであらすじも分からず借りた本。
借りた当日に読み終えちゃった…。
表紙のイラストとタイトルで勝手に想像して、おじいさんが推理する話、と決めつけて読んでました。
一言で言うと面白かったです。
主人公の気持ちが細かく書かれていましたが、謎の部分は結構素っ気ない。
でもおじいさんは…ホント謎の人ですな。
好きだけど。
最後に…ワンコはいい…癒される。
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ふたつの月、の前作。やっぱ順番に読みたかったなー。赤坂老人との出会い篇。詐欺師だっていいじゃない。犯罪って何よ。誰が痛みを抱いた?ふたつの月よりさらに短かった感じ。3つの連作短編。面白かった。やっぱり赤坂さんは素敵。終わりに登場した本物の国枝老人も素敵。人生はいつでもやり直せる。
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ファミレスでバイトをするフリーターの久里子と、謎の多い老人・国枝の物語。日常でありそうなスケールながらも、先の読めない展開にワクワクします。
人と比べて大したことなくても、その人が悲しいと思えば悲しい。ならば存分に悲しんでいいんじゃないでしょうか。サイズの問題じゃないってのは最近思うことです。
続編「ふたつめの月」も早めに読みたいと思います。
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アンとトモの名前の由来って、六曜だったんだ。
「ふたつめの月」を先に読んだので、軽く親しみをもって、楽しく読めた。
赤坂さん、憎めないなぁ。
くりこの家も、普通の家庭で、取り立ててすごい仕掛けがあるわけじゃない日常の中の事件。
気軽な読者にぴったり。
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続編もよみたーーーーーい!
なんだろー
本当に本当に近藤さんのお話好き!
女の子に共感できるし
あったらいいな、こんな出あいって感じ
今回は老人と出あうんだけど
なんか、そうだなーうん、会いたい
日常にありそうで、なさそうな
そんなのに焦点をあててる
すてき!
この雰囲気は読んでもらわないと伝わらない!
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中盤まではあんまりってかんじ。
最初の主人公の設定でイラッてきたので偏見かもだけど。
でもこの調子で終わりじゃないよなーと思ってたので、やめなくてよかった。
子供のために突飛な行動に出ちゃう国枝老人に、あぁそういう方法もあるんだなぁと感心。
うーん、初めて近藤さんの本を読んだけど、他のにも手を出してみようと思いました。
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図書館より。
ミステリーとしての出来以上に主人公の九里子の心理描写や、彼女にいろいろとアドバイスしてくれる国枝老人の言葉が素晴らしい。
九里子が日常生活で抱える家族や将来への悩みはどこかリアルでとても感情移入しやすくすらすらと読むことができました。
犬は苦手な自分ですが、この本に出てくるアンやトモはめちゃくちゃかわいいですね(笑)著者である近藤さんも犬を飼っていらっしゃるということを聞いた覚えがあるのですが、そういうのが伝わってきました。
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久里子シリーズは先に2を読んでしまったがために、誰が誰やらさっぱりな上に、オチだけ知ってるってのが、ビミョー。と、思ったが、そこはそれ。さすがの近藤さん。そうきましたか。犬話だけでも十分楽しめるのに、そこに謎をからめて、ちゃんとすっきり!というのが、さすがデス。大安のアンちゃん。友引のトモちゃん。というネーミングセンスはどうかと思うが、アンとトモが家族になる。までも、描かれていて、芸が細かいなぁ。と。
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今年100冊目は初・近藤 史恵さんの小説。なかなか面白く、1日で読んでしまいました。本格ミステリーというわけではなく、21歳の大人になりきれていない女の子と不思議な老人が絡んでいくつかの謎がとかれたりする中で、女の子の成長が垣間見えたり。でも女の子の成長物語ってわけでも恋愛小説でもない。。なんていうか、犬・老人・家族etcいろんな要素をすごくキレイに盛り込んでいて 読んでて気持ちいい程度に【この按配が絶妙】いろいろ考えさせてくれる。「サクリファイス」が絶賛を受けている著者ですが、相当な筆力であることは本作品でも良く分かった。続編もあるようだし、今後著者には注目していきたい。
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するっと読みやすいので、通勤中の読書にはもってこい。
読みながら、登場人物のことも作者のことも、私はずっと信じていて、この人が悪い人なはずがない!って思っていたんだけど、様々にはられる伏線に、これは覆しようがないじゃないか、などと慌てていた。
それでもちゃんとこんな結末を用意してくれていて、やっぱりと思いつつ安堵。
にっこり。
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日常ミステリーって感じの作品。頭の切れる老人が、ファミレスでバイトをしている久里子の周りで起こる謎を解いていくのですが、その老人にも過去があって…
近藤さんらしく、文章はとても読みやすいです。最後の話はミステリーとしてのオチがなんとなくわかっちゃいましたが、穏やかに進んでいく物語自体がこの作品の魅力なのかなと思いました。