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大名屋敷の謎 みんなのレビュー

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紙の本

入るものあれば,出るものあり

2008/07/16 23:26

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る

1 本書は,江戸にあった大名屋敷においてどのようなことが行われていたか,また,この大名屋敷に出入りする江戸町民及び農民に関する本である。大名屋敷というのは,軍事要塞の側面もあり,公的には中に何人の人いるとか,内部の構造はどうだとか,全部秘密であった。公的に秘密であれば,非公式な点から見てみようというので,当時大名屋敷に出入りしていた町民や農民の視点から何をやっていたのか見るのである。
2 本書は,前半部と後半部に分かれている(後半部の方が主)。
 前半部では,大名屋敷内で藩の侍は何をやっていたかを記している。これが,なんか男子校の寮とか,体育会系運動部みたいなのである。当時,屋敷内の男女比率は恐ろしいことに20対1くらいの割合で,男の方が圧倒的に多かった。そして,古今東西を問わずこういう環境では,馬鹿なことをする奴がいっぱい出るのである。当局も,内部で馬鹿なことをするのはまだ我慢するが,外で馬鹿なことをすると,藩のメンツにかかわるので,できるだけ,外に出さないようにしていた。門限とかもあって,結構大変であったそうな,門限に遅れそうな奴がいると,友達が係の者を羽交い絞めにして門を閉めるのを妨害したりしたんだそうな,どっかの高校生のようである。
3 (1)一方,後半は,そんな外に出られない人や当局を相手に商売に励む町人や農民の姿を記している。
 現在でも宮内庁御用達とかいうと,なんだかありがたみが増してくるが,当時も同様に,幕府御用達を筆頭に,諸侯の御用達というと,その宣伝効果は絶大で,肩で風切る勢いだったそうな。お菓子から畳までいろいろある(畳というと,この本が有名ですが)。
(2) その中で,一つ威風を放つ御用達があった。背景を言えば,当時,江戸に人口が集中し,江戸の近郊では日々のおかずとなる野菜が生産されていた。この野菜を作るには肥料がいる。そう,この肥料,即ち下肥を集める作業があったのである,早い話が汲取りである。
 何をそんなことをといわれる向きもあるかもしれないが,昔は金を払って汲取りをさせていただいていたのである。本書に表があるが,年間の対価が大根6000本及びナス6000個とか,600両(他の諸負担も含めてだが)とか,なんか桁がすごいことになっている。
 旨い野菜を作るのによい肥料は欠かせない,そのため,当時は力のある農民(豪農)が商社みたいになって当局と交渉し,汲取りの権利を獲得し,これを配下の農民に転売して利ザヤを稼いでいた。
 ここでもやはり,ブランドが重要で,食っているものがいいもののところの方が,ランクが高かった,そういう野菜ならば高く売れたのである。大名屋敷,大身旗本などの武家屋敷,大店の下肥が上,一般の武家屋敷が中,裏長屋が下だった。ちなみに,最上は,吉原や芝居町だったそうな,豪勢なものを食っていると思われたそうな。
(3) このほかにも,農民が結構出入りしている。庭園の整備(大名の庭園は,ちょっとすごい規模なのである,深山幽谷もかくやというもので,とても並みの庭師にどうこうなるもんではない),馬の飼料の提供,さらには,屋敷の中の農園(!)のために人手を提供したりした。
 こんなことが江戸のど真ん中で行われていたのである。この権利を獲得するために,各方面で知恵を絞った涙ぐましい努力が繰り広げられていた。
4(1) そして,本書の最後は,大名屋敷が消滅するくだりである。そう,戊辰戦争に幕府が負けて,官軍が江戸に入ってきたのである。これによって,大名屋敷はなくなってしまい,それまで権利を持っていた農民は窮地に陥った,人間万事塞翁が馬である。これをどうやって乗りきったか? その辺のところも問題になるのである。
 こういう記録が戦災や,震災を超えて東京に残っているんですねえ。ちなみに,ここで主に取り上げられているのは,尾張藩上屋敷,現在の新宿区市谷である。そう,防衛省があるところだったりするのである。

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2008/07/30 10:19

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2010/01/08 11:05

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2010/05/06 19:29

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2010/05/09 11:57

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2011/03/08 23:18

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2009/11/15 07:19

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2011/12/17 10:24

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