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  3. ももんじゃ05号さんのレビュー一覧

ももんじゃ05号さんのレビュー一覧

投稿者:ももんじゃ05号

53 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

歳月は勝手に来て勝手に去る。

19人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、鋼の錬金術師でお馴染みの荒川氏による農家生活を開陳したものである。
2 私の知人に、地方国立大学で、農学部に通っていた人がいるが(ただ、相当ムカシ)、彼らの話によると、実験に使った牛や豚の肉(実験では、大概臓器が使われるが、その他の残余部分。ヒレとかももとか、ホルモンとか)を、かっぱらって焼き肉したとか、実験農場から野菜をかっぱらって、鍋を作ったとかいっていた。もやしもんの世界であるが、私のような紙と鉛筆さえあればなんとでもなる文系学部からすると、大変たのしそうで、うらやましいこと限りない。しかし、まあ、商売でやるというのは何事も大変である(マンガも)。
  荒川氏は、農家の子供として成長し、その間、ずっと農作業をやっていたそうな。
3 農作業というと、なんだか牧歌的でアルプスの少女がヤギを飼っていそうだが、それだけでは済まない。歳月は勝手に来て、勝手に去る。人間が作った暦(ゴールデンウィークとか、土日とかの休日)などというものに、牛さんやジャガイモさんは、関係ないのである・黄色と黒は勇気のしるし、二十四時間戦わなければならない、ジャパニーズファーマーである。
  だから、ゴールデンウィークはガッデムウィークっであり、高校の時は農業実習(と称する労働)をやりつつ、休日は実家にもどって、労働にいそしまなければならないのである。月月火水木金金、ほしがりません勝つまではである。
4 動物の薬が人間に結構効くというのは、山本七平氏の著作にもあって(この方、元砲兵である。太平洋戦争中、日本軍の砲兵は、軍馬で大砲を引いていたのである)、馬の薬がかなり効いたそうだが(というか、効きすぎて、皮膚がべろべろになったりしたそうな)、荒川氏も牛の薬使ってたり。
  また、野生動物が外敵であるといのは、北海道に限らず、山の中の人間なら同じように感ずるところである(クマさんカワイイとかいうのは構わんが、おとなしいとされるツキノワグマでも体長160センチ、体重80キロとどんな大型犬よりもでかいのである。しかも、向こうは爪もあれば、牙もある)。田舎の人間は、動物に対して厳しい。競合する外敵であり、場合によっては、夕飯の一部だからである。
5 鋼の錬金術師で、生命に対する見方は、この農業を通じて培われたと思った次第。なお。私の友人で、農業高校に進んだやつが結構いるが、こんなに実習やってなかったと思う(本州の山の中)、恐るべし北海道。

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紙の本

糸川先生とゆかいな仲間たち

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、日本のロケット開発の黎明期からチョイ前に至るまで、ロケット開発、運営の最前線にいた方とSF作家との座談会(トークライブろけっとまつり)をまとめた本である。
  本書に出てくる林さんは、現場の神様、この人が大丈夫と言えば、大丈夫という打ち上げの名人である。
  また、同じく垣見先生は、ペンシルロケットからミューロケットに至るまで、ロケットの設計に当たった方である。
  このロケットの生き字引みたいな人のお話をまとめたのが本書である。
2 この2人をつなげる人物がいる。糸川英夫先生である。今般、めでたく帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」が行ってきた小惑星イトカワの名前のモデルにもなった人である。上記お二人は、糸川先生の部下ないし弟子として、ロケット開発に取り組んだのである。
3 糸川先生、人使いが荒かったそうな。垣見先生は、その裏をかいてやろうと糸川先生と競争するつもりで、データを出して設計したそうな。こういうやる気を出させるんだから、糸川先生も相当乗せ方がうまい「いい上司」である。林さんも、ロケット打ち上げに、ときには命懸けで取り組みながら、いつも楽しそうである。そして、お二人の糸川先生を語るときの話振りは、糸川先生が好きなんだなあと感じさせる。
3 本書には、いろいろな話があって面白い。糸川先生が、マスコミやら官僚やらを調略し、どこからともなく予算をとってくる。これで、いろいろ開発するのだが、そこは黎明期、失敗もあれば成功もある(まあ、いまでもいろいろあるが)。秒読みやってたら、観測所でけつまずいてプラグが外れ、秒読みが中止しちゃったなどというかわいいものから、ロケットが爆発しちゃった、なかには、打ち上げ現場で火がついちゃったなどという危険なものもあったりした。
  また、当時は、昭和だ、しかも戦後すぐである、いろんなところが結構テキトーだった。偉い人が来るときでも、打ち上げ前日は大酒をのみ、「これをやらなきゃロケットが飛ばんのです!」と騒いだり、打ち上げに失敗したロケットをこっそり畑から回収したり、ペンシルロケットを勝手に持ち出しちゃった人がいたり(これが廻り廻って、宇宙飛行士が宇宙に持っていくことになったり)、火薬学の先生のところでは、たばこを吸いながら、実験してたりしたそうな(この先生は、危険なところがわかるから、たばこを吸ってやってもいいそうな。もちろん普通の人はだめ)。
  こういう偉い人たちが、ちょこっと悪さしながら、楽しんで仕事をしているのはいいなあと思う。宇宙開発というと堅苦しいが、みんな夢に向かって努力しているので、前向きで、読んでいて大変小気味よい。
4 さて、昨日、「はやぶさ」が帰還した。いろいろトラブルがあったが、日本のよくわからない技術と、現場での応用と、少しの奇跡が加わり、無事帰還した。
  ところで、本書によれば、宇宙開発に携わって亡くなった人というのは、亡くなったのではなく、宇宙旅行にいったことになるんだそうである。
  はやぶさ帰還については、先に宇宙に行かれた方が、少しばかり奇跡に助力したような気がする。特に、目的地はイトカワだったから、糸川先生、こっそり修理とかされていたんではなかろうか。
  JAXAの皆様、お疲れさまでした。帰還のニュースは、見てて感動しました。世のいい年した「男の子」は、みんあどきどきしながら、ニュースを見ていたんではないかなあ。今後の開発のため(他にも基礎分野の進展のため)、もっと予算出してあげてもいいんではなかろうか。

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紙の本

紙の本税法入門 第6版

2008/04/29 13:55

たかが新書と侮るなかれ

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、租税法をなにも勉強していない人がその大枠をつかむために書かれた入門書である。なお、租税法は、税金をとられる時に問題になる法律である。税金を使うときに問題になる法律は財政法である。
2 法律の本で、「入門」とか、「やさしい」とか書かれていても、ちっとも入門者むけでなかったり、やさしくなかったりする本が多い。そこをいくと、本書は新書である。一般向けに書かれた租税法に関する概説の概説みたいな本である。
 しかし、書いている先生を見ると金子先生、清永先生とそうそうたるメンツである。東西の横綱格の研究者が、一般の人に分かりやすく示そうとして書かれている。
3 租税法の教科書で有名どころといえば、金子租税法だろう。しかし、これを入門段階で読んだらまず間違いなく破綻する。とにかく厚くて読むのが大変である。そこで、本書の登場である。また、本書は、結構、金子租税法と同じようなことが書いてあるところあったりする(金子先生御担当分か? )。
4 値段も新書と考えるとちょっと高いような気もするが、法律関係の本ではものすごく安い。租税法を初めて勉強される方は、これを読んでみたらいかがであろうか(もちろん、本書だけでは勉強は完成しないので、より深く勉強しようと思ったら、より難しい本を読むしかないのですが)。
 費用対効果を考えると結構いいモンだと思う。

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紙の本

紙の本羆嵐

2008/03/08 00:24

専門性の限界

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 静かな北海道の山村にある日突然ヒグマが襲ってきた。
 これに対し急きょ対策を取らなければならなくなったのは、同村の村長である。ところが、この村長さん、農業は巧みで、人望も厚いのだが、熊退治はさっぱり素人である。
 そこで、助っ人を呼ぶべえということになった。警察署長やら、検視の医者、近在の村人やらぞろぞろやってくる。しかし、当たり前だが、彼らもまた熊退治の専門家ではない。
 彼らは自分の専門的なことに関しては、有能なのである(お医者さんの下りは特に)。しかし、熊退治は専門外なのである。
 しかも、村にやってくる人々は、この山村と利害を共にしていない。なんだかんだ言っても、自宅のある村に戻れば、他所のヒグマなんぞしったこっちゃあないのである。
2 人間様は上へ下への大騒ぎをしているうちに、ヒグマは意気揚々と暴れだす、犠牲者もますます増えていく。そこで、村長さん、ついに当該事件にかかわる真の専門家、熊撃ちの名人を呼ぶことになる。しかし、この段に至るまで呼ばれなかったのである。この専門家、もちろんわけありである。
3 以下は、本書をご覧あれ。
 件の熊打ち名人の普段の生活ぶりとクマと戦う際の差の原因は、自分の専門性の活かせる領域での矜持だと思った次第である。

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紙の本

紙の本そうだったのか!中国

2011/01/30 11:35

最新式帝国主義国事情

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、第二次大戦以降の中国につき、お馴染みのこどもニュースのお父さん(山本夏彦氏もほめてたなあ、この番組)の池上彰氏が、解説した本である。本書は、太平洋戦争後の中国共産党の政治の変遷及び現在の中国の経済、外交、軍事の状況を見た本である。本書を読み、現在の問題をつらつらみながら、思ったことを書いた。
2 中国は、言わずもながだが日本とは、政治体制が全然違う。高島俊男氏が、文芸春秋の2011年2月号で書かれているが、中国の政治体制と言うのは、一番上に共産党があり、次に、形式的な国家機関があり、その下に、国の実務を行う国務院がある(さらに、それとは別に、党の下には、人民解放軍がある)。そして、中国の外務大臣と言った場合、国務院の外交部長を指し、日本でイメージする外務大臣とは異なるのである。会社の話を例にとれば、株主総会の決議を経ていないが、隠然とした権力を持つ会長(共産党)がいて(この下に、荒事を得意とする与党総会屋みたいな殿方(人民解放軍)がいる。この殿方は、会長とツーカーだが、会社とは直接関係がない)、その下に名目上の社長(国家主席、全人代が御用総会)がいて、常務取締役や専務取締役がいて(国務院)、この傘下に各部門の部長がいるような感じである。各部長(たとえば外交部長)が、承諾しても、党主席が首を横に振ったら、それでおしまいである。また、軍事のほうが、党に近い分、外交が軍事に引きずられる傾向があるんじゃないかなあ。
3 本書を見ると、現代中国は、遅れてきた帝国主義国の感がある(チベット、ウイグル、さらに、南沙諸島や尖閣諸島、インドや朝鮮半島の国境問題もある)。逆にいえば、最新式の帝国主義国である。冷戦構造が崩壊して、日本に平和が来たかと言えば、ちょっと怪しい。従前は、ソ連の主敵はNatoであり、ヨーロッパのほうが主戦場の予定地であった。日本の周辺なんぞ、まだましであった。ところが、冷戦構造が崩壊して気づいてみたら、隣は、最新式の帝国主義国である。しかも、主戦場がこっちに向いてきた。だから、日本の立場は、冷戦時より危なくなったのである。
4 私は、商売柄、あの国から歴史認識の話が出ると、慄然とする。日本の憲法では、思想信条は自由があり、しかもこの自由は、頭の中にある限り絶対的自由だとされる(頭の中だけなら、人を殺すこと考えるのも自由である)。にもかかわらず、外国からお前の国の「認識」がおかしいとかいわれるのは、はっきりいってよくわからない。日本では、元来、認識とか思想というのは、統制されるものではないのである。
  もちろん、資料があって、これに基づき討論がされ、また、意見も加わり、精緻化されていった結果、歴史的な事実が確定していくのであれば、それはいい(これは表現の自由とか、学問の自由という話)。ただ、この前提として、事実の誤りを指摘し、新資料が出てきたら、それに基づいて改定していくことができなければならない。しかし、中国共産党の歴史(というには、まだ生臭いが)をみると、この自由がない。国が「事実」を決めてしまって、あとはそれに従えという風である。毛沢東は、わざと議論を活発化させておいて、後から反対意見を出したやつを根こそぎ粛清してしまった。こんなんでは、表現の自由なんてものはない(表現の自由というのは、政治の自由に直結する問題なのである。だから、表現の自由の規制というのは、そうおいそれとはできないのである)。そして、一般的にいって、表現の自由のない国とある国では、ある国のほうが、事実が真実に近づきやすいのである(思想の市場性という、問題があれば、新しい主張が誤りを正すのである)。
5 また、尖閣諸島の話もある。あの話は、相当問題がある。外交問題というより、エセ右翼の問題に近いんじゃないか。エセ右翼関係の言い分の特徴は、大義名分(らしきもの)だけあって、中身の議論が無茶苦茶なのである。あとは、担当者をみんなでつるしあげて言いまくりで無理に要求をのませるのである。
  今般の尖閣の問題も、議論はすっとばして、向こうの要求だけ言って、さらに、いうことを聞かなければ、レアメタルの輸出禁止措置をだしてきたりする。経団連は、悲鳴をあげて、国に泣きつくのである。しかし、この話は、飲んだらまずい。まずい原因は、向こうの気に入らないことがあれば、同様のいやがらせが起きてしまうということである。ここだけ譲歩すれば、日中間での紛争がおしまいという話になればよい、しかし、絶対にそうはならない。こうなると、ちょっとなんかあったら無限にいやがらせを受けるのである。仮に、尖閣諸島で譲歩しても、次は、沖縄が中国領だといってくるだろう、また、九州が中国領だと言ってくるだろう(言うのはタダだし、いやがらせも向こうの専権である)。そうすると、尖閣諸島を渡したら、渡し損になる可能性が高い。だから、ここは尖閣諸島は日本領だと主張する以外に他の手段はない。
6 また、日本に対して、向こうの若い人が文句を言うのも釈然としない。私がなんかやって迷惑かけて責任取れと言われるのは理解できるのである(刑法でいうところの責任主義、民法でいうところの過失責任の原則)。しかし、戦後に生まれて、戦前に何にもしてないのに不利益をこうむるのは我慢がならんのである。また、若い人は、日本から何らの不利益も受けていない。むしろODAとかで、利益を受けている。にもかかわらず、日本人だというだけで、不利益を被れといわれたって、納得なんかできないのである。実は、悪だくみすれば、この問題については、日本が独自に解決手段をとれる。どうするとかというと、わが国はもう十分反省しましたって言っちゃえばそれでおしまいなのである。文句を言われたときに、気にするから弱みになるのである。気にしなれば弱みにならないのである。これに対し、日本と言う国が行ったことなので、国の責任として残るという話は出るだろう、しかし、その辺の問題は、角栄さんが解決しちまっているし、戦犯はすでに刑に服した。あとは日本がどこまで気にするかという問題である(ここまでいわなくても、何か問題が起きたときに、過去の反省とこの問題は、話が別と素知らぬ顔で言い続けられれば、事実上おんなじような効果がある。侵略の反省と現在の政治の話を一緒に考えると話がおかしくなるのであり、別に論じてしまえばそれまでである。)。健康とは実にいやなもんだが(by山本夏彦氏)、国益に資するなら、健康になるべきであろう(特に国会議員)。
7 経済的には、確かに日本製品の購買層もおり、結びつきは今後も強くなっていくだろう。中国人も個々人と付き合っている分にはいい人もいるし、面白いんだけどねえ。しかし、現状では、中国の軍事・外交がイケイケドンドンなので、わが国も、対応できるように、日米同盟を篤くし、防衛費を増やしたり、憲法にも手を入れたりしないといかんねえ(憲法9条2項削除で是非)。なお、防衛費の増額等につき、苦情のある方は、天安門の前でいっていただきたい。率先してレートをあげている方に文句言わないと効果ないのである。

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紙の本

日々是修行日和

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、寺の娘の著者が、実兄(お坊さん)をモデルに御坊さんやお寺での生活を紹介する漫画である。なお、著者は、鋼の錬金術師の荒川弘氏のアシスタントをしているそうな。確か、鋼の錬金術師の最新刊の四コマ漫画のところに著者のお名前があったと思う。
2 著者の実家は、臨済宗のお寺である。臨済宗と言うと、禅宗である。禅宗と言うと、鎌倉時代に日本に来て、その精神性が武士と親和的だったので、広がった仏教である(と日本史で習った)。お茶の移入なんかも図り(喫茶養生記とか)、禅と言えば静かな感じがするのである。
  しかし、実際には、結構、肉体派なんだそうな。娑婆では、陸上をしていたという兄だが、修行を経て帰ってくると、マッチョになっていたり。お寺のの作業は体力を使うものが多く(まき割りとか)、いやでも筋肉がつくんだそうな。また、禅問答も結構大変だし、日々の修行もこれまた体力なんだって。
3 本書には、普段わからないお坊さんの修行や生活面がわかって面白い。お寺は基本労働が多いから漫画のネタを得るためには労働しなければならないとか(広いしなあ)、入門するまでにいろいろ関門があるとか(ほうりだされる)、托鉢でもらったものは何でも食べるとか(だから、お坊さんは肉も食べる。猫は? )、ご飯時は全く音がしないとか(たくあんも音をさせずに食う。ただし、うどんは除く)、カレーがすり鉢に入ってくるとか(え…)。
  また、厳しい修行の話も出てくる。禅問答の時、師匠無茶苦茶怖いとか(普段結構お茶目なのに)、朝すごく早いとか(夜も結構遅い)、正月に半日休みだともううきうきだとか(普段どんだけ休みがないか)、クリスマスに坊主に恋人から別れのメールが来るとか(気の毒…)、ずっと座禅をしていると幻覚が見え出すとか(魔境というそうな)。著者も指摘されているが、人生に疲れて出家しても、大変だなあ。
  さらに、最終話は、お坊さんの結婚式(もちろん実兄のである)の話題もあり、身内を売って…もとい自身の近傍のお話を交え、大変興味深かった。
4 なお、巻末には、葬儀等でのマナーや説明なんかも書いてある。
  お寺の生活が垣間見える一冊であった。荒川氏は農家で毎日労働に明け暮れていたそうであるが、本書の著者も毎日労働に明け暮れている感じがした。思えば両方ともあんまりカレンダー関係ないなあ(カレンダーって結構キリスト教の影響がある、ほら、なんで日曜休みなのとか、太陽暦だし)。合掌。

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紙の本

紙の本空想お料理読本 1

2010/08/08 10:00

そう、あれだよ、あれ。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、アニメや漫画に出てくる食べ物を実際に作って食ってみるという話である。著者は、料理研究家のケンタロウ氏と空想科学の柳田理科雄氏である。ただし、世の中に存在しないものは作ってない。
2 アニメのご飯って結構印象に残っているものが多い。本書にも登場するが、ジブリ作品のご飯なんか有名だ。本書では、ラピュタの目玉焼きのせパン、ハイジのチーズのせパン(カラー写真あり)、ハウルに出てきた極厚ベーコン添え目玉焼き、カリオストロで次元とルパンが争って食ってたミートボールスパゲッティなどが紹介されている。
  ケンタロウ氏曰くジブリ作品の料理は「リアリティがありすぎて癪に障る」そうである。きっと一回実際に作ってみて、それをビデオ等で撮影したうえで、アニメに起こしたのではないかとのことである。
 でも、ハウルの目玉焼きうまそうだけど、朝からあれ食えんなあ。欧米人恐るべし。
3 他にも、キテレツ大百科のオープニングに合わせてコロッケが作れるか、はじめ人間ギャートルズのマンモス肉はどういう肉か、マンガ日本昔話にたまに出てくる山盛りご飯の受難、ハクション大魔王のハンバーグ、オバキュウの小池さんのラーメンとかが描かれ、実際に作ってみている(ただし、ギャートルズは、牛一頭分の肉があったほうがいいそうなのでなし。マンモス肉は、骨や内臓がなく、また、形状も例のアレなので、自然界には存在しないから)。
  他方、柳田氏により、新たな事実も明らかになったり。ポパイは、ホウレンソウ食う前から結構強いとか(だから、ホウレンソウ食べるのは儀式的なものではないかとの推測がある)、宇宙で使うフライパンの話とか。
4 酒に合いそうな料理もあるが、本書作成のための対談中は、飲酒厳禁だったそうである。ああ、いと哀れ。

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紙の本

紙の本中世を道から読む

2010/02/28 11:28

街道をゆく・・・と思ったら、大変だった

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は、中世(鎌倉時代から戦国時代くらいまでの期間)において、「道」をテーマにして書かれた本である。なお、ところは、主に、関東(鎌倉街道)である。
  昔、移動は、徒歩だった。行軍、通商など人の移動、物資の移送、さらに、情報の伝達も徒歩が主体だった。そして、この移動のために、人々は道を使っていたのである…というと、今だって道つかっとるだろうと思われる方もおられるだろう。
  しかし、当時は、中世である。そこらじゅうで、戦争してたのである。また、技術的な制約、自然災害等から、いろいろ不便があった。
2 以上のような、不便を当時は、「路地不自由」などと言った。そして、これが断り文句の常套句になるほど、この不便が存在していた。
  敵対勢力の中を通る時は、もちろん捕縛のおそれがあり、また、戦争が始まれば、利害関係者でなくても、襲われる危険がある。さらに、峠には山賊が出るわ、ときには、土砂崩れ、河川の氾濫で通行ができなくなるは、艱難辛苦の目白押しである。
  上杉謙信が、関東で領土を拡大しようとしたら、武田や、北条に煽られた在地の領主に街道を封鎖され、困ったなどという話もあった。軍勢があれば、なんとかなるというものではなく、どのような通路を通れば安全に通行できるかという情報面でも制約を受けるんだそうな。
3 特に、河川通行は、問題である。当時、河川は浅瀬を渡るのが普通だったが、これもどこなら渡れるか地元の人間でないとわからない。また、橋を渡ることもあったが、当時、橋といえば、今のような常設の橋を指すのではなく、舟を並べて板を渡した舟橋というのが主に使われた。ところは、関東である。かの有名な坂東太郎こと利根川がご鎮座ましましている。当時の技術力では、氾濫時の利根川の水には到底かなわなかったので、常設の橋は技術的にも、経済的にも難しかったんだそうな(あと、これだと、車輪を使った移動手段が制約を受けるので、輸送量についても悪影響が出ると思う)。
  そのため、河川の渡河点というのは、戦略的に大変重要であった。
5 また、江戸というのは、実は、戦国時代から結構な城郭があって、一大拠点だったそうな。これも、江戸が交通の基点となる要衝だったからだそうである。寒村だった江戸を徳川幕府が開拓したというのは、徳川幕府の創世神話みたい側面があるんだそうである。
6 交通の便宜にかかわらず、不便な時こそ、みんな意識するようになる。現在、安全に通行可能できる道路事情からは、全く想像もつかない。しかし、年度末の道路工事はどうにかならんか。まあ、どんなときもなかなか思い通りにはならんもんです。

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紙の本

紙の本大名屋敷の謎

2008/07/16 23:26

入るものあれば,出るものあり

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書は,江戸にあった大名屋敷においてどのようなことが行われていたか,また,この大名屋敷に出入りする江戸町民及び農民に関する本である。大名屋敷というのは,軍事要塞の側面もあり,公的には中に何人の人いるとか,内部の構造はどうだとか,全部秘密であった。公的に秘密であれば,非公式な点から見てみようというので,当時大名屋敷に出入りしていた町民や農民の視点から何をやっていたのか見るのである。
2 本書は,前半部と後半部に分かれている(後半部の方が主)。
 前半部では,大名屋敷内で藩の侍は何をやっていたかを記している。これが,なんか男子校の寮とか,体育会系運動部みたいなのである。当時,屋敷内の男女比率は恐ろしいことに20対1くらいの割合で,男の方が圧倒的に多かった。そして,古今東西を問わずこういう環境では,馬鹿なことをする奴がいっぱい出るのである。当局も,内部で馬鹿なことをするのはまだ我慢するが,外で馬鹿なことをすると,藩のメンツにかかわるので,できるだけ,外に出さないようにしていた。門限とかもあって,結構大変であったそうな,門限に遅れそうな奴がいると,友達が係の者を羽交い絞めにして門を閉めるのを妨害したりしたんだそうな,どっかの高校生のようである。
3 (1)一方,後半は,そんな外に出られない人や当局を相手に商売に励む町人や農民の姿を記している。
 現在でも宮内庁御用達とかいうと,なんだかありがたみが増してくるが,当時も同様に,幕府御用達を筆頭に,諸侯の御用達というと,その宣伝効果は絶大で,肩で風切る勢いだったそうな。お菓子から畳までいろいろある(畳というと,この本が有名ですが)。
(2) その中で,一つ威風を放つ御用達があった。背景を言えば,当時,江戸に人口が集中し,江戸の近郊では日々のおかずとなる野菜が生産されていた。この野菜を作るには肥料がいる。そう,この肥料,即ち下肥を集める作業があったのである,早い話が汲取りである。
 何をそんなことをといわれる向きもあるかもしれないが,昔は金を払って汲取りをさせていただいていたのである。本書に表があるが,年間の対価が大根6000本及びナス6000個とか,600両(他の諸負担も含めてだが)とか,なんか桁がすごいことになっている。
 旨い野菜を作るのによい肥料は欠かせない,そのため,当時は力のある農民(豪農)が商社みたいになって当局と交渉し,汲取りの権利を獲得し,これを配下の農民に転売して利ザヤを稼いでいた。
 ここでもやはり,ブランドが重要で,食っているものがいいもののところの方が,ランクが高かった,そういう野菜ならば高く売れたのである。大名屋敷,大身旗本などの武家屋敷,大店の下肥が上,一般の武家屋敷が中,裏長屋が下だった。ちなみに,最上は,吉原や芝居町だったそうな,豪勢なものを食っていると思われたそうな。
(3) このほかにも,農民が結構出入りしている。庭園の整備(大名の庭園は,ちょっとすごい規模なのである,深山幽谷もかくやというもので,とても並みの庭師にどうこうなるもんではない),馬の飼料の提供,さらには,屋敷の中の農園(!)のために人手を提供したりした。
 こんなことが江戸のど真ん中で行われていたのである。この権利を獲得するために,各方面で知恵を絞った涙ぐましい努力が繰り広げられていた。
4(1) そして,本書の最後は,大名屋敷が消滅するくだりである。そう,戊辰戦争に幕府が負けて,官軍が江戸に入ってきたのである。これによって,大名屋敷はなくなってしまい,それまで権利を持っていた農民は窮地に陥った,人間万事塞翁が馬である。これをどうやって乗りきったか? その辺のところも問題になるのである。
 こういう記録が戦災や,震災を超えて東京に残っているんですねえ。ちなみに,ここで主に取り上げられているのは,尾張藩上屋敷,現在の新宿区市谷である。そう,防衛省があるところだったりするのである。

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紙の本

紙の本軍需物資から見た戦国合戦

2008/06/07 11:43

戦国時代版 ロジスティクス

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1 本書の舞台は,戦国時代である。そして,戦国物だと,大体武将とか,城とかが題材にされる。ブランド物,一品物の類である。ところが,本書は,物資という大事なんだけど,マイナーな代物ついて作られた。なお,ところは,主に関東,関係資料の出所は大体北条氏である。
 では,どんな内容か。戦国物だから,戦が中心である。で,戦といえば,やはり武器だろう。これがなければ戦争はできない。また,兵糧なんかも重要なはずだ。腹が減っては戦はできん。だから,鉄,皮革,火薬や兵糧の調達とかの話なんだろう…と思うのだが,これが違うのである。
2 本書で主に題材になっているのは,木材とか,竹とか,麻なのである。なんだそれ,竹木や,麻なんて,何に使うんだそんなもんと思われる方も多いと思われる。ところが,これが本当に必要なのである。
 竹は,旗指物や,槍の材料,鉄砲の弾よけなんかに利用される。一方,麻は,ロープやムシロに使われる(主に土木作業用)。そして,最も重要なのは,実は,木材なのである。
 なんで,木材が重要か? これは,ちょうど,木材が,現在でいうところの石油や鉄と同じように利用されていたからである。兵糧の煮炊き,武器や鍬(土木作業用)の製造修復は当時,鍛冶場でやった。そして,鍛冶には薪炭が必要である。また,夜討ち朝駆けに備えて,照明用の松明,かがり火も必要だ。一方,柵や櫓を作ったり,あるいは,軍船を造ったりする場合にも,資材としての木材が不可欠なのである。
 しかし,これは自力で集積しなければならない。軍需物資は天から降ってなんか来ないのである。そこで,これらの物資を調達するために,生産地が必要になる。また,生産地を管理したり,木材を戦場までもってくるためのシステムが必要になる。なんだか,話はだんだん大きくなってくるのである。
3 ただ,当時,薪炭竹木って人の生活に必要不可欠であった。そうすると,普段の利用と,戦場での利用が共食いを起こした。どっかの太平洋戦争と同じである。ガソリン一滴,血の一滴である。
 だから,大名は,戦争に備えて森林をもっているのだが,一般市民も負けてはいない。勝手に,その森林に入り込んで,木材をかっぱらってきてしまうのである。
 また,他方で,戦争が始まれば,細かいところには構っていられないことだってある。大名が,それまでの慣習を超えて,いろいろ要求することもある。
 双方共々,規範や慣習をふんじばって,精力的に行動するのである。
4 本書は,以上の山林の管理について環境という点からみている。ただ,環境という概念がかなり広いので,なんでもかんでも環境にからんでしまう。
 現在の感覚で言うと,おそらく,石油資源や鉄資源の調達と戦争との関係についての本なのだろう。たまたま,その時の資源が,森林なんかに依存するので,環境の話が出てきたのかなあと思った。
 ただ,こういう視点から見た本ってあんまりなかったと思う。戦争は,いろんな意味で総合力である。

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紙の本

義理人情と賢さでできた国(ただし、イタリア標準で)

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1 本書は、時事通信社の記者氏が、イタリアで仕事をすることになり味わった悲喜劇(主に喜劇、ただし、はたから見ている分には)をつづったものである。
2 (1)イタリアは、地中海に囲まれている。その地理上の恩恵を受け、太陽はさんさんと輝き、肥沃な大地から旨い食べ物がとれ、おまけに歴史上の遺構はあまたあり、素晴らしい芸術品は美術館を満たさんばかりである。また、人心は穏やかで明るく、人情味も豊かである。
 なるほど、これは観光に、遊びに行くなら素晴らしいに違いない。
 しかし、本書の著者は、何の因果か仕事だったのである。
 (2)イタリアというとテキトーというイメージがあるが、実際にいろんなところでテキトーだったらしい。小はトリノ五輪のボランティア、大はバチカンの事務関係だのWTOの記者会見だのまで、ずっと大変だったそうな。
 この辺の最大の原因は、イタリア人がテキトーというより、ものすごくマイペースで、俺のところはやるけど、ほかのところは知りませんわという姿勢があるように思われる。
 事務引き継ぎとか、相互の連絡とかが無茶苦茶である。これでよく事務が回るなあと思う。ただ、みんなこうだとかえって相手をあてにしないので、イタリア人的にはうまく回るのかもしらん(また、イタリア人的にはイタリア語を話す人はイタリア的思考法をすると思っているらしい。結果、相手がイタリア語で話せば、相手にテキトーなことをしても大丈夫だと思っている節があるそうな)。
3 (1)すごいのは、五輪のような世界的に注目の集まるイベントまでのんびりしているところである。地下鉄が開通できないととか、山間部の施設も間に合わないとか結構すごい(アテネ五輪のときのギリシアも似たような感じだったが)。
 (2)その割には、頭のいい人(ずるいという意味でも、賢いという意味でも、あるいはその両方でも)が称揚される。
 日本だと、計画を立て、時間内に完成させることが一番重要だと思われており(外国人に言わせると二言目にはノーキ、ノーキだそうだが)、これがちゃんとできる人が頭のいい人、立派な人だという感じがする。しかし、かの国では、手段はともかくも(ずるくてもよい)、最終的にうまいことやってしまう人が頭のいい人、立派な人のようである。
 頭のいいという概念とか、美徳の内容とか、いろいろ基準が違うのかだろう。
4 以上のとおり、イタリア人、良くも悪くも個人主義である。みんなで物事をするなんて、ちっとも国民性にあっていないのである。よくこんなところでムッソリーニはファシスト党を作ったなあと変な意味で感心した次第。

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金のために戦う・・・で、何が悪いんだ

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1 本書は、傭兵隊長ジョン・ホークウッドを漫画化した本である。
2 ジョン・ホークウッドって誰やねんと思われる方、多々おられると思う。この人は、14世紀、イタリアで活躍した傭兵隊長である。この巻で書かれているのは、彼が、イタリアで活躍する前に,戦っていたという百年戦争真っ盛りのフランスでの話である。
3 本書は、歴史漫画を集めたウェブ雑誌「ヒストリア」(現在、休刊)に掲載されていた作品だそうな。その甲斐あってか、細かい。弓を放つ前は,聖人の名を唱え、金曜日には肉は食わない、捕虜の身代金交渉や、傭兵契約の交渉場面などいろいろと書いてある。
4 とかく、傭兵というと金のために働くもので、毛嫌いされがちだが、封建領主も結局は自分の領地のために奉公するのであって、経済的理由により戦争に参加することことは大して変わりがない。2話目の領主が、割合物わかりがいいのは,その辺の状況もあるのかと思われる。
5 上記の通り、本書は、大本の雑誌が休刊してしまったため、沙汰止みになってしまったそうである。どっかで、この漫画の続編でないかなあと思いながら、この書評を書くところである(ホークウッドっていったら、イタリアでしょう、そこまでやってもらわんと)。
6 なお、中世のヨーロッパの話を漫画で読むとすると、ヴィンランドサガ
(本書よりやや前の時代)、狼の口、(大体同時代)、純潔のマリア、ばら物語、チェーザレ(いずれもやや後の時代のあたり)が上げられるか。興味のある方はどうぞ。

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紙の本日本の食欲、世界で第何位?

2010/02/21 22:07

結構意外な食生活

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1 本書は、世界のいろいろな食糧について、生産量、消費量、輸出入量についてまとめた本である。
  というと、なんだか堅苦しいが、著者は、元バックパッカーで、旅行添乗員であった人であり、海外旅行の経験を踏まえていろいろ話をあげており、そんなに堅い話ではない。
2 世の中、結構、知らない話が多い。たとえば、小麦を多く消費している国(1人当たりの1日分)はどこか。普通に考えると、ヨーロッパ、特にフランスパンとかあるし、穀倉地帯だから、フランスではなかろうかとも思うが、そうではない。これがアルジェリアとキルギスタンなのである。2位も、チュニジアとトルクメニスタンと大して変わらない場所。以下、北アフリカと西アジア、中央アジアの国がつづく。著者は、パキスタンとアフガニスタンの国境にあるペシャワールに旅行して、旅先の列車内でパシュテュン人と一緒に飯を食ったそうだが、そこで、そのパシュテュン人は、4人前だというのに高さ1メートルに迫ろうかというロティ(円形のパン、Mサイズのピザくらいの大きさ)を持ってきたそうである。著者は、1枚食えばそれで十分だったそうな。
3 意外な話はまだある。豚肉をよく食べる国の2位が、セルビア・モンテネグロである。あの、コソボでムスリムとドンパチやってた国である。なんで、そんな食文化になったんだ。
  さらに、ペリーやハリスは、やっぱりアメリカ人で、肉類(イノシシ)とか好きだったとか、中華料理や琉球料理が好みだったとかあるが(肉が多そう)、日本の保命酒という福山の酒は、お好みだったそうな。味は、養命酒みたいな感じだそうだが、これはちょっと心当たりがある。養命酒って、結構、西洋のリキュールに近い味で、某バーで、カクテルにして飲んだら結構うまかった。
  それから、酒の消費量で、てっきりロシアがダントツかと思っていたら、なんと8位、タイと同じである。上位陣は、ルクセンブルクや東欧の国が1,2,3とくるが、そのあとはカリブ海の国も目立つ。ラムか!(なお、喫煙者数ではロシアが1位、ちなみに、医者も7番目に多い、やっぱり肝臓と肺をやるんだろうか)。 
4 なかなか印象と違うもんである。特に、食事の話というのは、読んでいると腹が減ってくる。さて、一杯飲みながら、なんか食うかなあ。

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紙の本刑法 第3版

2009/06/27 02:48

良書(実務家著述版)

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1 本書は、元裁判官の相当偉い人(ということは、ものすごく頭がいい人と同義である)が書いた刑法の本である。
  本書は、山口の青い本(と私は読んでいた)と同様、刑法総論と各論が一緒になっている。
2 本書の特徴は、まさに総論と各論が一緒になっている点である。つまり、それほど読むのがしんどくないのである(山口各論は厚くて大変、山口総論は難しくて大変であった)。
 それでいて、きっちり書くべきことは書かれているうえ、裁判官が書いているので、大体通説、判例、常識的である(ただし、大体。あと、因果関係のところは、もうちょっと書いてほしい、西田総論が割合わかりやすく、最高裁の判断基準(らしきもの)をあげているが)。
 大学にいたころ、某先生が、「刑法とは、哲学(特に総論)!」と言っておられた。早い話が、理屈のためなら、常識的判断をすっとばすことがあるのが、刑法の先生である。だから、結果無価値とかで書いててエライことになる人がいる。
 しかし、それではやっぱり実務では困るし、勉強だって大変である。
3 できれば、本書のような薄くてわかりやすい本を下敷きにして、さらに、細かい知識は適宜補充していくといいと思う。
 実務家の体系書では、これはかなりいい本だと思う。
 あと、入門書というのは、実は、クサヤみたいなもので、ある程度わかってから読むと、こんなことまで書いてあるのかと感動することがある。
 初学者の時から、ある程度勉強したときまで、末永く使えるので、経済的にも良書だと思う。

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紙の本演習刑事訴訟法

2008/05/31 13:49

取説つき刑訴

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1 本書は,法学教室で連載されていた「演習」欄について,まとめた本である。
 まあ,これだけ読んでも,法学教室を読んだことがないとさっぱりわからないと思うが,要するに,学生向け(にしては,結構高度なんですけどね,この雑誌)の法学雑誌の巻末のほうに,大学の教授が執筆している憲法やら民法やらの問題とその回答らしきもの(回答そのものではないときもある。というか,法律に正答はないといわれているので,答えが書いてあるものでも,回答らしきものなのである)が載っている。
 この演習の刑事訴訟法についてまとめたものである。
2 さて,本書には,序がついており,執筆者が座談会を開いている。まあ,メンツはそうそうたる顔ぶれである。ここに本書の取説がある。というか,この座談会の内容は,刑訴だけではなくて,他の法律を勉強する上でも結構重要な示唆がある。根本的に,どの法律でも勉強の方法は変わらないのである。
3 内容は,1つ1つの論点,問題ごとについて,論じ,解説を加えていくというもの。1つの問題につき,分量は3ページ程度で量としては適切である(本当は,もっと書きたいらしいが)。問題の数は,85題で,捜査,公訴,公判,証拠,裁判,上訴等一通り押さえられている。個人的には,もうちょっと,伝聞証拠のところがあったほうがうれしいかと思うところ。
 形式は,各教授それぞれで,酒巻先生と大澤先生は,ゼミで教授と学生たちが問答している方式,ほかの先生は,通常の論証・解説で書かれている(多少,違うが)。
 分量が1題あたりそんなになく,また,一通りの事項について書かれていること,また,説明も丁寧なので,個別につまみぐいするよりも,きちんと通読した方がいいと思う。
 みんなでワイワイやりながら,問題解くのもよし,ひとりで黙々と解くのもよしである。
4 なお,本書に関し独自の取説として,酒巻先生曰く「実はこの演習書の中には,バイエルやソナチネではなくて,超絶技巧練習曲,ものによっては前衛現代音楽レベルのものが含まれている」とのことである。
 一応,教科書をさらっておいて,判例通説を理解した上で,勉強される方が身のためか。
 ああ,あと本書と関係ないけど,できれば,憲法の安念先生の演習も加筆して出してくれたら,すごくほしいところである。

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