投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
玉村さんらしい、ご自身の経験を細かく教えてくれる本で、長野県の山の土地を開いて、ワイナリーを作った体験談。ワイナリーを始めるのにお金がかかること(免許を取ろうとするとたくさん製造しなくてはいけなくなる、など制約がある)、実際にいくらくらいかかるのか、野菜もつくっていて、レストランで食事ができるようにしていることなど。
事業内容自体は、(自分が飲食店やワイナリーをするつもりはないという意味で、)そんなに興味はないのだけど、玉村さんが始めたワイナリーという、個人としてはかなり壮大な事業は、人生の秋に差し掛かった身には、とてもぐっとくるものがあった。
・ブドウの木は4~5年で成木になる。早いものは2年位ですこし実をつける。15歳から20歳のとき、最もエネルギーに満ちている。ワインをつくるブドウの木は、古いほうがよい。40歳、50歳。50歳をめどに木を植えかえるが、もっと長生きする木もある。人とブドウが、それぞれ世代交代をしながら一緒に生きていく。
・ワイナリーを土台に、いろんな人が集まってきて、例えば農業をする人の奥さんがワイナリーでバイトをして、農業がうまく行ったら、独立。その人たちが作った野菜をワイナリー併設のショップで売ったり、料理で使ったり・・・。ブドウ畑だけやっている人が、玉村さんのところでワインを醸造したり。ワイナリーを作ったことで、地域にインパクトを与えている。そして、それが、自分の死後も続くことを願っている・・・。
そして最後まで読んでやっと、本のタイトルがワイナリーとかではなく、里山ビジネスだということにピンと来た気がする。
自分だったら何をするか、何ができるか、したいか、考えたくなった。