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「大きな政府」支持の民主党、「小さな政府」支持の共和党。読前はこのような認識しかなかったが、この書籍を通じて、民主党・共和党の対立軸の変化・歴史を学ぶことが出来た。興味深かった点は2点。
?アメリカの民主党は諸外国と違い、政権担当能力がある政党である。諸外国は民主党の様な立場にいる政党は反体制側(反王制側)で万年野党であることが多い。日本でも最近、2大政党制が叫ばれているが、アメリカのそれとは本質的に違う。
?中曽根行革以来、小泉改革に至るまで、主流になっているのは「小さな政府論」だが、これはアメリカのそれとは似て非なるものであること。アメリカでは政府の替わりに個々人のあるいは非政府系団体の自発的な活動によって、社会のある部分が維持されるという文化があるが、日本にはそれがない。要は、代替出来るものがないのに、政府の役割を縮小していってしまっている為に歪みが発生することになる。筆者は私学助成の例を挙げている。小泉旋風で小さな政府論が国民に圧倒的な支持を受けたが、将来、国民がそのつけを払わされるのは明らかであろう。
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独立戦争における「独立するべきか否か?」という論争にさかのぼり、それ以降の重要なイベントや産業構造の変化、国際政治における立ち居地などから米国の基本的な2大勢力がどのように自分たちの方針を決定し、国内の対立を力や政治で調整して国としての統一を維持してきたのかということを見ながら、現在までに、民主党=過剰なまでの正義感、自己(アメリカの民主主義)肯定、楽観性。共和党=財政・社会価値観・軍事面での保守主義、小さな政府志向、懐疑的という大雑把な性格を形成し、それをベースにしてそれぞれの世界観や信条がさらに、政策やスポーツやハリウッド映画などのアメリカ文化のもう少し細かいところでどのように反映されているのかを分かりやすく面白く解説している。こういう感じの本で韓国版の「反共の韓国、容共の韓国―60年のぐちゃぐちゃ―」とかあればとっても面白いのになあ―と思った。日本でちゃんと書ける人はたぶんごく数名だけだろうけど。
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米国に関する基礎的な書
マイケルムーアは超がつく反日
映画パールハーバーは共和党の映画
共和党のカルチャーは懐疑、民主党は正義
マイクロソフトのビジネス(利益の厚い軍需+一般向けにはペネトレーション価格)は共和党
ソウルメイトは民主党
民主党はヒューミント(CIA)、共和党はシギント(NSA)
米国共和党だけが自然観とエネルギーに対して特殊
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民主党
リベラル
中流・低所得者
労働・農業組合
都市型
対外 国際協調
大きな政府
反独裁
ハリウッド
共和党
保守
富裕層
対外 強硬
王党派
地方
小さな政府
規制緩和
自由競争
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これは…!
大統領選挙の前に読了しておきたかった…にもかかわらずすっかり忘れられていた残念な本。
ま、まぁ今から読んだっていいよね…;;
未読。
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[ 内容 ]
民主党=リベラル、共和党=保守は、本当なの?
「ハリウッド映画」「プロスポーツ」「歴史」「イデオロギー」からはじまり、銃規制の是非や公的医療保険への取り組み、対外戦争への賛否など、あらゆる対立軸を気鋭のアメリカウォッチャーが鋭く分析。
[ 目次 ]
第1章 民主党と共和党はどこが違うのか?
第2章 社会価値観をめぐるイデオロギーの激突
第3章 民主党のカルチャー、共和党のカルチャー
第4章 建国以来変わり続けてきた対立軸
第5章 民主党の政策、共和党の政策
第6章 対立軸はどこへ向かうか
第7章 民主・共和両党と日米関係
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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アメリカの二大政党を対比して論考。
最後まで奴隷制の維持にこだわった民主党から、時を経て初の黒人大統領が生まれたというのも、何か運命的なものを感じさせる。
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民主党と共和党の歴史から、それらの圧力団体も含めて、どのような歴史があったかがわかるような本。基本的な性質、カルチャー、政策についても書いてある。
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民主党や共和党の考え方や気質といったものからアメリカを説明する良書。民主党的映画とか共和党的映画の説明には、「そうなのか!」と膝を打つことうけあいです。
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共和党=人間への不信、民主党=底抜けの楽天性 というキーワードは非常に分かりやすかった。今までのアメリカに対するイメージは主に民主党のカルチャーから受けたものだということが分かった。それはハリウッド映画からの影響が大きく、ハリウッドが民主党カルチャーのものだからだろう。(ただ共和党カルチャーの映画も多くあることが本書でも書かれている)
次はハミルトン・ジャクソニアン などアメリカ政治の4タイプを読んでみよう。
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率直に行って、作者の経歴からはアメリカ政治への深い造詣があるとは思えず、あまり期待はしないが日経プレミアムだしとりあえず読んでみるかという程度の動機で購入した。
しかし読み進めるうちに、今まで複雑で理解しがたいと思っていたアメリカの民主党と共和党のイデオロギーが、少しずつ理解出来るようになって来た。
本としての構成も良かった。現状分析に始まり、歴史的考察が入り、様々な具体的分野に関してのリアルな分析が行われ、最後に少しだけだが日本も含めた提言が行われる。
期待以上の良書だった。
そもそも一般に言う保守とは何か、リベラルとは何か。そして共和党と保守、民主党とリベラルについて、そのイメージと重なる部分と、アメリカに特殊な部分がある。
こうした複雑さもあり、今まで自分はアメリカの民主党と共和党についての知識はほぼ0であった。
この本を読み、そうした点について少し理解が出来た一方で、両党が互いに政権を担当しながら、その方針や支持母体も歴史的に変化していくアメリカ政治のダイナミズムに、改めて驚かされた。
日本の政治にすぐに過激なダイナミズムを求めるのは不可能であるが、政権担当能力のある野党と、国民の政治的
関心の高さは素直に見習うべきであろう。
逆に言えば、政治全体のダイナミズムの無さが国民の関心を失わせているとも考えられる。
安倍首相を中心とする現政権には、長期政権としてダイナミズムある政策を実行し、それに対し国民も高い関心をもって応えていくべきであろうと思う。
余談だか、この本を読んでから見るとハリウッド映画の捉え方が良くも悪くも大きく変わってしまいそうだ。