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おそろし 三島屋変調百物語事始 みんなのレビュー

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みんなのレビュー241件

みんなの評価4.0

評価内訳

236 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

泣ける怪談

2012/06/11 09:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽかぽか - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやー、面白かった。一気に読んでしまった!

5つの怪談が互いに入れ子になりながら織り込まれていて、そのどれもが濃密で面白い。一度も中だるみすることなく、次々と現れる登場人物が主人公のおちかを狂言回しに絡み合って、物語全体を濃厚に味つけしていく。怪談と言っても薄っぺらい現代ホラーでは当然ないし、小泉八雲のような怪談とも、昭和初期の怪奇幻想ものとも違う。どちらかと言えば三遊亭円朝や、夏の夜に落語家が語る怪談に近いように思う。その違いはどこからくるかというと、あとがきにも書かれていたけれど、人情味があるということなのではないだろうか。

もちろん背筋が凍るような恐~い場面も出てくるのだけれど、この本の面白さは、「怪談」というジャンルの面白さというよりも、登場人物一人ひとりが何かを語る度に、まるで自分がその台詞を語っているような気持ちになって、恐がったり、笑ったり、焦れたり、心配したり、泣いたりできる感覚的なところにあるんじゃないかと思う。それはファンタジーだろうが、時代物だろうが関係なくて、昔から面白い映画や演劇や小説に共通するものなのだろうなぁ。いや~、ほんと面白かった~。

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紙の本

真ん中にあるのは人の心。だから、どんな人にもまっすぐに届く

2012/01/30 14:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 宮部みゆきは、ファンタジーからミステリー、時代小説まで幅広い分
野を手がけているが、特に時代小説がいい。巧みな語り口が時代物には
ぴったりなのだ。この「おそろし」についていえば、心理描写、情景描
写が冴え渡っていて本当にすごい。まさに「円熟の境地」である。

 この物語、副題は「三島屋変調百物語事始」。宮部みゆきによる「百
物語」の始まりだ。主人公はおちかという17歳の少女。ある事件をきっ
かけに心を閉ざしている彼女は、江戸の叔父夫婦のもとに身を寄せてい
る。働くことでなんとか自分をごまかし生きているおちか。そんな彼女
を見て叔父の伊兵衛は、様々な「不思議な話」を持ってやってくる客の
話を聞いてくれと頼む。叔父は話を聞かせることで、おちかの心を解き
ほぐそうとしているのか。訪れる客はおちか同様、心に深い闇を持つ者
ばかり。何かを忘れることができず惑い、苦しみ、途方に暮れている彼
らの哀しみの深さが心を打つ。そして、おちか自身も…。連作で5つの
物語が収められているが、大団円となる最後の話がなんともすごい。

 時代小説をあまり読まないという人にも宮部みゆきはおすすめだ。こ
れは時代物であり、ミステリーであり、怪談であるけれど、結局は人情
話なのだ。真ん中にあるのは人の心である。だから、どんな人にもまっ
すぐに届く。ぜひ一読を。続編は「あんじゅう―三島屋変調百物語事続」。


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紙の本

いつの間にか夢中で頁をめくっていました

2009/02/05 19:15

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 江戸の神田三島町の一角に店を構える袋物屋の三島屋。訳あって、その店の主人である叔父夫婦のもとに預けられ、働くことになった十七歳のちかが、店の「黒白の間」で、そこを訪れる人たちの不思議で怪しい話を聞いてゆく。不思議で怪しい、切なさと怖さ、恨みと憎しみ、割り切れぬ思いなどが絡まり合ってゆく。曰く、変調百物語。その聞き手となった主人公のちかが、語り手となる人たちから百物語の話を聞いていくことで、語り手とそこに関わる人たちの呪いを浄化し、それとともに、自らが負った災厄の根っこを見つめ、逃げずに相対してゆくようになるのですね。

 著者の『あかんべえ』と好一対の、健気な少女と幽霊あるいは幽鬼たちが心を触れ合わせ、それぞれに浄化、変容、再生していく物語。第一話「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の話から、「お! これは、読ませるじゃないか」と、話の中に引っ張り込まれ、「凶宅」「邪恋」「魔鏡」と読み進めていくうちに、いつしか夢中で読みふけっていました。とりわけ、「魔鏡」「家鳴り(いえなり)」と続く終盤、物語の第四コーナーの一瀉千里、怒涛の勢いは圧巻。「魔鏡」に出てくる美しい登場人物は、殊に印象強烈。怖かったなあ。上村松園の『焔(ほのお)』という絵に描かれた女性がゆくりなくも思い出されまして、ぞおっとしました。

 愛する心と憎む心、気遣う心と悪意の心、そうした人の思いというのは表裏一体、紙一重のところにあるのだなあと、本書をひもといていくうちに、しみじみ感じ入ってしまいましたねぇ。登場人物の伊兵衛の言う、<何が白で何が黒かということは、実はとても曖昧なのだよ>との言葉が、ことのほか印象深く、忘れられません。
 
 蛇足ながら、「最終話 家鳴り」の中、ある人物が言う「姉さんが来た、姉さんが来た」という台詞のことで。ここはおそらく、著者の敬愛する岡本綺堂『半七捕物帳』の記念すべき第一話「お文(ふみ)の魂」を念頭に置いています。本書をはじめ、宮部さんの江戸時代ものの小説の雰囲気、なかでも怪しの雰囲気には、岡本綺堂の『半七捕物帳』『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)』などの作品に非常に通じるものがあります。未読の方は、そちらもぜひ、お読みになることをおすすめします。

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紙の本

また泣かされてしまいました~

2008/09/22 19:10

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る

どちらかというと宮部さんの書く現代小説よりも時代小説の方が好きなのですが、やはり今回もとても感慨あふれるものに。
ハラハラ涙がこぼれてしまうのを人に見られるのが恥ずかしくて、途中からは一人でこっそり読みました。

百物語として語られる、恐ろしいと言うよりも不思議で少し悲しいお話。
冒頭から一気に引き込まれるというよりも、読み進めるにあたって徐々に心をひきつけるような展開です。
聞き手おちかの悲しい過去を、少しずつ百物語一つずつに散らばめて明かしていくうちに、語り部と聞き手はいつのまにか語り手と自分になっていくような錯覚が。
そして読んでいても「それはしょうがないよ」とつい思ってしまう自分を「あなたって冷たい人ね」と見透かされ、切なくて涙したその涙が独りよがりの涙だと問いかけられ、人間のどうしようもない気持ちを、「仕方ない」と片付けていた気持ちを掘り起こして問いかけられてしまいます。
死んでしまった人よりも、生きている人間の方が「おそろしぃ」そういわれているようです。
しかしそうして人の心を追い詰めながらも、それでも人は前をみて歩き続けることができるとも、同時に教えてくれます。
人間とはなんて罪深くて愛しいものなのでしょう。。。

宮部さんの作品はどれも、なんとなく最後読み終わったときに心惹かれるものが多いのですが、こちらも最後まで読み終わって「ほろ切ない」気持ちになってしまうものでした。


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紙の本

恐ろしいよりも悲しくて落涙

2008/09/21 16:21

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

神田三島町の袋物三島屋に美しい姪が引き取られます。
主人伊兵衛の兄の娘に当たるおちかは、川崎の宿で生まれ育ち
働くのが当たり前の生活を送ってきましたので
三島屋でも女中としてこまごま立ち働きます。

ある日、商売が入った伊兵衛の代わりに
おちかは客人の藤兵衛の昔話を聞くことになります。
おちかに話を聞いてもらった藤兵衛は心おきなく
間もなくこの世を去ります。

そして心に秘めた傷を抱え、一生背負って行こうと決心している
おちかにも、大きな転機をもたらします。

伊兵衛はおちかのために不思議な話を語ってくれる人を募集し
屋敷の「黒白の間」で変わり百物語を始めます。

宮部みゆきの切々とした語り口に乗せられて
ふたつの怪談のあと、おちかの悲劇が語られ
そこにもうひとつ、怪談が加わります。

けれど「怖い」というよりも、どの話も「悲しい」。
それぞれの怪談は趣が違うのに
どこか底辺で繋がっているような気持ちになってきます。

運命のいたずらと人の弱さと尊大さが重なった時に
ふと化け物に魅入られてしまったような話です。
誰もが踏み外してしまうような運命に涙が止まらない。
こういうのがうまいんですよね。

いつもは善人ばかりを描きますが、本書の主人公おちかは普通の人。
これも新鮮味がありました。



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2008/08/03 17:49

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2008/08/17 12:55

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2008/08/20 20:50

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2008/08/24 22:00

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2008/08/27 22:00

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2008/08/31 19:34

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2008/08/28 00:00

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2008/09/01 23:48

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2008/09/17 21:51

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2008/10/06 23:15

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