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川端さんってこんなだったのか…!ってびっくり。全くもって読んだことはなく、「トンネルを抜けると…」のイメージで知った気になってたけど、なんとも妖艶な。。。というかこわいぞ。雰囲気というか、空気感というか、すごく重いよね。現代の小説とはまったくちがうなとおもった。なにこの空気感。こわく、艶かしく、けどところどころぴりっとして。話としてどうか、より、こういう種類の小説があることにはっとする。もっといろいろ読まんと!
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美女は眠っている。まるで生きているようだ(16)眠りながらも生きている(51)死んだように眠る(106)。
女の描写(眠っている姿)が様々な変化があり、よく表現できるなあと感心する。今から50年前は、齢70前でも老と呼ばれるようだ。かかわりのある女⇒妻⇒娘⇒母と、回想されるが、そのきっかけとなるところの想いも偶然思い出すところが現実的なような気がした。生と性と、死と死する願望を持っていても入れ替わることはできない。
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◆My Favorit‼︎ ◆三島由紀夫は『午後の曳航』で「男」を記号(詩)として描いていて、ちょっと悔しく感じたのだけれど、川端はこの作品で「女」を記号(詩)として美しく描き出している。◆眠る少女には、背景も中身もない。そこにあるのはただ、輪郭と存在の芳しい匂いだけ。男はその詩の中に、かつて目合(まぐわ)いし女たちを見いだす。時制、生と死が混沌となる。美しい。◆25点の写真が挿しこまれている。うち、多部未華子16点。キレイ。豊かな黒髪、長い睫毛が物語に艶を加える。