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文体は好きなのに、あまりにも救いがない・・・。しっかり読んでもいないのに否定的な感想を書くわけにも行きませんが、次のページをめくるのが辛くなる話の連続でした。
ひとつ救いなのは被害者の男性の最後の言葉ですが・・・。
ネットするのが怖くなりました。
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ネット社会の暗部が人々の心の中に救う悪魔を呼び起こす。
悪魔(悪意)はダレの心の中にもあるかもしれないが、それを押さえる心もまたあることを信じたい。
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上巻の後半が読んでいて一番盛り上がり、かなり集中して読めた。
途中から、けっこう崇萌えで読んでいたので
結末はもう少し他にあっても…と思ってしまったが。
ちょっと上巻で崇の活躍を期待しすぎたのかな。
現在の犯罪の有り様、犯罪者と被害者、マスメディア、など
今まで多くのミステリ作品などでも描かれてきた現在の社会システムの問題を
さらに容赦なく描いている。救いがない。
平野啓一郎は『日蝕』『一月物語』以降読んでいなかったので、少し遡って読む必要あり。
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読んだ。
普通に考えておもしろいと思うよ。
平野啓一郎が嫌いな人は、欠点を数多くあげることもできるだろうな、とは思う点は
うちも思う。
ただ、原稿の多さはやっぱり売りにはならないと思う。
装丁と、宣伝方法に疑問。
本人がそういう自分が大好きなら、それはそれで疑問。
でもそういう性格がよく出ている人だとは思う。
個性的というのでしょうか。ね。
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これほどまでに救いのない結末にする必要があったのか、きわめて疑問です。文学好きの人はおそらく高い評価を与えるのでしょうけど、ミステリ好きとしては評価できる作品たり得ませんでした。事件そのものよりも、それに関わる人間の内面描写に重きを置いた作品です。ミステリ好きの俺は、哀しい結末と共にそこが評価できません。
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重いテーマでほとんど救いもない。それにもかかわらず上下巻を一気に読み切った。
衝撃的な作品。咀嚼するのに時間がかかりそう。
「手を汚して」読む装幀になっている。そのわけはここに。
http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/
作者の思いはここに。
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/426007/
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現代人の”リアルな”人間模様が描かれていてテレビドラマっぽかった。破壊衝動というのだろうか。大沢真幸による不可能性の時代では、現代はより現実から逃げるよりむしろそれに触れていたいというような願望が人々の中にあるのだと説いていたが、それを具現した作品であると感じた。ここでいう現実とは肉体的な痛みのことである。ある思想によって人を殺すここで登場する悪魔の連鎖は現代のオウム真理教である。気付かないうちに相手を消耗させていたというような村上春樹的な要素も織り込んである。なんか欲張りすぎた小説だ。漢字もよくわからない当て字や漢字にしなくてもいいところを漢字にしてあったのがよくないと思う。
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「人間は、本当に真剣に、
誰がどう見ても絶対に信用するような顔で、
平気で嘘を吐く。」
ほ こ ろ ん で ゆく、完璧なはずの崇の精神。
だけど、決壊の仕方さえも完璧でかっこ悪さを感じない
…頭痛もちのお馬鹿さんには正直きつかったけど
最後まで読めたのは、崇の魅力のお陰やね。
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読み終わって、主人公の兄のほうが自分の未来に思えた。
海で幻覚を見るシーンがつらい。僕の思い入れのある地元の海の情景と重なる。
実際、北九州あたりの近いところに住んでいた。
読んで1,2ヶ月鬱状態が続いて死ぬかと思ったのだった。08年の冬。
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下巻です。ラストは納得いかないが。
絶望ってなんだろう。ネットの怖さをひしひしと。
読むことをすすめるか?いや、すすめません。
厳しい。読むこと、語ることが。
勇気のある人は挑んでください。
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あらゆる人間が、正義や善意をまといながら他の人を傷つける。
そこに例外はない。
そこには加害者も被害者もない。
誰もが無関係ではいられず、誰もが等しく自分だけは違うと信じようとし続ける。
その逃げ場のない現実を救いを求めてさまよい続ける。
結局、救いはあそこにしかないのだろうか?
圧倒的な筆力で描かれた恐ろしい小説。
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この世界は決壊する要因をたくさん持っている。ちょっとした行動で世界を決壊へと扇動していくことは実はあまり難しいことではない。いや、難しいことではない世の中になってしまったのだろう。ただ何をもってそれを食止めることが出来るのか。この作品は一つの答えを提示している。
意識していないだけで、実は見えているのに見て見ぬ振りしていることがたくさんあるなと思った。こういう小説を読むと、世界で生きていくことがなんとも困難であることを思い知らされる。
読者をこのような疑念に満ちた世界に誘う技巧は秀逸で、やっぱり読者を試している感が否めなかった。
「作品は、終ったよ。どう?君はこのレベルに達してる?」みたいな。こんな読後感(まぁ、読書中もだけど)はじめてだった。
崇という人物が前半とても魅力的な人間に感じていただけに徐々に決壊してしまうのが悲しかった。
全体を通して現実に起きた事象や、人物、名前を使わないにしても明らかにモデルが浮かぶことなどがやや気になった。純ノンフィクションで描いて欲しかった。
めちゃくちゃ広い幅を持った小説だったが最終的に物凄く小さな点で終えてしまったことがちょっとがっかり。
終わりのほうの数ページの意図を汲み取るのは難しい。
世界を見定める基準としても読んでおきたい一冊である。
(2009.02.02)
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上巻での伏線がここで一気にタイトルの如く、「決壊」します。
ただ、やっぱり、重い言葉でつづられて、最後の最後までそれは続きます。
読了後の感想としては、ここの話は、「現代の罪と罰」みたいな、そんなかっこいい言葉でまとめられるわけではないのですが、でも、まとめるなら、そんな感じ。
そして、この話は誰一人として噛み合った話をしないところがネックです。現代の意思疎通というのは、言葉だけでは足りないかもしれないが、時として言葉は武器になり人を傷つける。
なんか、この本を読んでからすべての本が軽く見えるようになった。
だけど、この本は一回読んだだけでは回収できない「何か」がある。
その意味的なものは探っていきたい。
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動き出して、上巻ほどは読み難くない。罪を憎んで人を憎まず、を負に突き詰めると究極でこうなるのか。でも壊れるのは結局は人だ。
周囲のエピソードが書き散らされたままのものが多い。主張したいことを書けば、その後の人物には興味ないのだな。この小説の構造そのままだ。それとも連載時に枚数制限があったのかな?
結末直前の黒いスポーツバッグって何か前に出てた?
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考えさせられる。
加害者-被害者のありかたは難しい。それに対する周りのスタンスも含め。なんかうまくいえないけどもやもやした。