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「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム みんなのレビュー

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45 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「生きづらさ」を抱えた全ての方に、一読をお勧めしたい一冊

2008/08/16 15:27

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『「生きづらさ」について』は読み応えのある部分、考えさせれる部分がたっぷり詰まっていて、なんともお買い得な本でありました。
たとえば、雨宮処凛さんによって提出される次の問い(97頁)。

《自己責任にいくのと、ナショナリズムにいくのと、どっちがマシですかね(笑)。》

(笑)が付けられてはいるものの、大変に重い問いかけです。

「『自己責任』という万能呪文」の重圧を個人で全て引き受けさせられ、過労死・自殺・餓死に追い込まれるか。
あるいは「ネットウヨク」といわれるような過激なナショナリストになるか。
どちらがいいのか?
極端にいえば、こういうことだと思います。

これに対して「左翼」を自認する萱野稔人さん(津田塾大学准教授)は明確に答えます(98頁)。

《僕はナショナリズムにいくほうが断然いいと思います。》

経済的・精神的に追い込まれ「死」に向かわせるような「自己責任」よりは、生存の可能性が高いであろう「ナショナリズム」のほうがずっとマシ。
こういった答えをきっぱりとだす萱野稔人さんに信頼感を抱きました。
「イデオロギー」やら「思想」やらに従って、若者の「ネットウヨク」的な生き方を頭から否定し、彼(女)らの生存への渇望を「見て見ぬ振り」するような年長左翼には強烈な不信感を覚える。
しかし、萱野稔人さんの「左翼」としての在り方はいい、と思いました。

雨宮処凛さんは「思想」について次のように発言しています(107-108頁)。

《生き延びるためだったら思想でも何でも使いまくればいい》

《だって、人が生きていくために役に立たなきゃ、思想なんて何の意味もないじゃないですか。》

まったく、その通りだと思います。
イデオロギーや思想は、本来はひとりひとりの人間を幸せにし、社会を豊かにするためにあるはずです。
けれども現実にはイデオロギーや思想の違いから人間同士がいがみ合いをし、排除し合い、最悪の場合は殺し合いまでしている。
まったくもって本末転倒と言わざるを得ません。

雨宮処凛さんは「私は頭は悪いけど、カンはいいと思っていて」と発言されていますが・・・(113頁)。
どこから見ても立派な思想家ではないでしょうか。
生き延びるための思想。
人を幸せにする思想。
社会を豊かにする思想。
雨宮処凛さんと萱野稔人さんは、こういった思想に真摯に取り組む思想家なのだと思います。

『「生きづらさ」について』は大変な良書でありました。
「生きづらさ」を抱えた全ての方に、一読をお勧めしたい一冊です。

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紙の本

人間扱いされない労働現場、このままでいいはずがない!

2008/08/10 13:15

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 貧困と格差、ワーキングプア、ネットカフェ難民、などなど、「貧困」問題が社会的問題としてクローズアップされているが、いったいどれだけの人がこの問題を真剣に考えているのだろうか。『蟹工船』ブームが起こるほどの社会現象をどれだけの人が受け止めているのだろうか。
 残念ながら、まだまだ現在の「貧困」問題を身近に感じ、人間としてこのままではいけないと、心の底から怒りをもって感じている人は私の身近では少ない。徐々に増えているから、これからもっと焦点になっていくと確信しているが。

 かつて「生きがたい若者の声に耳を傾けることが必要だ」という趣旨のことを書いたら、「どうして耳を傾けなければならないのか」を問われた。それはそれでもいいと思うのだが、私の中には釈然としないものがあった。
 私は、いま本当に彼女ら、彼らの実態を聞いて欲しいと思う。だけど、それには理由が必要なのだというのは正直驚いた。私は、やっぱり私の言葉ではなく、彼女、彼らの声を聞いて欲しいと思う。その思いが強かったせいで、妙な気持ちになったのかもしれない。

 本書は、著者の体験や、著者たちが彼女ら、彼らの声を代弁し、なぜ今日のような状況になっているのかを具体的な事例にもふれながら語っている。正規労働者と非正規労働者の間には「壁」があることも、なぜそのような「壁」があるのかも率直に語っている。
 まずは、彼女ら、彼らの声を聞いて欲しい。私はそのことから始まると確信しいる。なぜなら、「貧困」「生きづらさ」は、当事者の声を聞くことからしか、本当にその痛みを聞き取るのは難しいからだ。

 人間が生きること。その生きることが「生きづらい」と言わしめる社会を知るためにも、まずは聞くことからはじめよう。きっと、伝わることがあると私は思う。そこから始まることがあると確信する。
 そんな彼女ら、彼らの実態と声を本書から聞き取って欲しい。そう願わずにはいられない。

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紙の本

生きづらき世を変えるために

2009/05/22 20:43

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「生きづらさ」は、つねに二つのレベルで生じるのだという。物質的(経済)なレベルとアイデンティティのレベルだ。両者は重なり合う部分もある。

物質的なレベルでは、お決まりないい方だが、セーフティネットをきっちり張って「ネットカフェ難民」などはださないようにするべきということになる。
人間というもの、あらゆる不安からは完全に逃れることはできないとしても、低所得者でもそこそこ不安すくなく暮らしていける社会になっていれば、多少格差があったっていいのである。

そういった社会のためのほんの一案であるが、高速道路の休日値下げはやめるか、その分を公共交通機関に振り向けたほうがいい(当然、高速道路無料化案には反対)。新たな高速道路や交通量のすくない大型道路を造るだけの原資があるのなら、それを社会保障に回したほうがいい。
公営住宅の拡充も見直されていい。そこそこの広さと機能をもった住宅を、リーズナブルな家賃で提供するのである。
麻生氏の「中福祉」や鳩山氏の「友愛」は、さらに中味を充実してほしいものだ。

アイデンティティのレベルについては、自己責任とナショナリズムのどちらを選択するかという話が出てくる。だが、私も「生きづらさ」を抱えているが、この二つしか選択肢がないとは思わない。
現代人は「重層的なアイデンティティ」のなかで、葛藤しながら折りあいをつけて判断し行動している。たとえば「国益優先主義」的な主張をするのをナショナリズムと規定すると、「地球温暖化問題」には協力しないほうがいいという考えもありうるだろう。
しかし、国際社会の一員や地球生命圏の一員という帰属意識をももつなら、国益優先の主張は完全に引っこめないまでも、おおきく弱めるという態度が選択肢になりうる。また、なにをもって「国益」とするかという問題でもあるが、「地球温暖化問題」に率先して取りくむほうが、めぐりめぐって「国益」に資することになるかもしれない。

アイデンティティ以前のというか、人権の問題とからむのだが、「人としての尊厳」ですら承認されないということがある。人権や尊厳は、「非正規」だろうが「正規」だろうが、右だろうが左だろうが、メンヘラーだろうがとそうでなかろうが、働いていようがいなかろうが、等しくあるものだということを追求していくようにしたい。
たとえば、引っ越し業務の最中、アルバイトが客と話さないように命令され、スタンガンで脅されながら仕事をさせられた話が出てくる。ほかにも酷い話はいくらもある。とんでもないことで、個人でなんとかするという段階ではないものが多い。
まずは、連帯していくということは大事だろう。雨宮氏はそのためのブリッジとして、「勘のいいカナリア」として活躍されている。そして、「政治」がやれることはたくさんあるはずだ。

厚生労働省の分離案が内閣で取りざたされている。基本的には賛成で、名称は「国民生活省?」になってしまうのかもしれないが、労働省を独立させるのはいいと思う。ただし、分離するだけではダメだ。いわゆる「労働Gメン」についてだが、一線で働いている人はたったの2000人ほどしかおらず、人員不足だ。警察官並みにしろとはいわないが、一桁ふやしていいと思う。

本書を読んで、そういったことを考えさせられたし、蟷螂の斧ではあるが、市民のひとりとして提言していきたいと思う。

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2008/07/29 00:56

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2008/08/10 23:59

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2008/09/01 21:57

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2010/09/15 20:20

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