紙の本
医療崩壊医師不足の改善策はあるのだろうか
2008/10/10 13:46
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:筑波太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
格差社会の歪みや、度重なる医療改革が引き起こした結果、医療崩壊を早めてしまった。国民皆保険が揺らぎだした現実を、立て直すのは容易ではないだろう。国政、医療関係、我々患者が三位一体とならなければ、いくら治療を早めても回復は困難。医療崩壊は車輪のように坂道をころがりだした、果たして改革は間に合うのだろうか。
医師や専門医が整っている有名病院でも、平等医療が狂いだしてきている。お金持や貧乏人などと、縦割りを持たない医療を重要視していた現場が、少しずつ衣替えを始めた。もしも、緊急を要する患者が身内であったらいかばかりだろう。背筋が凍る思いになったのは私だけだろうか。
「人間の命は永遠ではない、そんなに長生きしたくない」といってる人でも、死に直面したら生を求めてしまう。それは人間がもつ性かもしれない。だからこそ生死の境をさまよう事態に陥ると、医師とも対峙する。必死の度合いが強ければ担当医にでさえ、ある種の不寛容が頭を持ち上げてしまい、医療現場そのものの過信から、少しのミスも許さない。「どんな病気でも治せないのはおかしい。病状が悪化するのは医者の腕が悪いせいだ」と、家族はまくしたてる。さらに、メディアまでもが世論重視の視点から、「医療事故はすべて病院や医師、看護師に責任」があると追及する。もちろん今の医療の仕組みには多くの問題点もあることは事実だが、医療崩壊の原因の一端は患者側も担っている。
医療行政の迷走が生んだ歪みが広がりだした。医療費が支払えない弱者、介護施設や病院を追い出される高齢者、「過剰労働でダウン寸前の勤務医たち」。現今の医療現場は悲鳴を上げ、平等医療の崩壊を止められない。弱者を救え、医療を救え、声を大にして叫ぼう。
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2008/8
医療改革という名づけられた政策が行なわれるたびに、医療の現場がどんどん崩壊している。医師の待遇が悪化すればするほど、医療の現場の崩壊という負のスパイラルが進行していく。これからの日本の医療界が二極化してしまうと警鐘を鳴らしている。
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(2008/8/17読了)内容云々以前の問題として。久しぶりに読みにくい・論旨が一向につかめない本でした・・・。これで小説やエッセイを書いてる著述家だって?
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度重なる医療制度改革によって、日本の医療は歪みはじめ、もはや平等医療は崩壊している。医者不足、過剰労働の勤務医、追い出される弱者など現場の実態をレポートし、医者側と患者側の双方に生じる課題を克明に語る。
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[ 内容 ]
度重なる医療制度改革によって、日本の医療は歪みはじめ、もはや平等医療は崩壊している。
医者不足、過剰労働の勤務医、追い出される弱者など現場の実態をレポートし、医者側と患者側の双方に生じる課題を克明に語る。
医療行政の迷走により、日本の医療が歪みはじめている。
診察費が支払えない弱者、介護施設から追い出される高齢者、過剰労働でダウン寸前の勤務医たち。
もはや現今の日本では平等医療が崩壊した。
悲鳴をあげる現場の実態をレポートし、医者側と患者側の双方に生じている課題を克明に語る。
[ 目次 ]
第1章 特定健診なんかいらない
第2章 平等医療の崩壊
第3章 なぜ製薬会社だけが儲かるのか
第4章 変わりはじめた医療現場
第5章 追い出される患者たち
第6章 医者の収入格差
第7章 開業医の厳しい現状
第8章 日本の医療に明日はないのか
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『診察費が支払えない弱者、介護施設から追い出される高齢者、過剰労働でダウン寸前の勤務医たち。もはや現今の日本では平等医療が崩壊した。』ここに書かれていることがもし現実なら恐ろしい話ですね。
ここまで医療問題が崩壊しているとは思いませんでした。前にここでも紹介した『貧困大国アメリカ』で医療の現場を特集した章を読んだことがありますが、一部の富裕層だけが最新の医療を受けることができて、あとの大多数は最低限の医療すら受けることができないそんな時代が日本でもこれから起こりうるかもしれません。いや、もうすでに起こっているのかもしれません。
制度も瓦解しつつある中で、現場で働く医師たちの勤務実態もこれまた過酷で、特に30~40代の勤務医としては中堅どころの医師たちの負担がすさまじく、もちろん、普通の人たちに比べて高収入ではあっても、商社などに勤めている高校、大学の同期と水をあけられていると言う現実が紹介されていて、それで、過酷な業務に疲れ果てた勤務医が開業医になってしまう、でも昔ほどには『旨み』はないのだと、そんなことも書かれていましたね。
『医者になれば一生カネには困らない』とまことしやかにささやかれていたときがありましたが、そうとも限らない時代になってきたんだなぁ、そんなことを読んでいて感じました。
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診察費が支払えない弱者、介護施設から追い出される高齢者、メタボ検診のからくりとその将来的な悪影響、経営が成り立たないように出来ている介護業界、利潤追求に走るアメリカの病院チェーン、フリーター医者の増加etc...
行政、経営、高齢化、利権、いろんな側面で問題がありすぎてスパゲティ状態。
迷走した医療行政がますます現場を歪ませているというのが一貫して唱えられている。けど全体を見渡せて舵をとれる人っているんだろうか。
読み終わっても「あーなんて難しい問題なんだー」と考えることを放棄してしまう(´Д` )
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日本の医療の問題点を上げているのだが、今ひとつ主張に腰が座っていないので、何を言いたいのかが分かりづらい。
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https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480064370/