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不思議電波さんのお話。電波さんってイタいよねっていうお話なのに、不思議とむず痒さは生じない。ラノベ愛読者の自分も脳内厨二病だからなのか、著者の文章力の為せる技なのか。おそらく、主人公が最後まで一般人であり続けたからだと思う。
佐藤一郎の高校デビューは、脆くも崩れ去る。夜中の学校、教科書を取りに行った一郎は、一際激しいオーラを発する魔女と出会う。異世界めいた発言の多い魔女は、何てことはない不登校のクラスメイトだった。普通の高校生を渇望していた一郎には、彼女を中心に妄想戦士たちが集まってくる。日常を守るために、妄想戦士の最後の闘いが始まる。
夜の魔法は人間の不思議適応力を数倍に引き上げる。宇宙人やUMAや魔法使いや異世界人や、昼間絶対に信じないものでも、夜の闇の中ではちょっとくらいいいか、と気を緩めてしまう。一郎が青の魔女に出会い、不思議理解度を示したのもやむを得ないことだと思う。
電波さんとか厨二病とか端から見るとイタいだけだが、様々な設定を駆使してヒーローを演じきっている姿に感嘆する。ノート十冊分も設定を考えられるのなら、素直にシナリオライターにでもなれるのではないかと…外観はひどくても、頭の中は凄いことになっている、それが電波さんだと感じた。
妄想は電波(伝播)する。これだけ想像力(というか妄想力)豊かな仲間たちが入れば、もっと世界は楽しくなるんじゃないか。少なくともクラス内のいじめや階級制度やグループ同士の対立や勉強、恋愛の悩みなんて取り留めもない小さなことと思えることだろう。
一般人グループと妄想戦士グループ、クラスを半分に分かつ勢力争いも妄想力豊かな戦士たちに駆逐されていく。本書を読み切った時には、妄想世界もいいかもという幸福感に包まれている。
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スゴイ面白かったw
読みながらずっとゲラゲラしてたw
厨二病を患いつつ、自己分析しつつ、クラスの半分から好かれ、っていう情景が超ウケるw
どんどんカオスになって行って楽しかったww
この作者面白すぎるw
1点、古ゲーにされてしまったのが地味にショックでした(笑)
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なんだか、とてもイタイ話。
いや、面白いことは面白いんだけれど、ぶっちゃけ、いじめにあう厨二病の話ですからね。(^^;
主人公とヒロインの個人的なオチは良かったんだけれど、その他のオチのやっつけ感がなんだかなぁ。
もちろん、そんなに難しいことを考えないで読めばいいんでしょうけどね。(^^;
しかし、これをアニメ化したか。観たくは無いな。(^^;
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軽妙な文章、ノリのいい文章、韻を踏んだ文章で結構ハードな作中名称ドリームソルジャー、今風に言うと邪気眼系の中二病とそれに対する反応を見せてくれる。
致命的にギリギリ届かない痛さとほのかな支え、救いのあるラストがとてもよい塩梅
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アニメ『中二病でも恋がしたい』と設定が似てるなぁと思いながら田中ロミオ作品初読破。
ジャンル的には学園ラブコメとファンタジーを少々。誰もが通るであろう多感な妄想まみれの時期の描写に少なからず共感を覚えるところ。
クラス内のヒエラルキーやスクールカーストの話は生々しいけど読みやすい文章で良かったです。
『俺ガイル』の原点とも言うべきこの作品、気になる方は是非。
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『中二病でも恋がしたい!』がこの作品のパクリってのはわりとよく聞くんだがでも似てるのってあくまでも表面的なモノだけやんなと、兎にも角にもいちいち痛々しくて実に読むのがしんどかったことであるよ。
でもまなんだかんだでハッピーエンドだし面白いことは面白かったです。
それにつけてもどりせん半端ねえ。
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ちょっと前にWOWOWで映画版を観て、
これは原作を読まねばと思った。
例え中二病ではなくても、人間一度や二度は
やっちまったなぁ、っていう経験があるはず。
とんでもなくセンス悪い格好で街を歩いていたとか
憧れのアイドル、キャラクターの真似をしていたりだとか
あとで思い返して赤面してしまうような経験が;
誰しもあるはずなのだ。
(力説……決して自分がそうだったわけではない(白目))
そんな一種独特の憧れを
いじめに変えられてしまった少年少女の
苦しみと葛藤と昇華の物語。
数少ない中身を伴ったライトノベルです。
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よくあるラノベに対する強烈なアンチテーゼを作品全体から感じた。それでいてそれに固執する事無く軽妙なテンポで表現され、バランスの取れた作品になっていたと思う。
ようやっとの事で高校デビューを果たした高校生が青い魔女と出会い、不条理にも様々な騒動に巻き込まれて行くといってしまえば簡単な物語。この作品の肝と呼ぶ部分は、その不条理さと青少年が抱いてしまう非日常への憧れが組み合わさってにっちもさっちもいかない内容になっている。読んでいる最中何度悶え苦しんでしまったことか……
冷静に考えればこの作品で描かれていることはほとんど有り得ない事だろう。それども、『ありえない』という認識が、ある意味この作品を読む上で最も大切な意識になるのではないだろうか。
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読みやすいし面白い。
妄想戦士たちの言動には痛々しくてハラハラする。
でも、そういうものに逃げる気持ちもわかる。
ヒロインの救済は主人公の救済なんだよ、多分。
中二恋に似てる気がするけど、
こっちが先だったんだよなぁ。
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#「魔竜院光牙最後の闘い〜新たなる闘い〜」にむせるほど笑う。傑作注意。
#フェルディナン・シュヴァルとヘンリー・ダーガーがもしクラスメイトだったら、やっぱり互いの設定を喰い合っただろうか? それとも互いの存在を識別することすらなかっただろうか? シュヴァルを含む「先輩」たちの姿をまとって提示されるいくつかの回答の中に、久米のおまじないが街限定のARGになる挿話が入っているのが優しい。『蓬莱学園の初恋!』(1991)のアップデート版なので、おしどり夫婦の前世が気になる人は、そちらも探して読むといいと思うよ。
(2009/10/06)
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僕自身はこういう逃避をしたことは無いけどw、でもクラス内の派閥とか、そういえば気が付いたらモブキャラみたいなやつばっかり集まってたなぁとか感傷にひたりつつ読む。気を抜いてると本当には彼女は魔女で主人公が知らないだけでは…とか思い始めるけど、でもそんなこともなく、あくまでも現実。現実見なきゃ!エピローグはその前に盛り上げすぎて現実感なくなっちゃったことに対して作者自身から皮肉的な意味でかいたのかなーとも思った。絵もかわいいし良作!
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丸戸史明が新刊で現代的な許されるオタク像を描いた一方、許されないオタク像の内面を描いた良作がこちら。ライトノベルの枠に合わせた軽妙なコメディから中二病患者の内面に迫るシリアス展開に至る展開はさすが。いまどき珍しい1巻完結型でキャラ、ストーリーともに出し切ってるところも、昨今の引き伸ばし展開と逆をいってて好感がもてる。ただ映画化するには演出に不足がある気もするが…。その辺は良改変に期待しよう。"中二病"がわからない人にはオススメできないが、どっぷりハマってる人には憑き物落としの一冊ともなりえる良作。
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数々の国宝級18禁ゲームを世に送り出してきた伝説的シナリオライター・田中ロミオ氏が手がける学園コメディ。かつて誇大妄想癖を患っていた高校生・佐藤一郎はひょんなことから《リサーチャー》を自称するクラスメート良子によって《竜端子》捜索の協力者に任命されるが……という話。妄想戦士(いわゆる中二病)をテーマとした作品であり、作中で描かれるような痛々しい黒歴史を持たない読者には主人公の葛藤が伝わりにくいかもしれない。尚、本作は類似の主題を扱った『厨二病でも恋がしたい!』以前に出版されている。中二病コメディの先駆け的作品といって良いだろう。
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前半は、ひたすら苦痛というか、我慢
クラス内の、いわゆる中ニな人たちに絡まれるけど、どうにか関わるまいとする主人公
平凡、できたら、リア充目指して、無理して背伸びする主人公
そのためか、文章が固い
固いというか、砂を噛むような感じで、面白みがあまりない
そして、起きるクラス内対立(というより迫害?)
中二対リア充とそれに連なる面々
そこからの急展開が面白い
今まで面白みに欠けていたのに、急にスピーディーに、生き生きしたような、そんな文章に
伏線の回収もキッチリされているし、終盤の熱さは、予想していてものまれた
あと、主人公の年齢(ハマったものとか)が割と近く感じたのも、似たようなこと考えたことがあったのも、面白かった原因かも
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全1巻。
異端を陰湿に排除する者達の嫌らしさを書きつつ、普通を拒否して周りなどどうでもいい者達のイタさを描いた作品。登場人物皆んなが歪んでいる。聖人っぽい小鳩もどこか病んでいそうな…今の学校ってみんなこんなんなのかな?だったら嫌だな。
佐藤良子を可愛いがる三年女子尊い。名前も無い別のクラスのまじないを教えてくれた女子がなんか良い感じ。