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柳田国男入門 みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.8

評価内訳

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6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

借りた本を返すこと。

2008/09/17 19:07

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る

 随分昔の話だが、古本屋にツケを溜めたことを自慢げに、話す人物に出会ったことがある。若気の至り、そういうものか、とその時は聞き流していたが。今本書を読み終えて、無性に腹が立ってきた。本好きなら、本代は溜めてはいけないし、借りた本は返さねばならぬ。溜めざるを得ない時、返し得ない時は、じっと恥じつつ溜めるのが筋である。市井の書肆や図書館へのそんな甘えが積み重なって、多くの大事なものが失われてきたのではないか。新刊書店の店頭で押し合いへしあい。マンガの立ち読みに熱中する子ども達とか。埃だらけの古本屋とか。
とはいえ、この本も借り物。大きな事は言えないが。
 本書が『柳田国男の民俗学』への入門書というには手強い一冊であることは否めない。少なくとも「常民」、「重出立証法」などの語になじみがあるか、悩まされたことがある方でないと。どうも、「民俗学」には不幸でこわい、「生活苦」のイメージがあって。
 それもまた「民俗学」の枠で柳田国男を考える時の罠かもしれない。本書の書名が『柳田国男入門』であり。『柳田民俗学入門』ではないことの意味が、ここにあるとも言える。
 明治八年に兵庫の松岡家に生まれ、明治、大正、昭和、戦中、戦後、と文学青年、少壮農政官僚、折口信夫と並び立つ日本民俗学の創始者、育成者、保護者と、一筋縄では行かぬ経歴の持ち主である、柳田国男。本書は、「いま、ここにある」民俗学にとらわれることなく、二〇世紀日本の一思想家としての彼を捉え直す、「入門」書と呼び得る。
 第一章「『遠野物語』再考」、において今西錦司氏、桑原武夫氏、周作人氏(魯迅の弟:日中戦争期の「対日協力」(民俗学への貢献を含む)により、戦後「漢奸」扱いを受ける)、三氏それぞれによる『遠野物語』の読解とそこから生み出されたもの(今西氏の場合、狼・猿の生態研究において)を確認。
 第二章 「家」、において。柳田と中野重治氏との交流から、中野氏における「家」(かつて、吉本隆明氏、柄谷行人氏が「文学と政治」:「転向」を論じる際の「テコの支点」だった論点である)、井伏鱒二氏の「へんろう(遍路)宿」、そして草創期日本資本主義の第一人者、渋沢栄一氏から渋沢敬三氏(澁澤龍彦氏を含む系譜でもある)に至る、渋沢「家」を見つめる。
 第三章、「民俗学が生む<方法>について」において見いだされる、柳田民俗学の「方法」と柳田「思想」の方法論の乖離。その一方で、屋久島に立った梅棹忠夫氏(国立民族学博物館、創始者)、あるいは、借りた漁業関係などの古文書を生かせぬまま、数十年の時を経て。持ち主の方々に長年返却して歩いた網野善彦氏(この行脚については『古文書返却の旅』(網野善彦著、中公新書)に詳述されているようだ)によって、より広い地平で柳田の「方法意識」が継承されていった様を描き出している。
 第四章「思想への態度」において。特に戦時体制下における、柳田にとっての人間の「軸」とは何だったのか。彼にとって何が「人間として軸がブレ」ていると映ったのか、が「アジア民俗学」という語をめぐる攻防を舞台に語られる。第五章「生活から生まれる論理」で活写される、中野重治と柳田が、ともに「日本語」に要求した「条件」とは。
 第六章「「モヤヒ」の思考」で再確認される、戦時下の「日本民俗学」そのものを支えた「モヤヒ」の機能。第七章「座談が捉えた思想像」における、柳田とその「否定的媒介」そのものとして立ち現れる竹内好氏(中国学)、第八章「漂泊と現代」でデラシネ(故郷喪失者)として柳田と連なっていく、五木寛之氏をはじめとする「引き揚げ者」たち。 
読後、本書ではじめて知る諸論点で、もう満腹である。
 やはり。民俗学はこわい。
 とはいえ。やっぱり。よろしければ。四~七章を絞って、叙述をぐっと増した、濃い「おかわり」が「もう一杯こわい」。

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柳田國男について

2021/09/18 11:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る

柳田國男の活動について戦前、戦中、戦後と語られていてどういう人たちと関わっていたのかがおもしろかった。

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2010/06/15 00:12

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2010/07/14 06:47

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2016/10/06 14:48

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2017/10/28 15:34

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