紙の本
シリーズとして楽しんだので★四つ。でも、単独の作品として読んだら★三つ半かな。収穫は朝比奈ひかり、そういっていいでしょう。コミックスにしても楽しめます。
2009/01/20 20:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、読んで一番面白い作家といえば、桜庭一樹と海堂尊じゃないか、って思うんです、私。無論、舞城王太郎も古川日出男も伊坂幸太郎も好きですよ。でも、誰もが楽しめる、っていう点に絞れば、現時点では桜庭と海堂の二人に敵う人はいないんじゃないか、そう思うんです、私。
でも、このタイトルは予想外でした。しかもこのカバーです、見てください、どうやってもイラストです。でも本には、デザイン 泉沢光雄、カバー写真 Jane Stockman/gettyimages てあります。げ、これって写真?それにしても古臭い、っていうかバタ臭いデザイン。
同じ人気作家でも桜庭に比べて海堂はブックデザインに恵まれないなあ、良かった、っていうか及第点と言えるのは『ブラックペアン』と『医学の卵』の二冊だけじゃん。ま、これはデザイン担当の泉沢のせいだけとはいえないでしょうね。彼が光文社の本ではもっとキレのいい仕事してますもの。やっぱり出版社の体質かなあ。勿体無いなあ、これが一連の東城大医学部と帝華大医学部のシリーズというのがすぐ分かるものだったら、もっと売れたのに・・・
初出は、オール讀物 2007年8月号、10月号、12月号、2008年2月号、4月号~8月号。全十六章の構成です。とりあえず文春のHPから内容紹介をコピペすれば
東城大の虎・速水と、帝華大の伏龍・清川がまだ医学生で剣道部員だったバブルの頃。2人のあいだに医鷲旗をめぐる伝説の闘いがあった
1988年、バブル真っ盛りの頃。いずれ医療の世界で悪戦苦闘する医学生も最初は医学の素人で、普通の大学生のようにサークル活動に部活に励んでいた、そんな時代。医学部剣道部の象徴的大会、医鷲旗の覇者は外科の世界で大成するという言い伝えがあった。その医鷲旗をめぐり、桜宮・東城大剣道部の猛虎・速水晃一と天下の官僚養成大学、東京・帝華大の臥龍・清川吾郎による伝説の闘いが繰り広げられる。
『チーム・バチスタの栄光』から続くお馴染みの面々が、メスの代わりに竹刀(しない)で鎬(しのぎ)を削る著者初の青春小説登場です。(SY)
となります。中身についてはこれで充分でしょう。一種のスポ根ものですが、レベル的にいえば三浦しをん『風が吹いている』、或は森絵都『ダイブ!!』には及びません。剣道、というところだけとっても高橋三千綱『青い空』に負けています。ただし、登場する人物たちの知名度(なんか変ですが)では、互角以上の健闘ぶりでしょう。
登場人物を大学別に紹介します。彼らが医学部剣道部の象徴的大会、医鷲旗大会で優勝旗である医鷲旗を巡って競い合います。
(東城大:総勢五名でしたが、前園が引退し、新入生の長村、清川が入ることでギリギリ大会出場枠をクリアしています。)
速水晃一:虎のように威圧し、王のように君臨する剣を使うことから、東城大医学部剣道部の猛虎といわれます。剣の道をまっすぐに追求する男で、東城大医学部剣道部主将で四年生、22歳。外科の成績だけ図抜けている男です。勿論、あのお話の主人公です。
小谷:副主将、三年生。
鈴木:二年生。
河井:二年生。
前園:医学部六年生ということで引退をする25歳の長老生徒。彼と速水の存在が東城大の剣道部を強くしたといえるでしょう。年齢ゆえに、あだなが、ご老体。
長村:中学の時剣道をやっていたというだけあって、上級生の座を脅かしす一年生です。
清川志郎:吾郎の弟で東城大の一年生。兄に似て軽い剣を使いますが、速度だけをみれば兄を凌駕しています。ただし、脆さをもつ、というのがミソです。
(帝華大:総勢17名ですが、医学部の部員は7名です。)
清川吾郎:あり余る才能を持ちながら、それゆえにその世界を疎んじている小手を得意とする奸雄で帝華大医学部剣道部の伏龍と呼ばれます。一生懸命、とか努力という言葉や汗が大嫌い。天才は努力しないくても天才、だと思っている節があります。医鷲旗大会でたった一度敗れたことがあり、そのときの相手が速水です。
新保主将:昨年、大会で前園に敗れている。
今井副主将:存在感ありません。
坂部:吾郎と同期の主将候補。
塚本女責:吾郎と同期で女子部責任者で、吾郎を信じています。
朝比奈ひかり:薬学部の一年生で、マネージャー希望の小柄な少女風の学生。薬殿院という寺の住職である祖父から手ほどきを受けた不思議な剣を使いますが、決して竹刀を取ろうとはしません。本のタイトルは彼女にちなみます。私は彼女と速水が結ばれると思っていたんですが・・・
(極北大)
水沢栄治:インハイ経験者で昨年の医鷲旗大会の覇者、極北大の業師と呼ばれます。
(崇徳館大)
天童隆:実力者の誉れ高い崇徳館大の暴れん坊。剛剣の使い手。
(東城大・帝華大)
高階顧問:あだなは阿修羅。帝華大学では、外科学教室の輝ける新星とも呼ばれる剣道の達人。10年前に医鷲旗大会で優勝し医鷲旗を帝華大学にもたらした30過ぎの男で、半年前に米国から帝華大に戻り、剣道部の顧問をしていたが春から東城大佐伯外科に招聘されました。「こうもり」のような動きをします。
面白いんですが、シリーズの一冊でなかったら、ここまで評価されたかどうか。ちなみに私は映画『ピンポン』のことを何度も思い浮かべました。この本に関しては悪い意味ではありませんが、小説よりはコミックスに近いかも・・・
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栄光の剣、というより、むしろ、ひかりちゃんの剣、といった印象が強い。
「あの獲物、欲しいです」剣士ひかりちゃん、格好良すぎ。雪豹(自称)清川兄、塩過ぎ。中高生だったらまだしも、成人男子がこの思考回路。この一人称。「ジーン・ワルツ」でのスカした二枚目面との相乗効果で、破壊力は抜群です。
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1988年のバブル景気真っ盛りの頃の医科学生体育大会が年一回開催されていた
剣道部は医鷲旗をめぐり剣に全てをかけていた
東城大学医学部の猛虎・速水晃一と
帝華大医学部の伏龍・清川吾郎は互いに覇権を争った
速水晃一は「ジェネラルルージュの凱旋」
清川吾郎は「ジーンワルツ」に登場していた
このお話はブラックペアンとリンクしていて
同じ場面で田口先生も出てきました
このリンクが海堂先生の描く本の醍醐味ですね
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『ブラックペアン1988』と対になる作品。
『ブラックペアン』が医療のシリアスな面を描いた作品なら、こちらはこれから医療界に参入する予定の、けど、まだ医療の事よりも自分の事の方が大事な学生達を描いた作品。
かたや、将来の救急外科の救世主、速水医師。
かたや、産婦人科の分野でのエース、清川医師。
その二人が学生時代剣道を通じてこんなに熱いバトルを繰り広げていたんだ、というお話。
もちろん、高階先生も重要人物です。
海堂さんのいろんな作品を読むにつれ、高階先生って何者だ?と恐れを抱く。
彼の頭の中はいったいどんな構造になっているんだろう。
速水先生に赤が似合う理由もちょっぴり分かりました。
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時代はブラックぺアンと同じ。
腹黒タヌ……じゃない、高階先生が帝華大から東城大へと転勤してきたとき。
メインとしてはジーン・ワルツの清川先生と我らがジェネラル・速水先生が大学生の時の話。
今回は彼らの剣道部時代の話。
まずは清川先生。
あれ?こんなに怠けが全面に出ていましたっけ?プレイボーイな感じは素敵ですけど。「なんでもできる」人だからこそ、本気になれない。でも……と話は進んでいきます。
春木としてはジーン・ワルツの時の方が好きかも。
で、速水先生。
もちろん授業はサボりです(笑)グッチーもね。真面目なのは島津ですもの。
そんな素敵な彼だけど、こっちは清川に比べて生真面目。
フェイクとか向かないタイプ。
剣道に関してはね。授業とかでは、要領良さそうだけど。
清川と速水を足して二で割った感じが良いと思う。
今回は医療については触れていない作品です。
でも楽しかったよ。
キャラを知っている、かつ好きだってのはポイント高いよね。
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剣道の小説です。医学じゃないっす。そしてこの人の他のを読んでないと人間関係のおもしろさがわからない。剣道小説としてもそこそこおもしろいけどね。たぶんこの先の小説にもつながっていくんだろう。
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読み始めは単なる剣道物語のように思えてテンションが今一つ上がらなかったんですが、話が進むとともにテンションもアップ、やはりこの作者はただ者ではありません。高階のキャラクタは最高です。
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これも面白く読めました。当初、海堂さんの医療ミステリーじゃなくって(ミステリー色は次第になくなっていますが)、剣道部の青春小説と言うことで、あまり馴染みもないし合わないかなと食わず嫌いでしたが、読んで見ると剣道を知らなくても緊迫感が伝わり楽しめたのです。
例によって過去の作品で発表した主人公たちの青春時代にひとコマと言うことで、東城大学剣道部主将は強いけれども責任感強すぎる速水(のちに「ジェネラルルージュ」で活躍)、一方、ライバル帝華大学剣道部主将は才能はあるけど無責任な清川(「ジーンワルツ」に登場)、そして舞台は「ブラックペアン」の1988年となっています。と舞台がそろっているので、この作品を読む前に他の作品を読んでいると楽しみ倍増です。
また周りを固めるわき役がまた魅力的です。この部活の顧問が高階顧問。マージャン仲間に出てくるのが田口や島津、ブラックペアンの世良などなど。まさにオールキャストですが、もちろん、それらの作品を知らなくても何ら問題ないでしょう。剣道仲間では、なんともかっこいい(女性だけど)サブマリンの朝比奈ひかり、薬学部ですけど、今後の活躍があるかも。
と言うことで、青春スポーツを楽しめるエンターティメントとしてとらえたらいいような作品で、十分に楽しめました。
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ジェネラルの若かりし頃。医学生で田口先生も出てきます♪
"ジェネラルルージュ"の『速水』vs"ジーンワルツ"の『清川(兄)』の構図。
清川先生のおちゃらけた雰囲気のキャラ、速水先生の真直ぐ過ぎるキャラ。対比が面白い。
『朝比奈ひかる』の『あの獲物 欲しいです』はストレートにカッコいい。
物語は剣道の話。
ジェネラル医学生時代で剣道を軸に季節が、人が巡っていきます。
とりあえず読んでみて…と思ったのですが、やっぱり面白かった。
高階医院長はこの時代、剣道の顧問をしてます。
この人はやっぱりタヌキです。どこまで行ってもタヌキです・・・
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タイプの違う速水と清川の剣道対決。
シリーズもののサイドストーリーらしいが、読んでいない作品にもあるので純粋な剣道物語として読み、楽しめた。おジイの薫陶を受けた朝比奈が強い。高階顧問のキャラが独特。
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うわ!初めて海堂さんの本、あんまり面白くないって思った。。。
剣道とか全然関係ないからかなぁ。
うわーうわー。。。部活もやってないしなぁ。
アツいのダメなんだって^^;
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バブル景気真っ盛りの1988年、東城大医学部剣道部の猛虎、速水晃一、帝華大医学部剣道部の伏龍、清川吾郎、剣の才能を持つふたりの男が、全存在をかけて戦う。そしてその戦いの陰には、帝華大から東城大佐伯外科に招聘された阿修羅、高階顧問の姿があった。
この本を読んだ理由は3つ。1つ目はこの著者の作品が好きだから。2つ目はバチスタシリーズの速水とジーン・ワルツの清川のスピオンオフ作品だということ。3つ目が剣道を題材にしたものだということでした。
いや〜、今回も面白かったです!速水と清川にこんな過去が会ったとは。この著者の作品は、ページ数が多くても全然読みにくくないし、スイスイ進められて不思議です。読み始めるとすぐハマッていけるのがすごいです。剣道の描写には意見が分かれるかもしれませんが、私はそんなに気にはなりませんでした。他の作品を読み返したくなりました。
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バチスタシリーズだったから、読めたようなものの・・・なんだかイマイチでした。やっぱり病院が舞台じゃないと緊迫感ないし、キャラも物足りない。ざんねん
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速水先生の学生時代の物語で、いつもの病院のお話は一切なしでした。
お茶目な高階先生に笑いました。ほんのちょっぴり脇役で登場した田口先生になごみました♪
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剣道やったことはないのですが、ちょっとやってみたくなりました。
こういう青春小説好きですね。
やっぱりタヌキはタヌキでした。
おもしろいですよ。シリーズを知ってるとなお。