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秀吉の軍勢を退けた韓国の英雄、李舜臣が主人公。
韓国のいろんなとこに彼の像があるので興味があったので購入。
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ようやく読了しました。
時間がかかったのは、漢字の韓国語読みが覚えきれなかったためです。
最初の方はルビが入っているのですが、見慣れないものはルビが消えると「あら、なんだったかしら」という状態に
日本語読みしようとすると、時々ルビが復活するので、脳内のイメージがぼやけちゃうんです
この辺のこだわりは捨てられなかったので(^^;がんばって韓国語読みで通しました。
韓国では有名な武将李舜臣の、史実を元にした小説ですが、まさにタイトル通りの「孤独な将軍」でした。
豊臣秀吉の朝鮮出兵のお話で、読む前は過去の話とはいえ、日本が大好きな隣国に攻め入る物語を平静な気持ちで読めるかと思いましたが・・・
そこは大丈夫でした。
大体、知識としても教科書に数行出て来た「豊臣秀吉の朝鮮出兵」と「耳塚」くらいしかなかったし。
(その「戦利品として持ち帰った耳」というのがブルーな気持ちの大半の原因だったのですが)
敵も味方も区別なく、数を集める為に死体の鼻をそぎ落としたという記述を読んで(フィクションということはよくわかっていますが)「ああ・・・そうか、戦場ってそういうものか」と・・・納得というのは違うなあ、腑に落ちたというのがいいのかな、とにかくそんなに落ち込む事もなく読めました。
国と国との争いは添え物で、この物語は、李舜臣という人間の心の奥深くを旅するというものでした。
自国の王と、日本と、明と・・・あらゆる敵に囲まれた李舜臣の孤独は、見ていて痛々しかったけれど、清冽で遥か高くにあると思いました。
文体が少々読み辛く、主人公目線からのみでの描写は苦しいのではないかと、読み始めは感じましたが、しばらくすると慣れました。
しかし・・・・・最初から最後まで、血なまぐさすぎるぅ・・・・・・
やっぱり戦国時代って、好きじゃないわ
日本のこの時代の歴史も好きじゃないから((((^^;あんまり詳しくないのですが、朝鮮半島の歴史はもっと疎く、年表と首っ引きで読むハメになりました(何年か前に『朝鮮王朝実録』読んだんだけど・・所詮は付け焼き刃(((^^;)
いつだったか「敵一人一人を見て、その個性を考えるようでは戦いはできない」という記述を読んだ事があるのですが、この本の中でも李舜臣が同じ事を言っていました。
まあ、そうですよね。
反対に、常に相手の個性を見るようにすれば、戦いも起こらないのではないかとも思いますが。
いろんな意味で、私にとっては大変意義のある読書でした。
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ドラマを見て期待したが、こちらは内容が生々しい。
出てくる地名に過去日本の将軍たちが侵略していた事実。
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あまり私は本を読まないほうなせいもあるのか
ゆっくり読んでいて
なおかつ、韓国の土地や名前に不慣れなので確認しながらで
なかなか話が進んでいかないのですが
文章自体はとても読みやすく、引き込まれていきます。
正直、日本人には李舜臣っていう人を知っている人って
少ないのではと思いますが
豊臣秀吉がやった朝鮮出兵の韓国側での受け止め方なども多少はわかり
日本人として一度は読んでみるといいかもしれないです。
一人称で書かれていて”私は”と書かれているのが特徴で
時代小説というよりかは
李舜臣の人柄や心の動きにスポットが当たっています。
韓国人なら誰でも知っている英雄といわれている李瞬臣を触れることができます。
翻訳は拉致被害者の蓮池薫さんです。
24年間も日本を離れていたのにもかかわらず
日本語能力の高さにびっくりしました。
あれほど読みやすくなったのは蓮池薫さんの力量ですね
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読んだきっかけ:100円コーナーをぶらぶらしながら、ジャケットとタイトルで手に取り、そして韓国人が書いた李舜臣の物語、というのが決めて。
かかった時間:6/23-7/5(13日くらい)
内容:韓国側(李舜臣)から見た文禄・慶長の役。とはいえ、私は日本側からみた文禄・慶長の役も良く知らないのですけど。
さて……全体的に、今ひとつでした。
この小説の満足度が低い理由は、
●李舜臣の1人称で描かれている。
→通常は、1人称小説でも、ときどき第三の視点からその当時の歴史を語ったりするような気がしますが、この小説ではそれがほとんどないので、李舜臣が知りえないことが、ほぼ描かれない。
→だから、歴史の全体像どうもよく分からない。(特に朝鮮側の事情。もちろん、日本側の事情もほとんど描かれないけど、そっちはまあ、僅かな知識があるのでカバー)
●李舜臣の1人称がかなり抽象的で詩的。海を見ては感じ、風をあびては何かを感じる。
→海外の難しい文学小説を読んでいるような感じ。せっかく歴史小説なのだから、もう少し読みやすい方がよかったなぁ~。
●タイトル「孤将」のとおり、李舜臣はあまりに孤独である。メインのライバルである、豊臣秀吉軍に加え、彼を追い落とそうとする官僚たち、官僚の讒言を間に受けて彼を罰そうとする朝鮮王、そして甘い言葉で味方面をしながら近づく明国軍。彼は誰も信用していない。ただ、戦で死ぬことだけを願っている。
→とにもかくにも、暗いです。いくつかの海戦で大きな勝利を得るが、彼の周囲の人間(参謀クラス)以外、誰も彼をたたえない。むしろ、一人手柄をたてる彼は、同国人からは憎まれさえする。
→朝鮮人たちはすぐに泣きます。百姓はいつもわんわんないているし、朝鮮王は秀吉軍が来たといって泣き、味方が裏切ったといって泣き、側近が死んだといっては泣きます。かくいう李舜臣も、朝鮮王の哀れさに泣き、百姓の惨めさに泣き、息子の死に泣き、自らの境遇に泣きます。秀吉軍だって泣きます。李舜臣の軍隊に追い詰められて、何十人も猿の様に身を寄せ合って泣きます。もう痛哭するしかないです。
まあ、ちょっと変則的な歴史モノが読みたいときには、ありっちゃーありかも。
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豊臣秀吉による朝鮮の役にて、国を救った韓国の英雄イスンシンを取り上げた作品。作者は韓国のジャーナリスト金薫。訳者は蓮池薫。この作品の特徴は、孤独な戦いつまり、眼前の日本の武士だけではなく無能な同僚、気紛れな朝鮮王と傲慢で全く頼りにならない応援の明軍を相手に八方塞がりの状況を主人公一人称一視点にて心の叫びとして描く。つまり内面を徹底して描く事で史実の重みを読者に伝えている。韓国でベストセラーになったのも頷けます。朝鮮の歴史をもう少し勉強してみるかな~。
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あの帰国拉致被害者の一人、蓮池薫氏がその朝鮮語力を活かして翻訳者として活躍していると聞き、とりあえずどれか読んでみようと思い、手にしたのがこの一冊だった。秀吉による朝鮮出兵の時に、朝鮮側で孤軍奮闘したのがこの李舜臣(イ・スンシン)だったと言われている。
そういう動機から手にした本書だったが、読み出したら韓国でベストセラーになっただけあってなかなか面白かった。李舜臣の一人称で語られていく。短い文章で歯切れがよい。蓮池さんの翻訳も良かったのかもしれない。昨今のような反日的な描写は無く、李舜臣の周りは秀吉軍のみならず、明の援軍や朝鮮の朝廷までもが実質的には敵だった。これが史実なら、ほとんど孤立無援の中で戦ったのは、英雄として祭り上げられているのも頷ける。
ただ殺戮のシーンが多過ぎる。韓国の朝鮮時代劇を見ていると、戦闘シーンは別にしても、拷問や処刑などで官僚や一般市民などを平気で殺す。やはりこの物語でも淡々と殺戮シーンが語られている。社会制度の違いと言えばそれまでだが、あまりに簡単に人を殺す人たちに辟易する。それでも当時の朝鮮では普通のことだのかもしれない。
訳者の蓮池さんも「あとがき」の中で
「なお、原書の日本に関する記述については史実と異なる点もあるが、韓国ではそう認識されているということから、原文どおり翻訳した」
と書いている。彼もそういうことを気にしながら翻訳していたと思うと、翻訳という作業もなかなか葛藤のある仕事なのかもしれない。著者の金薫自身も小説として読んで欲しいと書いている。