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生還 山岳捜査官・釜谷亮二 みんなのレビュー

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紙の本

ミステリ部分は★四つ。でも、最近の大倉の伝統や人間関係についての考え方の古さに、思わず学習院法学部出だからかなあ、なんて思ったりして、★一つマイナス

2009/10/17 21:49

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近の大倉作品は、昔ほど面白くない、って思っています。でも、10年近く前に読んだ『三人目の幽霊』があまりに良かったので、まだまだ、まだまだ、って思いながらズルズルと読みつづけている次第。とはいえ、今回は流石の私も、読もうか迷いました。何故かって、あまりにカバーデザインがダサイ。

これが岩郷重力+WONDER WORKZ。の装幀か? なんて本当に思います。確かに、「山溪」らしいデザインではあります。でも、これってノンフィクションのスタイルでしょ、例えば「日航ジャンボ機墜落」みたいな。これが横山秀夫『クライマーズ・ハイ』みたいな山岳地帯を舞台にした小説なら、まだ分かります。いや、デビュー当時の森村誠一のものでも頷けます。

でも、21世紀の大倉が書いたミステリのものじゃあ絶対にありません。このカバーで絶対に損している、私はそう思います。「山溪」の読者以外を惹き付ける魅力が全くない。最近の岩郷重力+WONDER WORKZ。は、時たまこういったポカをやるんですが、岩郷のせいというより出版社の編集者のセンスの問題ではないか、なんて私は思ってます。ちなみに図版作成は宮本絵吏、編集は神谷浩之・大西香織。

で、カバー折り返しの内容紹介は
              *
山岳捜査官とは、いわば「山の鑑識係」である。遭難救助隊が不審な点
のある遺体を山で発見したときに登場し、残された微細な証拠や聞き
込みから、その死の真実を突き止める。
四月中旬、北アルプス黒門岳で見つかった女性の遺体。彼女は、右手に握
りしめた折りたたみナイフで、黄色のダウンジャケットを雪面に刺し貫
いた状態で死んでいた。彼女の死の真相、そしてダウンジャケットのもつ
意味とは――。(第一話「生還」)
『山と溪谷』連載時から話題を呼んだ山岳短編小説に、書き下ろし一
編を加え、全四話を収録した傑作集。
              *
となっています。収録作品全てを初出とともに紹介すれば

第一話 生還(『山と溪谷』2007年4月号~7月号掲載):四月中旬、北アルプス黒門岳で見つかった女性の遺体。彼女は、右手に握りしめた折りたたみナイフで、黄色のダウンジャケットを雪面に刺し貫いた状態で死んでいた・・・

第二話 誤解(『山と溪谷』2007年8月号~11月号掲載):北アルプス南方に位置する奥千岳、一昨年、新館がオープンしたばかりの奥千岳小屋は常連客も多いアットホームな山小屋。その管理責任者で61歳の二宮がポンプの点検から戻らない・・・

第三話 捜索(『山と溪谷』2007年12月号~2008年3月号掲載):標高1926Mの蒔股岳を目指していた登山者が行方不明になった。周囲とうまくいかず会社を辞めた独身の男。自殺かそれとも遭難か。それによって捜査方針は大きく変わる・・・

第四話 英雄(書き下ろし):北アルプス南端に位置する七冬岳で五人の男が道に迷い、その後の数日を生き延び、吉村という男の決死の行動で、全員無事生還した。5年前の遭難事故について調べていた男の死体が、同じ七冬岳の雪崩の現場で見つかった・・・

以上です。で、私はミステリ部分はともかくとして、この一種のスポ根みたいな人間関係のあり方や、人物設定がダメです。特に、釜谷亮二を受け容れることが全く出来ません。この男、長野県警捜査一課の刑事でありながら、山岳遭難救助隊に志願した変わり種で、50代のはずですがはっきりはしません。身長185センチ、体重62キロの痩身はともかく、この男の傲慢さが嫌いなんです。

で、よく考えてみると、こういった設定の人物、大倉の小説に数多登場します。『三人目の幽霊』の探偵役・牧大路、『福家警部補』ものの福家、『オチケン』シリーズの岸弥一郎。傲慢で身勝手な先輩に対して、間宮緑、二岡友成、越智健一、この小説の原田昌幸といった常識的な人間を配してバランスを取っているつもりでしょうが、私には先輩の言うことは黙って聞け、という軍隊或いは高校野球、或いはレイプ事件を繰り返す各大学ラグビー部のことがちらついて仕方がありません。

ま、これは大倉の意図があります。たしか『オチケン、ピンチ!!』のあとがきでだったと思いますが、芸の世界では何事も許される、といったことを言っていました。でも、芸の世界で許されるなら、スポーツでも警察でも、軍隊でも許される、っていうふうになる。その体現者が牧であり、福家であり、岸であり、この小説の釜谷ではないか、って思う。そして、そういう考え方の背景に、大倉が学習院大学の法学部出身というものがある、私はそう思います。

ですから、野球で言えば高校野球、そしてプロ野球の巨人、大相撲なら白鵬、サッカーなら中村俊輔、政治でいえば自民党が好きで、女性は家に入るべし、子供は産めよ増やせ、夫婦別姓などとんでもない、自衛隊を認めろ、北方領土は日本固有のものである、中国はどうしようもない後進国で、一応アメリカとは付き合っているけれど本当は大嫌い、無条件で皇室は崇拝すべきで、第二次大戦での日本の行動は正しい、っていう人は大倉の発想を認めるし、この小説を楽しめると思います。

でも、その全てに不快感を覚える私は、ダメ。大倉とつきあって10年にして初めて彼のことが分かった気がします。もうこれで、彼の小説を読むことはないかな・・・

最後に、この本で不親切だなあと思ったのは、本文のところに頁しか書いていないこと。例えば、目次を見ずに第二話を読もうと思ったとき、普通であれば余白に頁と「第二話 誤解」といった記載があるのに、それがありません。評などを書くときに往生します。これも装幀家の仕事なんですが、ベテランの岩郷重力+WONDER WORKZ。にはどのような判断があったのでしょうか。

柱として第何話 ○○と書くことがデザイン上大きなマイナスになるとも思えないし、そういうものは読者の利便が第一だと思うんです。それを満たした上で粋な意匠を考える。いつもの岩郷なら絶対に外さないのに・・・。ちなみに、専門用語で余白に記載される頁表示をノンブル、第何話 ○○みたいな表記を柱と言うんだそうです。

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