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紙の本

ユニークな視点で日本経済を見ている。著者自身もユニーク

2008/12/24 01:58

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふるふる - この投稿者のレビュー一覧を見る

現代日本の若者たちは搾取されている。資本家に、ではなく老人と呼ばれる人々に。

このような、普通は聞かないいろいろな視点から日本経済を見ている本。

上記の問題は、例えば医療費の問題。
30兆円以上の医療費の半分は高齢者が使っている。それを多く負担するのは若者たちである。後期高齢者医療制度という名の、もう少しは自分たちで負担してくださいよという制度にも多くの反対があった。負担増に反対のデモ行進をしているお年寄りたちの姿がテレビに映されていた。その他に、名前が悪いという言いがかりとも思えるような批判もあった。自分たちが負担しないということは、他の人すなわち若者たちに負担を負わせたままにしようということだ。

私が考えるこの問題の解決方法は、高齢者の自己負担を勤労者と同じように3割にするというものだ。現在の1割負担では医療費を抑えようという気持ちにはなれないだろう。例えば、ちょっと風邪をひいて薬を飲もうという時に、薬局で市販の薬を買うより病院にかかって薬を処方してもらった方が安上がりだ。3割でもそうだが、1割ならほぼタダのようなものだ。(今でも有効な手段か?)多めにもらって、次の時に使うという手もある。(人にはお勧めできないが)

こういう事を言うと、経済弱者のお年寄りになんということを言うのだ、という批判があるだろう。しかし、問題は、本当にお年寄りは経済弱者かということだ。現在、厚生年金や共済年金を受給している家庭には月に25万円位の支給があり、夫が亡くなった人でも月に20万円くら支給される。もちろん本人が亡くなるまでの確定給付だ。
また、日本全体に金融資産が1500兆円あるが、かなりの部分が高齢者に偏っている。少し前の新聞記事で見たのだが、あまりの偏りにとても驚いたのをよく覚えている。子供に金のかかる30代から40代には金融資産がほとんど無かったように記憶している。
結局上記の元サラリーマン家庭は、毎月年金が入る(正確には2カ月に1回)し、退職した時の退職金があるのだ。数10年勤めあげたのだから当然ではあるが。
本当の経済弱者のお年寄りというのは、無年金や国民年金のみで、それまでに十分な貯えができなかった人たちだ。
この人たちに対してのみ、生活保護やその他の給付を行うべきだ。

また、著者は財政再建問題についても大いに危惧している。
この問題も結局、今の世代から将来の世代への借金のつけ回しだ。道路や橋、ダムなどが残るというが、60年後には間違いなく使い物にならなくなって借金だけが残っているはずだ。
日本に生まれたとたんに一人当たり600万円(1000万円かも)の借金を背負わせている。それをある経済評論家は「究極の幼児虐待だ」と書いていたがまさにその通りだ。

この問題について、ハイパーインフレーションで解決できると楽観している人がいる。しかし、よく計算してみると、確かにハイパーインフレーションとともに毎年国債の負担割合は減っていく。ところがそれが成立するのは現在の貨幣価値で100兆円以上の(借換国債以外に)新規国債を、毎年新たに買ってもらえる場合だ。現実にはそんな買い手はいない。
結局、おそらく間に合わないだろうが消費税を20%くらまいまで上げてコツコツと借金を返していくか、デフォルト(借金帳消し)するしかないだろう。

著者は大都市圏での大地震による悪性インフレを心配している。それとともに、私は景気が良くなって金利が上昇し始めても危ないのではないかと思う。今でもすでに毎年発行している120兆円の借換債にその高い金利がかかってくる。もし金利を上げなかったら、当然インフレになって同じく財政が破たんする。

結局、これも他の経済評論家が書いていたが、国民の多くが日本国債の問題が大問題であることに気付かないままそっとしておくしかないのかもしれない。今となっては。

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紙の本

今の日本のありようを活写。その著者が描いたこの国の行く末は..

2008/11/03 14:33

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、今の日本の社会のありようを様々な視点から、実に見事に活写している。しかも視点の取り方がユニークだ。まぁ、著者はちょっとひねくれたところのある人なのだろう。しかし「ユニークだ」ではあっても、「間違えている」のではない。「なるほど!」と思わせる説得力は十分だ。

 一例として、「会計ビッグバンが家族に与えた影響」というのを紹介する。「会計ビッグバン」というのは、10年ほど前に日本の企業会計に取り入れられた会計基準の大きな変更を指し、ひとつの特徴に時価会計の導入がある。
 企業が時価会計の考え方を、人材の評価にも取り入れるとどうなるか?「あなたの価値は今いくら?」と問うわけだ。そして、正社員は昇給に見合った価値(能力)を向上させないと「含み損」になりうるから、取り換え可能な非正社員の活用に走る、という具合。
 まだまだある。男女の仲でも、かつてはお互いに相手の将来を何となく現在の価値より豊かに感じることができた。それが、時々に厳しい評価をするのでは、若者は経験も財力もない今現在の価値で向き合うことになる。いや、このご時世では将来は不透明で、今より差し引いて考えることもある。結婚しようという時に、これはつらい。

 また、年長者ら「古い世代」の「記憶」によって政策が決定される、という指摘はその通りだと思う。政治家など政策決定者が経験した「記憶」がない問題は、優先順位が低いしやってもトンチンカンなものになってしまうのだ。就職できない、結婚できない若者の問題。子どもを産み育てづらい社会。「古い世代」はこうした問題に遭遇していない。これからの未来を担う人の問題なのに、解決の兆しさえないのは、そういう理由なのだ。

 この他にも、医療福祉、環境、国家財政、経済政策...など、数多くの問題が論じられていて読みごたえもあって、オススメだ。
 最後にひとつ。本書は今年の9月に出版されたもので、執筆はそれより前だ。しかし、この10月に入って一気に進んだ、米国を震源とする現在の経済危機が端的に予測されている。そして著者が描いてみせたこの国の行く末は...。本書の欠点をあげるとすれば、明るい気持ちになれないことか?
 

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2009/01/19 22:25

投稿元:ブクログ

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2011/03/28 07:02

投稿元:ブクログ

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