紙の本
10代に帰りたい
2008/10/17 13:38
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方都市の図書委員たちを描く青春小説。
文系の小さな社会のなかで恋愛感情がもつれあう。
きっと多くの本読みで図書委員だった人が直面した過去なのでは。
そのような過去がなくても、高校時代が蘇ってきます。
高校2年の川本かずらは
図書委員仲間の岸本一、武市大地とはツーカーの仲。
特に大地とは考え方もテンポも一緒で
二人でやる作業はさっさと終わります。
しかし大地はひとつ下の上森あゆみとつきあっています。
かわいらしいあゆみのことも、かずらは大好き。
もちろん大地への恋愛感情はありませんが
それを聞かされると、大きな喪失感を感じました。
その微妙な気持ちを丁寧に描いていきます。
高校生という小さな社会のなかで
異性や同性への複雑な想いをもてあまします。
もう少し現実は、腹黒い部分もあると思うのですが
それをあえてピュアに描き切ります。
一方、藤枝高広はかずらのことが好き。
しっかり者でさばさばしたかずらのいいところを
藤枝がしっかりと見ているところに
この小説の深さがあります。
またオタクで女子生徒から気持ち悪がられている
西川行夫に対する、かずらの振る舞いや人物観など読ませますね。
図書委員という閉ざされたサークル的ノリを
決して閉塞感では描かない。
一人ひとりが大人であり、子どもである10代の小説。
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イラストは、「センネン画報」(http://diary.jp.aol.com/juicyfruits/)の今日マチ子さん。
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やはり「図書委員会」ものは気になる。ということでこれを買ってしまった。
中身はとても健全な男女のお話です。でも、この読後さわやかな感じ、うまいぐあいにすれ違う男女の気持ち、こういう小説はやっぱりよいです。
ありそうで、ない感じです。私は藤枝くんを押すけど。
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ダ・ヴィンチで紹介されていて面白そうだったので買って読みました。
他の出版社の文庫本よりも文章の上下が空いていて、1ページにギッシリ文章が載ってる難い内容の本が好みでない人には読みやすい本だと思います。
内容はタイトルの通り図書委員会内の恋もある青春物語です!
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意外だった・・・
良い意味で意外なほど面白かった。
自分が共感できたところが多いってのが、たぶん理由なんだろうけど
この話は意外なほど共感者が多いんじゃないかな?
異性の友達に彼氏が出来て、それにフラフラと揺さぶられる。
そんな感覚、一度や二度持ったことがあるはずです。
それが、中学かもしれないし・・・高校かもしれない・・・社会に出てからかもしれない・・・
でも、高校生らしい“青臭い”(笑)を含みつつって所がもうこれ以上ないくらい共感出来るw
単純に俺が恋愛小説が好きだからってのもあるんだろうけど、男にも読んで欲しい一冊かもしれません。
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とにかくキュン死にだ。
胸キュンしたければ読むがいい。
切ない切ない切な過ぎる><
でも、いい。
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どうして人は恋をするとこんなにも余裕がなくなるんだろう。
いっぱいいっぱいになりながら、誰かを大事にしようとする図書委員たち。
息苦しいほど青臭い青春小説。
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文化系委員会もの。長嶋有の作品は読み負けた。
こちらの登場人物は等身大のキャラクターで、最後まで安心して読めた。理解し合える相手が、男女間では必ずしも恋愛対象にはならないようで……。
かずと藤枝の表紙絵がかわいい。
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図書館にリクエストしたら買ってくれちゃった。
早速YAにしました。
甘い高校生のお話です。
心してお読みあそばせ。
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題名からもわかるように青春小説。
面白いのだけど、結構ありきたりだと思った。
テーマが図書委員会なので親近感が湧く(*´∀`*)
ページ数が少ないので軽く読みたいときにはオススメ。
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青春の準備期間に芽吹いた恋のお話。
主人公の少女・かずらのほんのり色づいた恋心を
甘くて酸っぱい柑橘系のストーリー展開で描いていく。
自然体な雰囲気の心理描写が
登場人物の心を素直に表現している。
キャラクター各々の想いが上手くストーリーに繋がっていて
心を描くことで自然に物語が導かれていく。
初春の風が吹き抜けていったような、
そんな読後感を与えてくれる。
第3回ダ・ヴィンチ文学賞、
<編集長特別賞>受賞作。
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すいすい読める。
ありそうでなかった小説とはまさにこれ。
現実にはどこらかしら、みんな隠してるけど、たぶんあるだろう話。
甘酸っぱい恋愛小説。
たぶん誰もが満遍なく好きになれる。
後味も悪くない。
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たいがいの文芸作品は、読んでいて必ず心にひっかかるものだったり、この文がいい、とかテンポが好きとか、登場人物のせめて1人でも、めちゃくちゃ魅力的だ!とか、はたまたこの作家と多分趣味が合う、とかを感じれば読み続けていくことができるものだけど、この作品には20ページ読んでもいっこもそういうものがなかった。自分と相性が悪いんだろうな。
こんないい子ちゃんばかりの高校生ってあるのか?
あの子には村上春樹は早すぎる〜みたいな会話が出てくる時点で生ぬるい気持ちを感じた。
思いやりの発言なんだろうけど、いやーな優越感を垣間見るのは私がひねくれてるから?
いやいっそそういうものを潜ませて描いてくれた方がまだ魅力的だったな。
砂のお城みたいな形だけの人物設定で、次のセリフが想像できるようなぺらぺらの感情だけ。
ダヴィンチの出版で似たような話といえば豊島ミホの初恋素描も読んだけど
こんなに違うとわなー。
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優しいお話でした、キャーーっ!とか思いながらにまにまして一気に読んだ覚えがあります。
それぞれの視点から語られるそれぞれの恋愛に胸の奥がきゅん、となりました。
二人の女の子と二人の男の子と、それを取り囲む環境。
図書館が基本的に私大好きなもので、それも自分の中のお気に入りには関わってくるのですけれど……。
なんか、主人公の女の子の心にものすごく共感でした、わかるなぁその気持ち!
とっても柔らかくて素敵なお話です。
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内容紹介
まじめな進学校の、まじめな図書委員会にだって青春はある――
まっすぐには進めなかった、もどかしい、あのころの日々。
高校生たちの悩み多き青春を、瑞々しく描き出す。
気の合う男友達の大地と大好きな後輩がつきあいだした。彼女なんてつくらないって言ってたのに――。図書委員会でふたりに接するうち、大地への微妙な想いに気づいてしまったかずら。だけどこれは恋ではないと、自分の気持ちにふたをする。一方、同じく委員の藤枝は、そんなかずらへの一途な想いをおさえきれず、苦悩していた。同時に、大地への気持ちに気づかないふりをするかずらの態度に苛立ちがおさえきれず……。図書委員会を舞台に、悩み、揺れ動く高校生たち。まっすぐには進めなかった、もどかしい、あのころの日々。大好きだから、友達だから、生まれてしまうたくさんの葛藤や悩み、割り切れない想い……決して綺麗ではない感情を抱えながら、それでも前に進もうとする高校生たちを、図書委員会という場を通じて描いた作品。誰にでも覚えのある感覚がストレートに押し寄せてくる、そんなまっすぐさを、些細な感情の揺れを描きながら見事に生み出しています。受賞作にくわえ、短編番外編「あおぞら」を収録。
2008.11