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怒涛のレーヴィ第一弾。
プリーモ・レーヴィが何者か、知っているか否かで読みが大きく変わるだろう。
天使の蝶、詩歌作成機、転換剤、トレック……字面の上に過ぎないが彼の体験を知っている者としては、すべての物語がある一点を指しているように思えた。
それにしても……しんぷそおおおおおん
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今の時代を見ているようで
非常に恐ろしいように思えます。
と、言うかこれからの人間への警告も
含まれているのでしょうか…
彼は化学者でもありました。
それゆえに、これらの未来の商品に関しては
本当に洞察力がありました。
そのうちの一部は出てきています。
だけれどもその中には絶対に
日の目を浴びてはいけないものもあります。
表題作も然り、痛みを快感に変えるそれも…
著者はどこかに心の闇があったのでしょうか
最後は自殺してしまいます。
貴重な方をなくしましたね。
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SFでありながら非常に詩的で神話的で終始背中にぞくぞく来るものがあった。もうどこまでも私好み。以下激しくネタバレ。///シンプソン氏のNATCA社シリーズは、3DプリンターやVRの超すごい奴が出てきたりして、思わず私たちの「これから」に思いを馳せずにはいられない。にしても「検閲は鶏に」とか「測定される数値こそが美」とか痛快なまでの皮肉と「痛みこそ生の番人」というような真理が同居してるし、トレックで女優さんのハプニングとか細部に至るまでもう本当すごい。蜂の話とかも面白かったのに…辛いなぁ。何度でも読む。
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原著1955年刊。
ユダヤ系イタリア人で、戦時中アウシュヴィッツに収容されたが、大学で化学を学んだことが幸いし、奇跡の生還。その後出版したアウシュヴィッツについての証言『これが人間か』(旧邦題『アウシュヴィッツは終わらない』)を出版し、これがじわじわと評判を呼ぶ。
そんな特異な経歴を持つ作家レーヴィはどんな小説を書いたのだろう、と素直な興味を持った。しかし実際に読んでみると、ソフトなSFといった趣の軽いエンタメ物語で、ここには「異常な体験」も「人間存在の深淵についての意識」も認めることはできない。
まあ、暇つぶしに読むような、軽いエンターテイメントという感じがした。あのアウシュヴィッツ生還者のレーヴィの、と思って手に取るのでなければ埋もれてしまいそうな小説集である。
この短編集の中では「天使の蝶」「ケンタウロス論」辺りはわりあい面白かったか。