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天使の蝶 みんなのレビュー

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みんなのレビュー19件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (11件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

このイモムシは「天使の蝶」になれるのか?

2009/01/05 17:25

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は化学者で作家。その科学者としての知識が微妙に醸成されて、不思議な味に仕上がっている短編集である。

 「記憶喚起剤」という話は、匂いがとてもはっきりとした記憶を呼び覚ますことがある、ということを題材としているが、これなどは誰もが少しは経験があり、「あの記憶をいつも再現できる香りが調合できたら」という気持ちはよくわかるのではないだろうか。
 この「香りの成分」のような話や、蜜蜂のダンス=言葉など、おそらくは著者が執筆したその時代(1960年代ごろ)の最新の科学知識を題材にしたと想像される話。現代の科学知識を題材にしたら、どんなものを書くだろうか、と想像が広がる作品ばかりである。「発明会社」のようなものをあつかった連作は、文明批判のような味も感じさせる。どれもなかなか楽しめた。

 表題になった「天使の蝶」は、ネオテニー(幼形進化)を題材としたもの。人間もネオテニーだとしたら、そしてアホロートルのように成体に変化させることができたら・・・、という話である。ヒトが幼虫の状態であるとしたら、成虫になったら何になる?しかし物事は思ったとおりの結果にはいたらないことが多い。この話の結末は、「トマトとジャガイモはどちらもナス科だから、細胞融合させて両方の特徴を発現させたら、『地上にトマト、地下にはジャガイモ』ができて一本で二つの食料が取れるのでは!と実験をしたら、できたものは『地上はジャガイモ、地下はトマト』になってしまった」という、「二兎追うものは・・・」の典型のような小話を思い出させるところがある。いや、もっと簡単に、「芋虫を育ててみたら、蝶にならずに蛾になった」というところか。この話のイモムシはどうなるのか、興味を持ったら読んでみてください。

 著者はイタリア生れのユダヤ人で、アウシュヴィッツの強制収容所に送られた経験を綴った本を書いている(「アウシュヴィッツは終わらない」)。どうも、こちらの方が先に著者を有名にしたようである。先に挙げた表題作も、舞台は爆撃下のドイツである、著者の戦争体験の色が濃く出ているのもうなづける。

 翻訳している方は、この光文社古典新訳文庫でこれまでにもロダーリ「猫とともに去りぬ」やプツァーティ「神を見た犬」など、一味違った短編を紹介してくれている。これからも面白い作家を紹介して欲しいものである。

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電子書籍

今まで知らなかったことを後悔するレベル

2016/11/29 17:58

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

SFでありながら非常に詩的で神話的で終始背中にぞくぞく来るものがあった。もうどこまでも私好み。以下激しくネタバレ。///シンプソン氏のNATCA社シリーズは、3DプリンターやVRの超すごい奴が出てきたりして、思わず私たちの「これから」に思いを馳せずにはいられない。にしても「検閲は鶏に」とか「測定される数値こそが美」とか痛快なまでの皮肉と「痛みこそ生の番人」というような真理が同居してるし、トレックで女優さんのハプニングとか細部に至るまでもう本当すごい。蜂の話とかも面白かったのに…辛いなぁ。何度でも読む。

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紙の本

独特な世界観の短編集。

2021/12/29 15:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:TM - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本の著者の「休戦」という収容所の話も読んだことがあるが、こういったSF短編集も書いていたとは知りませんでした。
特に「創世記 第六日」が好きです。ああいうまとまりのない会議にはできれば参加したくないですねw
暗いがクスッと来る皮肉なお話が多いですが、すごく面白かったです。

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紙の本

天使の蝶

2021/07/18 22:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

化学者であり作家でもある著者による短編集。「科学による進歩」の虚しさのようなものがある気がする。といっても著者自身化学者だったわけで、そう単純なものでもないのだろうけど。それでも全体的にユーモアのようなものがあり、面白く読めた。

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紙の本

レーヴィを知る人にも そしてレーヴィを知らない人にこそ 是非とも読んで貰いたい本

2021/04/30 16:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るいざ - この投稿者のレビュー一覧を見る

直球的なタイトルが多いイメージのレーヴィの作品にしては珍しく幻想的なタイトル。
「天使の蝶」とはダンテの神曲から
ちなみにこれを知らなくても全く問題無く読めます。

オムニバス形式の小説。
基本的にそれぞれ異なった世界観。
話が繋がっていないので一話完結。
唯一敏腕営業マンのシンプソンが何度か他のストーリーに出てくる。

このシンプソンは個人向けセールスマンなのだけど、その商品というのがこの本が出版されて時にはこの世には存在していない商品を売っているので近未来的な感じがする。

ドラえもんみたいな感じ?と言えば想像しやすいかと。
ただこのシンプソンは猫型ロボットではなくて
会社愛が強いアメリカのセールスマン。
どちらかというと笑うセールスマン?
だがシンプソンはよく分からない商品をものすごい熱意でガンガン売っていくが
喪黒福造みたいな不気味さはないので
彼から商品を買った人がどうなってしまうのか心配しながら読まなくて大丈夫である。


そしてシンプソンが売っている商品
作中の中では大体が
「こんなの必要?」と思われている代物だが
それは今の世の中では
「3Dプリンター」「SNSの良いね!評価」「VR」だったりするので
レーヴィは55年以上前に書いていたのだなとその先見の明に驚かされる。


またテーマが色々広範囲に航っているので人それぞれ自分のお気に入りがあると思う。

因みに私自身は「創世記 第六日」が一番好きだ。
まさか聖書のテーマを持ってくるなんて!!と感心した作品。
またテーマが聖書というだけではなくて本当にエスプリが効いていて
作家としてのレーヴィの独創性と想像力に感服。

そして一冊読み終わった後に
プリーモ・レーヴィ像について思い浮かべる。

私はレーヴィの本は
「休戦」「溺れるものと救われるもの」「これが人間か」の順で読んだので
どうしても「ユダヤ人」「ホロコースト」「アウシュヴィッツの生還者」というイメージで彼を見てしまい、無意識のうちにレーヴィのすべてをそれらに結びつけてしまっているだろう。

勿論アウシュヴィッツが彼に与えた影響は計り知れないと思われるし価値観を変容させただろうとは思う。

しかし元来のレーヴィ自身はウィットに富みそしてユーモアに溢れた人物だったのではないだろうか?とこの本を読むにつれて思わされた。

そんな生まれがらにあった彼の内面を我々は忘れてしまっていたのではないだろうか?
そしてレーヴィ自身が周囲からあまりにも「アウシュヴィッツの生還者」として見るあまり「生身の人間」であるレーヴィ自身を置き去りにしてしまっていることに対しての葛藤なりがあったのではないだろうか?と考えさせられたりもした。

もしかするとこの小説を書いている瞬間のレーヴィは「アウシュヴィッツの生還者」でもなく「可哀想なユダヤ人」でもなかったのではないだろうか?

ただの一個人としてのプリーモ・レーヴィでしかない。そんな瞬間があった。そう思いたいと何故か思ってしまう。

もしまだレーヴィを知らない、もしくは読んだことがないという方がいたら是非とも「小説家」レーヴィとしてのこの本を読んでみてほしい。
別のフィルターをかけて読んでしまう前に。
そしてこの本を読んだら是非「これが人間か」「休戦」「溺れるものと救われるもの」その他レーヴィの本を読んでほしいと心から願います。

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2010/05/01 00:03

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2008/11/14 18:12

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2008/12/13 14:26

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2009/09/22 00:14

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2011/02/17 02:25

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2011/08/24 17:05

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2012/04/04 02:29

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2012/04/06 15:53

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2013/01/09 18:20

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2014/08/15 09:42

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