紙の本
神との共存の時代をどう生きるか
2008/10/15 21:08
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神との共存、とはもちろん本書の著者である野口悠紀雄氏は書いていない。書かれているのは「紙との共存」(本書第三章)である。しかし、今回書かれている内容はある意味十五年前に刊行された『「超」整理法』(1993年)の世界からすれば、私のようなIT弱者にとっては、インターネットという神との共存としか思えない。もしかすれば現代に生きる私たちは神と出会ったといえるかもしれない。ここでいう神とは全知全能の神である。しかしながら、神を神として認識している限りではその力さえ活用できないのである。野口氏がいうように「分類するな、検索せよ」というご託宣は、その神を自在に扱えるものだけに有効なのかもしれない。
思えば『「超」整理法』の時代は牧歌的だったともいえる。加速度的に膨張する資料にあって野口氏が推奨した「押出しファイリング」は当時画期的な整理法だったと思う。「分類するな。ひたすら並べよ」を呪文の如く唱えていれば、情報(といってもその量は現在とは雲泥の差があるが)はある規則性をもって私たちの前に出現したのである。その当時のパソコン(というよりワープロといった方が正しい)はその袋ファイルのラベルを作成する程度だった。結果としてよりよい整理方法を手にいれたわけだが、それらの情報を駆使してのアウトプットにはそれほど大きな乖離はなかったように思う。
しかし、神との共存の時代にはいってしまった今、その神の力を存分に活用できるものたちはその収穫物においても絶大な量をもつようになっている。端から勝負できないのである。情報格差はそういう意味で深刻だといっていい。では、そういう時代にあってIT弱者はどう生き延びていけばいいかがもっと議論されなければならない。本書でもほとんど議論されていない点である。まず有効な手段として、IT強者である人材を雇用してしまう方法がある。これが『「超」整理法』でも有効であった手段である。つまり、自分に代わって分類させるかわりに検索させるのである。
次に、野口氏が現在だけでなく未来においても重要だと考える「問題の設定」「仮説の構築」「モデルの活用」といった「知的作業の核心である三つの作業」に秀でることである。実は検索もこれらの作業があって初めて有用なのである。とすれば、ネットサーフィンと称される行為に愚者がはまっている間に、賢者は本来の知的作業の核を構築し、それを自身の有効な技とすることだろう。
だが、それらよりももっといい方法がある。それはIT弱者に甘んじないことだ。五十の手習いであれ六十のそれであれ、まずは挑戦してみることから始める。「門を叩け、さらば開かれん」というシンプルな行為が、まさに神との共存が始まったこの時代にあって、もっとも有効な手段ではないだろうか。
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問題設定⇒仮説構築⇒モデルの活用
2008/10/30 21:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろでむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半は、グーグルメールをプラットフォーム化する方法を述べ、後半はこれからの時代に必要な能力について論じている。 「問題設定」「仮説の構築」「モデルの活用」これが個人として生き抜いていく必須能力。
-----章立て-----
序.『「超」整理法』を書き直すときがきた
1.Gメール革命
2.デジタル・オフィスはオンライン
3.紙との共存
4.検索を制するものは知を制す
5.検索は知のスタイルを変える
6.新しい時代における知的作業の本質は何か?
7.新しい知的生産技術
8.日本で知の産業革命が起きるか?
----------------
・問題を設定し、仮説を立て、モデルにしたがって考えることの重要性は、今後ますます高まるだろう
・「検索力」こそは、デジタル時代における最も基本的な技能である
・グーグルフォビア
・すべてを教えてくれる先生がよいわけではない。重要なことは何かを教えてくれる先生の方がはるかにありがたい。
・検索しづらいメールしか書けない人は、淘汰されるだろう
・基本は、時間順に並べること
・Gmail Dribe shell extension
・技術進歩が早いときには、技術的可能性のほうが先に進んでしまって、使い方や考え方が追いつかない。
・大学でメールシステムを構築する時代ではなくなかった
・紙が強いのは、「入力の容易さ」「一覧の容易さ」
・セマンティックス検索
・GREP機能
★・下位概念から上位概念への探索が可能になった
・知識の体系化
・プッシュの受け手から積極的なプルへ
・プルできる人とプッシュを受けることしか出来ない人の間には、大きな情報力格差が生じている
・数学は暗記だ
・「ヘリコプター勉強法」
・検索エンジンを用いて新しい仕事の企画書を作ってみよ、という問題を出すべきだ
・社長にとって重要なことは「わが社が追求すべき最重要の目的は何か」と常に問い続けること
・仕事をしていなければ仕事は完成しない
・いかなる仕事においても最も難しいことは「始める」こと
・構えないで開始する
・早い段階で、全体の論理構成は固めておく
・頭に材料が詰まっていれば、環境が少し変化したところでアイディアが得られる
・無意識活動が独立して存在しうるのではなく、その前に意識的活動がなければならない
・ブレインストーミングに重要なことは、方法論ではなく参加する人の質。
紙の本
内容紹介・目次
2008/09/19 19:23
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投稿者:講談社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「超」整理法から15年。ついにミリオンセラーを書き直すときがきた!
新時代をリードする最強ノウハウ
――情報を整理する必要はなくなった。なぜなら検索できるから!
時間をかけず、コストもかけず、努力もせずに、誰でもすぐに構築できる。
そんな夢のデジタルオフィスは私たちの手の中にあった!
さらに広がる情報格差化社会で、最も有用な情報を得るための近道は“検索の方法”である。
今この時代に、何を問い、どんな答えを見い出すのか。
「整理は分類」という伝統的な考えを覆し、「時間軸検索」という新しい発想から整理法を提案した『「超」整理法』の著者が説く、新時代の仕事法。
【目次】
序論 『「超」整理法』を書き直す時がきた
第1部 デジタル・オフィスの作り方
第1章 Gメール 革命
1.Gメールのどこが革命的なのか?
2.人名をキーとしてメールを読む
3.メールのストックを活用する
4.合理的な仕事のシステムを作ろう
第2章 デジタル・オフィスはオンライン
1.なぜオンラインがよいのか?
2.個人データをオンライン格納
3.近づくクラウド・コンピューティング
4.グーグル・フォビアを克服できるか?
第3章 紙との共存
1.現実的になったデジタル・オフィス
2.ワーキングファイルの扱い
3.「神様ファイル」の扱い
4.「みんなの協力」が不可欠
第2部 IT時代の知の技法
第4章 検索を制するものは知を制す
1.なぜ検索の方法論が必要なのか
2.検索で難しいのは何か?
3.具体的にはどうすればよいか
4.有用なデータはどこにあるか
5.自分のデータの検索
第5章 検索は知のスタイルを変える
1.検索を使えば目的に直接到達できる
2.百科事典とミシュランの思想
3.プッシュの受け手から積極的なプルへ
4.新しい知の時代における勉強法と教育法
5.新しい時代が求める専門家はどのような人か?
第6章 新しい時代における知的作業の本質は何か?
1.知的作業の核心である三つの作業
2.具体的にはどうすればよいのか
第7章 新しい知的生産技術
1.みんなで作る知の体系
2.コンピュータは知的作業を代行できるか?
第3部 知の産業革命
第8章 日本で知の産業革命が起きるか?
1.知的奴隷が使えれば、知の産業革命は起こらない
2.搾取されている若い知的労働者
3.知の産業革命を起こす主体は知的労働者
他、コラムも多数掲載
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超整理法シリーズは昔から愛読しています。もちろん超整理法手帳も。
15年前にベストセラーであった前作のスローガンは、「分類するな。ひたすら並べよ」であった。今回は「分類するな。検索せよ」がモットーである。
最後に必要な力は、「問題設定力」「仮説構築力」「モデル活用力」この3つの力で知的生産力を飛躍的に拡大させよう!
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http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51527577.html
<目次>
序論 『「超」整理法』を書き直す時がきた
第I部 デジタル・オフィスの作り方
第1章 Gメール 革命
1.Gメールのどこが革命的なのか?
2.人名をキーとしてメールを読む
3.メールのストックを活用する
4.合理的な仕事のシステムを作ろう
第2章 デジタル・オフィスはオンライン
1.なぜオンラインがよいのか?
2.個人データをオンライン格納
3.近づくクラウド・コンピューティング
4.グーグル・フォビアを克服できるか?
第3章 紙との共存
1.現実的になったデジタル・オフィス
2.ワーキングファイルの扱い
3.「神様ファイル」の扱い
4.「みんなの協力」が不可欠
第II部 IT時代の知の技法
第4章 検索を制するものは知を制す
1.なぜ検索の方法論が必要なのか
2.検索で難しいのは何か?
3.具体的にはどうすればよいか
4.有用なデータはどこにあるか
5.自分のデータの検索
第5章 検索は知のスタイルを変える
1.検索を使えば目的に直接到達できる
2.百科事典とミシュランの思想
3.プッシュの受け手から積極的なプルへ
4.新しい知の時代における勉強法と教育法
5.新しい時代が求める専門家はどのような人か?
第6章 新しい時代における知的作業の本質は何か?
1.知的作業の核心である三つの作業
2.具体的にはどうすればよいのか
第7章 新しい知的生産技術
1.みんなで作る知の体系
2.コンピュータは知的作業を代行できるか?
第III部 知の産業革命
第8章 日本で知の産業革命が起きるか?
1.知的奴隷が使えれば、知の産業革命は起こらない
2.搾取されている若い知的労働者
3.知の産業革命を起こす主体は知的労働者
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GMailの活用を推奨、これからの時代の知的作業は検索力で差がつく。
知的作業の核心は、問題の設定、仮説の構築、モデルの活用
p89 GMail Drive shell extension: GMail Drive 作成 PC内のファイルをコピー
p113 デジタルカメラでデータをメモする
p119 重要な資料をPDF化
p124 写真、手紙、カード、卒業証書、誕生日カード、子供の描いた絵など捨てられないが、使わないもの:コピーを検索可能な形で保存、テキストで説明をつける。
p137 検索 雑音の排除
p139 知りたいことの答を教えてくれるサイト:はてな、Yahoo!知恵袋、教えて!goo、教えて!アメリカ生活
p141 知的作業は検索力で差がつく
p153 情報力の差は、仮説構築力に大きく依存
p157 IMDb 映画データベース
p166 有用なデータベース
p217 リバース勉強法
p230 知的作業の核心:問題の設定、仮説の構築、モデルの活用 最も重要なのは、問題の設定
p293 Cuil:新しいサーチエンジン
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Gmail活用法が多すぎるような気もするが、Gmailの「時系列に並べるだけで分類しない」という発想が、15年前に「超」整理法で提唱された考え方と偶然にも一致しているのだから、野口先生が興奮してGmailを活用するのもやむを得ない。ただ、Gmailのスレッド単位管理方式には疑念を呈しており、もっともなことなので、せめて、メール単位管理モードとスレッド単位管理モードを切り替えられるようにしてもらいたい。
また、グーグル恐怖症(フォビア)を気にするなという文脈では、自分たちはグーグルやCIAに監視されるほど重要人物ではないと指摘しており、それはそのとおりなのだが、身の回りの悪意を持った人物にパスワード破りを仕掛けられる可能性は、グーグルやCIAに監視される可能性ほど無視することはできないのではないか。せめてオンラインバンキングにおけるレベルのログイン技術を有料ででも提供してもらえれば、堂々と業務用に使えると思われるのだが。
(参考)CNN.co.jp:ペイリン副大統領候補のメールアカウント、ハッキングされる
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200809180028.html
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・人名をキーとしてメールを読む
仕事は人名で分類できる
・グーグルデスクトップで多くの問題が解決できる
・検索の前に必要なこと
問題の設定、仮説の構築、モデル(フレームワーク?)の活用
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なるほどGメールによるデジタルオフィスの自動構築ねえ。
あいかわらずコラム(眠れる森の美女)や知的作業の本質についての洞察はためになります。
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デジタルオフィスの作り方として、Gメールを利用したPCのHD不要且つどこからでもアクセス可能な状態を作り出す方法を薦めている。
確かに、メールは媒体にして情報をストックする方法は、メールサーバーやメールソフト自体のスペックによっては大変有用なはず。
自分自身も筆者と同じように、検索してファイルを抽出したりするからだ。
ところが、本書も触れているが情報漏洩に対して厳しい会社にとって、顧客情報などをGメール上に置く事はあり得ない。その意味で、他人の情報を扱わないライターなど個人事業主に限って有効な手段になっている。
残りは検索の仕方に重きがおかれている。どんなワードで、どのように保存するか。
確実に見つけられる方法で保存して、あとは必要な時に検索すればいいという安心感はあるかもしれない。ただ、個人的には難しい。
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■■目的■■
日々大量に浴びている「情報」を、どうやって活かすか?適切に扱うか?
それらを「整理法」という視点から考えてみたい。
■■要約■■
「分類するな!検索しろ!」
これが本書のメインテーマとなっているコピーである。
PC及びネットの技術の進歩で、かつては夢物語であった「デジタルオフィス」が現実のものとして可能になった。
それを主に牽引しているのが「グーグル」であり、「Gメール」である。
著者はかつて『「超」整理法』で書類を封筒にファイルし、タイトルをつけ、時系列でひたすら並べ保存するという
整理法を提案していたが、それをGメール、及びスキャナをつかった「書類のPDF化」でウェブ上で保管・検索で引出すという、
新たな整理法に行き着いた。
要するに時代が進むにつれ、技術が進歩するとできることが増える。
それを上手いこと利用する側に回らないといけない。ということ。
著者は昔唱えた整理法を、ウェブの力を借りてさらにパワーアップさせて再提案している。
今後ともどんな新しい技術・発想が生まれてくるかは分からないが、
常に柔軟に。常に利用する側に回れるように試行錯誤していく姿勢が大切だ。ということを言っているのでは?と感じた。
■■書評・感想■■
○さまざまな最新の(もっと新しいものが出てきているのかも知れないが)ウェブ・デジタルツールの利用法が提案してある。
特に著者が強く書いてある「デジタルオフィス」には三種の神器があり、
「Gメール」「デスクトップ検索(これもグーグルサービス)」「スキャナによるPDF化」である。
○すこし、グーグルに頼り過ぎている気もしないでもあるが、それは著者も自覚しており、
「現状ベスト」的に利用しているらしい。そのあたりは柔軟性がある人なんだろうという印象をうける。
今後何か革新的なサービスがでてきたら、あっさりとそっちに乗り換えるのだろうと思うと、好感が持てる。
○特に目新しい検索方法があったわけでもないが、現状考えられる「効率的検索方法」を一通り紹介してくれてはいる。
そのなかでもやはり、Gメールに関する検索の利用法・活用法は「なるほど」と思った。以下に例を書いてみる。
→①「人名(特に固有名詞)」での検索がもっとも重要。
→人名で検索・分類すると時系列に結果が出る。それでほぼ欲しい情報は取り出せる。
→②「自分オリジナルのメールルール・雛形をつくると便利」
→③自分にメールを送ったりする場合、検索しやすいキーワードをつけると便利。
→例:著者は「あああああ」と頭につけているらしい。
○勉強法もネットの利用で変わってくる。
→著者が提案するのは「ヘリコプター勉強法」何も一歩ずつ山を歩いてあがる必要はない。ざっと分かればいい。
○勉強にしても検索にしても大切なのは次である。
→①まずは【問題設定】:何が問題なのか?何が知りたいのか?��れらを明確にしておく。
→②次に【仮説の構成】:問題に対する暫定的な答え・命題・主張・意見。理解や説明だったりを設定する力が必要。
→③考える道具=【モデル】の必要
以上のことを進めるには「考え抜く」しかない。
それら知的作業を助ける具体的な方法として
→とにかく「はじめる」こと。
→行き詰ったら「歩いて考える」こと。
→寝ている間に考えが進むことを「期待する」こと。
などがあるが、どのみち「材料を仕込んでおくこと」が絶対に必要である。
■■チェック項・紹介されているサイト・ツール■■
○GMail Drive shell extension(フリーウェア):マイコンピュータに「GMail Drive」が作成され、
PC内にあるドライブのように使える。ドラックアンドドロップでGメール上に保存される。
いちいちログインする必要がない。(P89)
○シュガーシンク(有料):複数のPCを同期することができる。WinもMacも可。(P92)
○ドンピタくん:テキストファイルを「超整理手帳」に挟みやすい形状に整形するソフト。
著者が提案。講談社のポータルサイト「MouRa」で無料提供している。(P114)
○Technorati(テクノラティ):話題になっていることをブログ検索してくれるサイト。(P154)
○以下「餅は餅屋」的検索サイトの紹介(P166~)
→①「総務省統計局」:日本の統計データ
→②「日本銀行」:金融関係
→③個別的な資料やデータ→目的の業界の主導的企業や業界団体のサイト。「データ集」「豆知識」「Q&A」などあるか見る。
→④新聞社・テレビ局・雑誌社なのでも経済データは得られる。*過去記事は期間が限定的なので有用ではない。
→⑤アメリカの新聞社のウェブサイトはかなり有用。
→⑥電子図書館の利用。
○「グーグルデスクトップ」の利用(P178~)
■ダウンロードするとウェブと全く同じ感覚で自分のPC内を検索できる。
■テキストファイル以外にも、ワード・エキセル・PDF(一部)・ウェブ検索履歴なども検索してくれる。
■「and検索」もできる。さらにある程度あいまいな検索もやってくれる。(*GREP検索のような完全一致検索の必要がない)
■検索結果が時系列順に表示される。
■特定ファイルの検索用インデックスから削除も可能。
▲おもろ▲
○「コピペ」がだめで図書館にある参考書をつかうのはOKっていうのはおかしい(P220~)
→それは単なるサディスト的な発想。
→ウェブで得たカンニングペーターを持ち込み可にして、その上で「問題解決能力のテスト」をすべき。
→入試試験では「検索エンジンを用いて新しい仕事の企画書をつくってみよ」などの問題をだせばよい。
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野口悠紀雄教授のベストセラーである「超整理法」から早15年。 知識社会の変化を捉えた上で大きく書き直したのが本書、超「超整理法」 である。 あれからもう15年も経つのか?という思いもありつつ、流石は野口教授、変化の激しいコンピューター時代の中にあって確り順応しつつ新しいものを取り入れてゆく姿勢は素晴らしい。
15年前の超整理法では、紙と言う物理的な情報源を極力少ない労力で整理するにはどの様にしたらよいのか?というもの。 一般的な"整理法"と思われていた「カテゴリー分けすること」という思い込みを撤廃し、画期的な整理法を世の中に提唱した。 今回野口教授が目をつけたのがGoogleであり、そのメールサービスであるG-Mail。 殆どの資料が電子化でき、検索エンジンを使えば混沌の情報の吹き溜まりから自分が欲しい情報を的確に取り出すことが出来る。 検索の方法さえ分かっていれば、もはや整理する必要が無いのだ。 新しいPCの概念を導入することにより、人間の知的生活は格段に向上する。
後半は情報化社会の有り方を述べた章となっている。
整理法の話でありながら、検索を軸として知のスタイルにも触れている。
知的作業に必要なプロセスとして
- 問題意識
- 仮説の構築
- モデルの活用
を挙げ、PCによる検索力が上がったとしてもそれを使う人間側が正しいプロセスで動かして行かねば知的生産は出来ないとしている。
このようにIT環境の変化・発展に伴い人間の知の営みが変わってくることを本書を通して野口教授は指摘している。
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・「問題設定」「仮説構築」「モデル活用」
・Gmail Drive Shell Extention・・仮想ドライブ
・SugarSync・・・複数マシンの同期(有料)
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結局はインターネットをうまく使うことなわけですが、特にGoogleをうまく使うノウハウが書かれてます。ただし僕はAppleのMobile Meを使っているので既に、この本で書かれているノウハウは知っていることが多い。でも無料でここまで出来るGoogleはやはりすごい。
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