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使っている言葉によって(英語、中国語とか)、使う脳の部分もかわるそうです。
「へー」と思いました。
多分、”使っている言葉によって(英語、中国語とか)、使う脳の部分もかわるそうです。”という文章を英語に訳して、
英語圏の人に読んでもらったら、私と違う脳の部分が反応して違った感想を持つかもしれないんですかね。
私と同じで「へー」と思うだけかもしれませんが。
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強烈なタイトルが気になって、読んでみました。
違和感を感じながら、プルーストの著作にイカなんて出てきたかなあ、実は好物なのかなあと考えます。
副題が読書と脳についてだったので、さらに不思議に思いました。
文字や読書が人間の脳にどのような影響を与えるのか、さまざまな側面からアプローチしているこの本。
内容の専門性の高さに驚きます。
脳科学から言語学、文学そして考古学まで、さまざまな学問の領域を超えて論をまとめていく手法。
著者の広範で深遠な知識には驚くばかり。
内容によってはかなり難解で、ついて行くのが大変な箇所もあります。
タイトルの意味は、第1章にありました。
読字の異なる側面の説明のため、採り上げた二つの事例だとのことです。
メタファーとしての面ではプルースト、研究例としての面ではイカ(科学者たちによるニューロン研究)にしたとのこと。
読字が熟達レベルに達すると、生理学的にはニューロンレベルで変化が起こるんだそうです。
トランスアカデミックな話の展開は、とてもおもしろいのですが、読みなれていない身には、なかなか高度。
読字習得は、人間の遺伝子レベルに組み込まれておらず、すべての子どもは、数千年かけて人類が文字を読む能力を得たのと同じプロセスをたどって、一人一人読字を習得していくとのこと。
ディスレクシア(読み書き障害)のことも詳しく書かれていました。
著者が一番力を入れて書いているようです。
ディスレクシアとは、読字や文章理解に困難を感じる人々のことで、近年では子どもの学習障害の一つとされていますが、実は歴史上、大きな成果を残した偉人たちが、かなりの割合でディスレクシアだったとのこと。
読字障害があって、ほかに優れた能力がある人が多いそうです。
ソクラテス、ダ・ヴィンチ、エジソン、アインシュタインは稀代の天才たちですが、みんな文字を読むのが苦手なディスレクシアだったと知って、驚きました。
古代ギリシアの哲学者、ソクラテスが知らなくて、プルーストが知っていたことは、「文字を読むことで脳がより深く思考する時間が生まれること」だそうです。
ソクラテスは、発言を文章化することを「死んだ言葉」として嫌ったそうな。
人類も長い時間をかけて少しずつ進化し、人間について理解を深めてきたんだなあと、思いを馳せました。
著者がエルドラドで読字を学んだ、と書かれていた時に、どんなファンタジックアドベンチャーな話に展開するのだろうと構えましたが、南米の黄金郷の話ではなく、イリノイ州に実際にある地名だとわかりました。
はじめはエルダーリーダー(Elder+Leader)という名前の町だったのに、街の入り口に掲げるウェルカムボードの看板を注文したところ、ペンキ屋が勝手にエルドラド (El Dorado)と描き、そのまま定着したとか。
おもしろい由来ですね。
読書が脳に与える効果について、文系的立場からだと、大まかな言語表現で終わるところを、理系的立場から、ミリ単位で説明しているところに圧倒されました。
文字を読むこと、そして読書について、人類の歴史と共に語りつくそうとする、壮大な試みの結集物。
とっつきやすくはありませんが、読書好きにとっては、一読の価値あるものです。
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読書は脳をどのように変えるのかという題名から想像する内容よりもっと 実用的な内容でしたディスレクシアで悩む父兄やなんかこの子は?と思っている先生方に読んでもらいたいような本でした英語圏の子どもについての本ですがディスレクシアの分類など本当にすっきり納得できました
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人類が文字を習得した歴史と、子供が文字を読めるようになるプロセスと、ディスレクシア(読字障害)の話。人類が2000年かけて身につけた文字を、子供は2000日で身につける。
文字の発明
シンボルによって何かを指し示す
シンボルを体系化する
音とシンボルを対応させる
シュメール人
6~7年の特訓で文字を学ぶ
音や意味で文字を分類
(エジプトの文字は各方向が決まっていなかったが、シュメール人は、左から右、次の段は右から左、次は左から右、とつづら折りのように書いていたらしい)
インカ文明
結縄による記法
スペイン人が焼却(野蛮だなぁ)
ソクラテス
口語と文語は違う
文語は死んだ言葉、柔軟性に欠ける。記憶を破壊する。知識を使いこなす能力を失わせる。
子供
5歳までに、よみきかせの経験によって3200万語の差が生まれている。
読み聞かせと、文字の音読の経験が文字の習得に大事
読み手の能力レベル
文字が読めない
読字初心者
解読に取り組む読み手
流暢に読解する読み手
熟達した読み手
(文字が読めても流暢に読めない人はいる)
ディスレクシア
読字に支障(米国の15%、日本でも3%前後いるらしい)
そもそも脳は文字を読むためにできたわけではない
複雑な要因、多様な症状
脳そのものの障害、知覚以前での支障
エジソン、ダ・ヴィンチ、アインシュタイン、ピカソ、ジョニー・デップ、ガウディ。。。みんなディスレクシア
空間把握能力に長けていたりする事が多い
が、多くの場合幼少時にスポイルされてしまう
才能の無駄
泳ぐのが先天的に苦手なイカも存在し、生き延びてきている。ディスレクシアも、読字にはむかないが才能がある。長所を活かし合えるような社会を。
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私たちは、普段生活の中で多くの文字を読んでいるが、それはけっして自然に発達した能力ではない。文字そのものは人類の歴史において比較的新しく生まれたものだ。太古よりの文字が、古代ギリシャのアルファベットに至るまでには2000年という歳月を要した。シンボル、記号によって視覚的情報を抽象概念におきかえることで情報伝達を容易にするという一連のプロセスは人類史上最重要発見の一つであることは間違いない。この記号化によって脳の使用領域がより複雑で複合的になった。その結果、より深い思考ができるようになったのだ。実際、無文字文化で今日の文明発展など決して創造できようはずもない。ソクラテスは書き言葉を否定したが、書き言葉がもたらす効用を完全には知ることがなかった。本書では読書によって、読解力が向上し、仮説、推論する力、相手の気持ちがわかる力などが向上する例を研究によって挙げている。 著者の研究成果がディスレクシアすなわち読字障害への対応方法に繋がっているという点にも注目できる。
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文字の出来方からそれを認識するするためにヒトの脳の仕組みがどう造らたかが書かれてる。もともとヒトの脳は字を読むように造られていなかった。アリストテレスが口頭問答での学びを尊び文字に残すことに反対してた理由も。過去に僕が読んだ本で間違いなく1番難しかったのはこれ。
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読字によって、現実と本の世界というパラレル・ワールドを持つことができること。そのため、孤独を感じることがなかったという筆者の幼少期の思い出話に共感する所が多かった。
本書の構成は、文字の起源から、シュメール人の読字指導法、ディスクレシアという普通とは異なる編成の脳についてなど、興味深い内容ばかり。ここで挙げられたディスクレシアは、1つの具体例であり、人間の多様性、潜在能力について今一度、問いかける本であったように思う。また、ディスクレシアの息子を持つ筆者の探求書であるため、疑問に思う部分が余すところなく拾われていた。
単語の意味、形成されている文字が世界のどの部分を指しているのかを認識することは、自分自身の役割を社会の中で見つけていく作業に似ている。そう考えると、「読む」という行為が自分の考えの投影というのも頷ける。他人の思考を知るのに、こんなにも素晴らしい道具は他にない。
そして、熟考するという、一見退屈な行為の積み重ねの先にあるものを求めて、”流暢な解読者から、戦略的な読み手”へ。
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「プルーストとイカ」この強烈なタイトルに惹かれて読んでみました。また自分が読書好きである事を正当化したいと言う思いもあったので。とても面白い文章でした。えてして刺激的なタイトルの割には専門的分野に走りがちなこのジャンルの中で最後まで平均的読者の興味を引き続ける構成はとても上手い。「現在の脳と4万年前の文字を持たなかった脳との構造的な相違は殆どない」「脳の設計は読字を可能にした」「読字の為の設計は脳を今なお進化させている」いや~カッコいい文章や!
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文字を読む、読者をする事で脳に与える好影響。
他者意識の視野を体験。
イマジネーションの強化。
読字による情報処理能力の向上。
アルファベットは、言語音韻の効率的な表現に適していた。
ソクラテス自身は一語も書き残さなかった。 死んだ言葉である、文字伝達より、生きた言葉の口承伝達に重きを置いた。(ディベートによる真実追求にそぐわない)
ディスクレシア(読字障害者)の持つ、特異な感受性。 右脳が通常より発達する事で、左脳の情報処理能力が損なわれる。
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それほど面白くなかった。僕たちの経験からしてもいわば常識的なことが脳科学を使って書かれているだけ。だが、英語・中国語・日本語で脳の使う部分が異なるなど、幾つかの指摘は面白かった。私たちの身体は言語によって形作られているのかもしれない。もちろん、身体の要求が言語、特に言葉のリズムを作るものでもあるが。
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ディスレクシアと、文字を読む事の大切とのつながりがよく分からなかった。かなり省いてしまった部分がある。もう一度読み直したい
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fMRI万能期の著書なので脳科学部分はかなり割り引く必要がある。
英語の細かな音節や難読症に関する考察も著者のこだわりは見えるが普遍性としてはあまり感じない。
それ以外の部分で、割合は多くないが、比較言語学に関する考察は面白い。私達は日本語の特殊性をもっと誇りに感じても良い。
英語を学ぶのは良いですが、日本語を捨てちゃダメですよ。
ソクラテスが書き文字の権威化に警鐘を鳴らしているのは興味深い。年寄りが新しいテクノロジー(書き文字)に拒否反応を示していると取れなくもないが。
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非常に丁寧に数多くの研究に言及し、日本語と脳に関連する面白い内容のものもあったが、やや専門的というか、一般向けとしては読者を選ぶのではないかと思った
この分野に興味がある方には非常に素晴らしい本であることは間違いないのですが
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少しばかり直感に反するが、脳には言語を処理するためのレディメイドの回路というものが予め備わっているわけではないのだそうだ。従って文字を読むためには、聴覚や視覚等他の用途の為に設えられた既存の回路を配線し直して、新たに言語を処理する専門領域を脳内に割り当てなければならない。一旦このプロセスが完了してしまえばこの領域は自動性を獲得して効率よく文字情報を処理し、他のより高度な分析や思考に費やすべき労力と時間を節約してくれる。だが見方を変えれば、我々は読字の際にわざわざ脳内回路を再編成するという「廻り道」をしているともいえ、これが成熟という人生経験がもたらす影響と相俟って読書という行為に深みを与え、著者の意図を超えた思考に読者を導くのだという。
本書では、幼児の脳がこの言語回路を獲得する個体内のプロセスが、シュメール人の楔形文字に端を発する人類全体の読字の歴史とオーバーラップする形で解説されており、現代から古代を俯瞰する遠近感の演出が何とも心憎い。ただソクラテスの抱いた書き言葉に対する懸念を、現代のオンライン・リテラシーに単純にスライド適用することについては反論も多かろうと思うが。
また、各語で異なる書字体系のシンプルさの度合いが、認知の効率性を高め記憶のための労力を低減するという点で思考力に影響を与えているというのは面白かった。日本語は表語文字(漢字)と表音文字(仮名)を併用する、世界でも稀に見る複雑さを備えた文字体系だということだが、すると我々日本人の脳は複雑な文字処理に労力を費やしてしまい、思考力が弱いということになってしまう…かと思いきや、仮名の持つ音節の規則性がこれを補い、我々は抽象的思考を司る前頭前野に過度なストレスをかけずに文字を処理できるのだそうだ。何とも脳というのはうまくできているというか、一筋縄ではいかないものなのだなと思った。
しかし読み聞かせというのはそんなに子供の脳に影響を与えるものか。個人的な話だがうちの子供達について言えば読み聞かせを散々した上の子がその後殆ど読書をせず、逆にほったらかしておいた下の子は暇さえあれば本ばかり読んで勉強も得意という状況なのだが…。まあ読み聞かせだけがキーエレメントではないということか。
後半のディスレキシアの器質面の解説も読み応え十分。なお題名は二語それぞれが本書の二つのメインテーマを端的に抽象しており、なかなか秀逸だと思う(が、日本語にすると間が抜けた印象)。
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本読みには、堪らなく面白い一冊。読字は、脳のどの領域を賦活させるか。それは、中国語や日本語、アルファベットでも異なる。読字能力というのは後天的に習得されるもので、文字の生誕以降、人類の歴史は飛躍する。
後半、ディスレクシアに著述の大半を割いたのは、同障害を抱える息子への励ましか。少しくどい。サヴァン症候群が見せるように、一部脳の欠損があれば、脳の他の領域が、通常以上に働き、補う。ディスレクシアでは右脳域だが、優れた芸術家が多数存在する。脳の可塑性には、驚かされる。しかし、では、通常のバランスを保つ脳であっても、一部領域に過負荷をかける事で、天才を創る事が可能だろうか。加圧トレーニングのように。そんな所に興味の向きが逸れた。
ソクラテスの読字への警鐘についても、触れる。ソクラテスの杞憂は、彼の時代よりも、不安視するなら、ネット社会である、今でしょ。と著者は、言っている。ソクラテスの懸念は、一部、ショーペンハウエルの発言とも重なる。自らの思考を奪い、盲目的に書物に従うならば、確かに危険だ。至近の、論文コピペ問題にも通ずる。論文や教科書を盲目的に信じ切るのは、確かに危険だ。表現の自由が担保されず、未熟な倫理観の時代ならば尚のこと。
さて、読む事は、疑似体験を齎し、新たな回路を形成、あるいは、強化する。従い、真理に近づくためには、負荷を感じる位に、読みまくるべきなんだというのが、この本を読んだ結論だ。