紙の本
期待はしていなかったんですけど、それが当たる、っていうのはちっとも嬉しくないんです。やっぱりクイーンの名前を簡単に出して欲しくはなかったなあ・・・
2009/02/28 20:14
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の大好きな理論社のミステリーYA!。他社の叢書が尻すぼみ気味なのに対して冊数を順調に増やしていますが、それにつれて作品の出来不出来が気になり始めました。ま、本自体は守先正のブックデザインがいいので装画の質さえよければ、かなり手にされる可能性は高いでしょう。ただし、福井利佐の今回の画については疑問。っていうか、完全に大人の世界だし・・・。
ついでに、なんて書くと失礼ですが、挿絵は田中英樹、マークイラストレーションは谷山彩子です。そんな外見はどうでもいい、ミステリは中身が全て、この物語はは面白いのか?つまらないのか、早速、内容に入りましょう。カバー折り返しには
高校生の暮林少年は、
なにごとも論理的に考えぬかないと
気がすまないという
やっかいな性格の持ち主だ。
まるで、かの名探偵エラリー・クイーンのように。
ある日、学校の近くで起こった奇妙な殺人事件。
偶然巻き込まれてしまった暮林少年は、
考えに考えるうちに恐ろしい事実に気づく。
クラスメートのあの子が犯人だとすれば、
すべてのつじつまが合うということに。
しかし、静かな町を揺るがす
さらなる事件が起きる…。
本格的な謎解きの要素に満ちた
叙情あふれるミステリー!
とあります。高校生をつかまえて「少年」てえのは如何なものか、なんてここでカッツン。やっぱ、少年は中学生まで、高校生は青年でしょ。せめて高校一年なら許せるけれど、どうもそうではなさそうなんです、暮林くんは。それにしてもこの本でも芦辺の欠点が露呈しています。ともかく魅力的な登場人物がいない、一人としていないんです。
ま、これは芦辺の作品の特徴ともいえるんで致し方ないまでも、話が全く収斂していません。いや収斂しているのだろうけれど、それが緩々で、いったいどこを指して探偵小説、なんていう言葉が出てくるんだ、って言いたくなるんです。まして、このボンクラ・ヘタレ高校生がエラリー・クイーン???
よりによって、こんなところで安易にE.Qを出さないで欲しいんです。あのひとは神様なんです、それをテキトーに持ち出すな、って。そういうの読むと、なにが?どこが?ちゃんしゃらおかしいじゃん。エラリーはなんたって基本的に性格は明るいし、実際、成就はしなくても女性にもてるし。
それと全く必要ないのが97頁と100頁の図。読んでも分からないだろうから書いてしまいますが、ここには大きな落とし穴があって、要するに入れ替えが可能だということは、主人公は誰が自分の前に居るかも、後ろを歩いているかも気づいていないわけで、ということはその間に誰でも入り得るろいうことで、結局、犯人の特定なんかできっこない。
ま、どちらの言い分が正しいかは読んで、じっくり考えてもらうしかないんですが、これって解決してないです。それで探偵?クイーン?なにが?どこが?こういうこと書くから苦情、というか批難の言葉が舞い込むんですけど、我慢できないんです。それなら読まなきゃいいんですが、どうも芦辺にはそうできない変な魅力があるから困るんです。
さて、魅力のない登場人物を紹介しましょう。
まず主人公ですが、暮林一樹といいます。なぜか学年が不明ですが、一年生ではないことは友人の夏川について「一年の時、同級で今は他のクラスに」といった説明があるので確かです。容姿ははっきりしませんが、平均より背が低いことは明記されています。ものごとを突き詰めて考えるからもてない、というか、もてないから物ばかり考えているというか、全く魅力を感じない高校生で、正直、キモイです。
主人公の唯一の友人というのが、一年の時、同級で今は他のクラスになっているという夏川至です。行動派で女の子に人気がある、学年に一人は居るタイプの万能モテモテ男です。これまた学年に一人はいる、というのが行宮美羽子です。主人公より背が低い、ほっそりとして華奢な感じの女の子で、目立つ美人ではないけれど、隠れファンがいます。あの子ね、って思って構いません。
京堂広子は、クラス委員、とはいうものの優等生ではないし美人でもありません。そこらを歩いているオバサンにセーラー服を着させた感じといえば分かってもらえるでしょうか。なぜかそんなオバサン女子高生に惚れている様子の、これまたクソみたいな高校生というのがクラス委員長の的場長成です。主人公と魅力なさで競っている感じです。
部外者代表が黒川内刑事。道を誤ってエリート路線から外れた刑事です。いつも黒づくめで、主人公と気が合うというか・・・ビミョーなところ。
そういったオーラ皆無の主人公たちが、どういった動きを見せるか、とりあえずあまり期待せずに読んでみてください。案外、私とは全く異なる感想を抱くかもしれません。最後に構成ですが
書き忘れられたプロローグ
チャプターが全部で19
それに誰も知らないエピローグ
あとがき
となっています。
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ミステリーYA!です。
現実めいているようで、さもあらず。
不思議な感覚でした!
あまりハマらんかったなあ…。
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論理的に物事を考える主人公。
帰宅途中の道で死体が見つかった事により、次の日事情聴取へ。
そこから始まる、死体とクラスメイトへの謎。
一体何がどうしてどうなっているのか。
説明に絵がついているので、ちょっと分かりやすいです。
どんどんと利用されているというか、小さな罠にはまっていく主人公が
すごいというか踊らされているというか…。
その後、こういう事なんだ、と気づく推理…というか論理的に?
話を考えて行くのが、えらく冷静な感じです。
面白くはありましたが、この終わりはどうだろう? と
思わずにはいられないものでした。
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表紙とタイトルが綺麗。
内容は・・・・
ストーリー自体は悪くないけど、登場人物が中途半端。
微妙なカッコ悪さがなんか・・・ヒロインももうちょっと。
ミステリーYA!だから期待してたんだけどなぁ
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ばりばりのミステリだと思って読むと、ラストの展開で「あれ?」と思ってしまいましたが。ファンタジックな要素を兼ね備えた、ミステリ冒険物語。トリックはさほどないのだけれど、素人が探偵になってしまう過程というのはこういうものなんですね。
あのからくりは壮大ですねえ。最初は普通の(?)ミステリだと思っていたので、こんなのが出てきてびっくりしましたが。印象的でした。
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表紙のデザインが気に入って手に取った。内容はミステリーなので、嫌いじゃない。そうして読み始めた本。
読み終わってまず思ったのは、作者の考え方が良い。後書きで自分が小説の世界に入ったら、ヒーローにはなれない。でも、探偵ならどうだろうか?……というような話があって、それに納得した。
小説を読むときに、ただ単純に話として読むときと、感情移入して登場人物の立場に自分を入れて読むときがある。ただし、感情移入するにはより自分に近い立場に居る人でないとダメだ。例えば、スポーツが嫌いな人が、スポーツが大好きな主人公の話を読んでも、共感できる部分は少ない。よって感情移入は出来ない。
自分も、もし自分が小説の世界に入ったとしても、ヒロインにはなれない(なりたいとも思わないが)だろう。なぜなら、特別な何かを自分は持っていないから。
そんな、作者の考えによって生まれた、本当に何処にでもいるような暮林少年が主人公のこの作品。心理的には少年の気持ちをリアルに表現しているが、行動はやはり小説らしい。そうしないと、話が進まないのだから仕方がないが……ちょっと、中途半端。そこがこの作品の長所であり短所かな。
ヒロインである行宮や、ヒーローである親友の夏川は根っからの小説らしい登場人物だと思った。この二人の行動は小説っぽくて読むと楽しい。
ただ、夏川の終わりが酷くて、あれだけやっておきながら真実を本人の口から聞くことなく、何のからみもなく消えてった。男の友情と言うものに無駄に夢を見ている自分からすると、かなりショック。
結末は読者に今後を想像させる(国語の教科書でよくある)タイプで、めでたし、めでたし、と終わらないので、小説を読みきったあのなんとも言えないすっきり感や満足感は味わえない。
けれど、その世界にどっぷり浸かれた人にはたまらない(今後を色々想像できるから)終わり方。
今回の自分はあんまりこの世界に浸かれなかったので、むず痒い結末でした。
そして、タイトルと本編との関連が微妙でした。もっと意味があるかと思ったら、そうでもない(自分の読解力が、ただ単に足りないかもしれないが)ので、ちょっと期待はずれ。
表紙デザインに惚れた本だから、こんなものかな……。
アタリでもハズレでもない。
【図書館】
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いろんな可能性が残る話だなぁ・・・と思った。
これが1巻だけでなく連作だったらその可能性も絞り込めると思う。
それともこういう疑問を残すことが本書の狙い?
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ミステリ…?オチないまま終わったような話でした。
主人公の考え方も中途半端だし、肝心のヒロインの印象も
あやふやな感じで、なんともいえない本でした。
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2011年3月31日読了
あからさまに妖しい人物を、最後まで救っては落とし続ける話にすっかり騙されてしまいました(;一_一)
というか、暮林くんが勝手に妄想補完すること自体が、既に罠だということなんだよね。振り回された彼はちょっと可哀想だった。夏川くんのことに関しては、特に。
内容的には色々なミステリーの知識が散りばめられ、自然とエラリー・クイーンやホームズが気になるように仕向けてある。あと、全体的に黒蜥蜴のオマージュなのかな?
しかし、彼女は確かにモリアーティっぽい悪役ですが、目的というか動機がイマイチな気がした。"あるもの"と表現したり、物語になぞらえたり、抒情的ではあるけど探偵役の暮林くんがロジック派なのでかみ合わなさすぎた気がする。
但し、月蝕姫というのと装丁は綺麗だった。
最近、妙に一人称系が苦手なような気がする。…単なる相性か?
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■高校生の暮林少年は、なにごとも論理的に考えぬかないと気がすまないというやっかいな性格の持ち主だ。まるで、かの名探偵エラリー・クイーンのように。ある日、学校の近くで起こった奇妙な殺人事件。偶然巻き込まれてしまった暮林少年は、考えに考えるうちに恐ろしい事実に気づく。クラスメートのあの子が犯人だとすれば、すべてのつじつまが合うということに。しかし、静かな町を揺るがすさらなる事件が起きる…。本格的な謎解きの要素に満ちた叙情あふれるミステリー。
■■正直スケールが大きすぎてよくわからん結末でした。前半は普通だったのに後半が・・・。美少女は結局何ものだったのだろうか・・・。
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なんなのだろう、この世界は。最近、なぜその本を読もうと思ったのかきっかけが思い出せないことが多い。この話に出てくる、学校図書館のやるきのない司書にはチクリとさせられるものがあります。
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荒唐無稽な話でも、ディティールがしっかりしていればOKなんですが、これはちょっとその辺りが粗い感じで個人的には今一つ。
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えっ!?え、えええ、ええええ……!?
目指すは江戸川乱歩だったのでしょうか。
ジャンルも、作者さんの傾向も全くの予備知識無く読んで、↑みたいになりました。
とっても青春小説風で、ラストはちょっとだけ好きでした。ただ、内容は……ついていくので精一杯。もっと若い頃だったなら、違和感なく、溶け込めたの、かな……?
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図書館で見て、最初の方がよかったので借りました。だんだんよくわからなくなってテキトーに読みました。最後はどんな感じだったっけ?
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言い訳がましい主人公が名探偵役。久しぶりに推理小説らしい推理小説だった。
やっぱり推理小説は楽しいな。