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[ 内容 ]
生命とは、刻々の創造の連続である。
複雑な環境の中でリアルタイムに創出される知、即ち生命知がなければ生命を維持することはできない。
著者は生命的創出知という新しい観点から「場」の文化を深く捉える方法を発見し、今日まで四百余年の命脈を保つ柳生新陰流の術と理にその知を見出した。
本書は生命システムの普遍的な性質を追求しつづける著者による「創作的場所論」の確立と、それによる近代文明超克に向けてのテーゼである。
[ 目次 ]
1 場所とは何か(生命的な知;関係的表現の場;自己言及とシナリオの創出;脱学習と創造;場所的創造;創造における「主語」と「述語」)
2 剣の理と場所の論理(リアルタイムの創出知―柳生延春氏への手紙;剣の理と場所の論理―柳生延春氏との対談;即興劇モデルの追求―柳生延春氏への手紙 第二信)
3 柳生新陰流の術と理(流史;術と理)
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斜め読みにて読了。
このテの本を読んだのが久しぶりだったので、読んでは戻りを繰り返してざっと理解した...つもり。
場所論への興味もさることながら、柳生新陰流をもっと知りたくなった。
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http://www.chuko.co.jp/shinsho/1996/11/101333.html
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人工知能と身体性に関わる省察。
重要点
1.「リアルタイムの創出知」合気道とロボットの研究(p.23,43)
2.人工知能の理論には「脱学習」がない。(p.85)
3.科学は、対象を(自他分離的に)外側からとらえるという立場のため、「見えない自己」「見えない身体」の存在に気づいていない。また、仮に気づいたとしても、それを取り扱う論理を持っていない。(p.78)
4.3.の克服に、西田哲学の「場所」の概念とライプニッツの「モナド」の対比を援用して、「即興劇モデル」という独自の理論を生み出している。
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著者自身の提唱する「場の生命論」の立場から、即興劇などにおける「リアルタイムな創出知」の謎を解明することをめざした本です。
著者はこの問題を考察するにあたって、「自己中心的自己」と「場所中心的自己」を区別し、とりわけ後者の観点から自己のありかたを見なおすことによってフィード・フォワード的な知の創発が可能になるという思想を語っています。さらに、柳生新陰流における「見の目」と「観の目」の区別にも着目し、相手を働かせてその働きにあわせて勝つ「活人剣」の思想を高く評価し、そこに含まれる知恵を思想として取り出そうと努めています。
近年は内田樹も武道についての思想的なエッセイを数多く執筆していますが、そうした関心のある読者にはおもしろく読めるのではないかと思います。