紙の本
「夫婦愛」の物語
2009/07/09 12:55
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『汚名 国家に人生を奪われた男の告白』は政治家・鈴木宗男(衆議院議員・新党「大地」代表)による政治闘争の記録です。
権力中枢から狙い撃ちにされ、ありとあらゆる謀略攻撃を受けながらも生き残り、いまもしぶとくしたたかに戦い続けている鈴木宗男さん。
その戦いの軌跡を書き記した1冊です。
と同時に『汚名』は「愛」を描いた本でもあります。
・親子の愛情(ご母堂、3人のお子さんたち)
・同志愛・友情(佐藤優外交官)。
・上司と部下の絆《きずな》(佐藤玲子秘書)。
これらの「愛」が描き出された本なのです。
そして『汚名』最大の主題(テーマ)は「夫婦愛」です。
「政治家・鈴木宗男」を支え続けてくれた典子夫人との「夫婦愛」を無骨ながらも繊細に(大量の涙とともに)書き綴《つづ》ったのが『汚名』なのです。
奥様の強さを認め、自分の「ナイーブ」さを認める鈴木宗男さん。
「不撓不屈」「タフ」「獰猛」「モーレツ」といったキーワードがよく似合うムネオ氏が「妻」への愛と信頼を率直に語る場面です。
そして「強い女」典子夫人が夫への愛と信頼に応えていく。
ときに激しい気性を垣間見せながら。
典子夫人は、まさに「賢夫人」頼れるパートナーです。
2002年、鈴木宗男議員がほぼ全てのメディアから「疑惑の総合商社」「日本一ダーティーな国会議員」「北方領土二島返還論者」など猛烈なバッシングを浴びていた時期、典子夫人にも過酷な心労があったはずです。
しかし、それにもかかわず、夫の「変化」を察知して「絶対に一人にする時間を作らないように」と、きわめて現実的な対策を実行して、夫を守り抜いた。
まさに「女丈夫(じょじょうふ、気性が強くしっかりしている女性)」とは鈴木典子さんのためにある言葉ではないでしょうか。
典子夫人は獄中の夫(宗男氏)に対して「信念を持って闘ってください」と言い切った。
もちろん、そこには「夫が悪いことをしていたはずがない」という強い信頼があるのでしょう。
そして「私もともに最後の最後まで戦う」という覚悟があったのでしょう。
『汚名国家に人生を奪われた男の告白』で描かれた鈴木夫妻の「愛」の在り方に私(喜八)は強く心を打たれました。
鈴木宗男・典子夫妻をお手本として、私も惚れた女性とのあいだに信頼関係を築き、お互いに助け合いながら、しっかりと生きていきたい。
そう思っています。
素晴らしい本を読ませていただきました。
鈴木典子・宗男様に心よりの感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
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小泉はなぜ鈴木宗男を切ったのだろう?北朝鮮問題でもロシアとの良好な関係は利益なはず。
政治の世界は分からない。
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「お父さん、悪いことをしていたらなら、バッジを外して、政治家を辞めなさい。でも悪いことをしていないのなら、信念を持って戦って下さい。松山千春さんをはじめ、講演会の皆さんから、あなたを信じてますと、毎日、激励がきています。各事務所の秘書も歯を食いしばって頑張ってますよ」典子
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結論としては、とてもよかった。
自民党の古い政治家、というイメージがあって、悪役という印象があったが(実際そういう面があるだろうけど)、ただ、国策捜査の被害者というのは真実だろうと思った。
また、家族とこんな信頼関係があるのに、極悪非道の政治家のはずがあるか、というような記載もあったが、確かにそうかも、と思わせる内容だった。子どもによる選挙応援のところとかは、感動させられる。
本人も、自らの態度がでかかった、ということを気づいていたような記載もあり、少し応援したくなってしまった。とはいえ、古い利益誘導タイプの政治家であることは否めないが。ただ、私腹をこやすタイプかというとそうではないのかも。
まつやまちはるとの関係も、なかなか心打たれる。「新党大地」はまつやまちはるがつけたそうだ。確かに、本当にひどいやつだったら、有名歌手がそこまで心から応援しないだろう。
人生、なにがあるかわからない。そして、どん底からでも、信念があればやりなおせるんだな、と感じさせられた。
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マスコミで報道されているものが全て真実とは限らない。
そう再認識させられる本だった。
この本の全てが真実かどうかは分からない。
だからこそ何が真実なのか精査・吟味する目を養わなければならないと思わされる一冊だった。
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民主主義の成熟度は、われわれの刑事制度に対する理解と深い関わりがある。詳細は割愛するが、そのことをここに強調しておきたい。
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小泉政権時にあった田中真紀子vs鈴木宗男の政争について。
ここに書かれている事がすべて真実とは断言できないけれども、もし本当であるならば北方領土は返還されていたのかもしれませんね。
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検察の暴走たるや恐怖すら覚えます。
政権交代をする前から現在まで鳩山首相、小沢一郎議員、小林千代美議員と民主党議員の金の問題がクローズアップされていますが、これらの本を読んだあとでは検察の正義も新聞の情報も信用することは難しいです。
検察は民主党政権に代わったことにより、過去の裏ガネ問題を(その額を知ると怒りを覚えます)公の場で捌かれることを恐れて事件を作り出しているのかとそう思えてきてしまいます。
検察に狙われたことにより社会的にも大打撃を受ける。
一般市民として恐怖です。
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【汚名】 鈴木宗男さん
2002年3月11日、衆議院予算委員会の証人喚問で辻元清美衆議院「あなたは、疑惑のデパートどころか、疑惑の総合商社ですよ!」と叫断されたあたりから、世間は鈴木宗男をハッキリと「悪人」と認識した。
地検は鈴木宗男を起訴するコトに尽力をつくし、マスコミもそれに同調した。外務省は特別な場所である。組織の性質上、内情は一切表に出ない。マスコミも外務省側からの一方的な報告を信じるしかないのだ。そして、鈴木宗男は逮捕された。鈴木宗男は思った。これは国策捜査だ。
☆
久しぶりに小説以外の本を読みました。辻本清美さんが叫んだこの国会はテレビで見ていた記憶があります。あれからもう10年も経っているとはこの本を読むまで思いもしませんでした。。
この本に書かれている事を無条件で信じるつもりはありませんが、
なるほどと共感出来る部分もありました。鈴木宗男は佐藤優のアドバイスを受けてたびたびロシアに足を運んだ。外交には人と人との信頼関係が大切だとかかれていました。そして、国が変われば常識も変わる。十年以上の歳月をかけて築き上げて来たものが、現場を経験している人間にしか分からない現場の状況というモノはある。新しい組閣で変わった大臣にはそれが分からない。正論のみを振りかざし、相手の心情をないがしろにする。その結果、交渉は滞る。北方領土の問題にも書かれていました。当初はまず2島返還で話がほぼ決まりかけていたそうですが、内閣が変わり、方針が4島一括返還に変わったそうです。それが如何に無理な話かは現場に居ないとわかりません。ロシアにはロシアの事情がある。4島一括返還だとロシアの世論が納得しない。そういう相手の事情や心情を考えずに正論だけを振りかざした結果、北方問題は暗礁にのりあげた。。この本を読んで、沖縄基地問題や八ッ場ダム問題のコトを連想しました。政権をとったばかりで、内情を何も知らずに数字や論理だけで物事を押し進めた結果問題が複雑化している。物事には歴史がある。それを理解しないとアカンのやなぁと思いました。
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2009年だからだいぶ前の本。鈴木宗男さんかわいそうだなぁ・・・という気持ちになって近況を調べてみたら、毎日ブログを更新するなどしていて少し安心した。
ムネオハウスとか、ムネムネ会とか、ネーミングがキャッチー。
弘中弁護士は、鈴木宗男さんが有罪になったのは一審での戦い方がまずかったからだと書いていた。