投稿元:
レビューを見る
崩壊する教団と暴走する信者、次々と退路を断たれ窮地に落ちまくる桐生。正直、桐生慧海と矢口はここまでひどいめに合わなければならないのかと怖ろしかった。引き続きどんどん読めはするけど、ちょっと食傷気味だった。女は怖いね。上巻が終わって下巻を読み始めるころが一番楽しかったかも。
投稿元:
レビューを見る
(あらすじなど)急速に膨れ上がった教団は、信者が起こした事件や奪回家族の運動などに押され、壊滅状態になる。狂信的な女性信者五名は教祖とともに教団に残り、信仰にいれあげてゆく。薄気味悪くなった教祖は、全てが虚構であったことを告げ、教団の解散を決定するが、悪魔がとりついていると、逆に教徒らのリンチに遭い、拉致されるように全員で流浪の旅にでる。追いかけてきた奪回家族を殺害し、全員が逮捕される。■食われる前に食わなければ。信者は食われて幸せなのだ■結局のところ、彼らは自分の生活史に、教祖の言葉を当てはめるのだ。集合写真を渡されたとき、まず最初に自分の顔を探す。それと同じことだ。教祖の語る一般論の中から、まさに自分ひとりのケースに当てはまる言葉を探し、自らの境遇にあらためて涙する
投稿元:
レビューを見る
下巻になって冗談や漫画のような出来事、展開が続いていきますが、はまった人々の姿がリアルに描かれ圧巻です。
投稿元:
レビューを見る
理性の上巻、狂気の下巻。理性的な宗教ビジネスから一転、カルト集団へと堕ちて行く様が鳥肌ものでした。教祖の意志とは無関係に暴走する信者、歪んでいく教義、失われていく理性。怖かった。。「俺はそんな教えは説いていない!」主人公の叫びが痛ましい。あの終わり方はほっと安心していいのか、不穏な予感に戦慄すべきか。
投稿元:
レビューを見る
勢力を拡大し、大きな収益が転がりこんできた教団ですが、下巻ではカネの問題をきっかけに落ちるところまで落ちていきます。
全て終わりかと思いきや、信仰心の強い信者が組織に残り…。かつて世間をにぎわせた某教団のように、先鋭化した組織が社会に背を向けて暴走していきます。いわゆるホラー小説ではないのに、それ以上に怖い。下巻にずっと緊張感が漂っていて、読み終わるとドッと疲れが。
投稿元:
レビューを見る
篠田さんの前職が 福祉の現場でらっしゃるそうで追いつめられて 宗教に逃げてくる人たちに そのあたりの経験が生きているのかな と思いますふつーのおばさんたちの造形とか。
投稿元:
レビューを見る
最後まで予想もつかない方向に
どんどん転がっていくストーリー。
その中で、人間というものが、
悲しさも、制御のきかなさも、
愛という側面からも、
しっかり描き出されていて、
「これぞ、小説!」と思いました。
まったく知らない世界を覗いているのに、
社会の縮図を見ているようでもあり、
とっても恐ろしい世界なのに、
決して遠い話ではない。
真実をもとに虚構の世界に引き込んでくれる。
小説の醍醐味をしっかり味あわせて
もらった気分です。
こういう小説を読みたいんだ!って
思わせてくれる小説でした。
投稿元:
レビューを見る
転職に失敗して底からスタートした宗教の似非教祖の話で、徐々に成功していきかなりの規模の宗教まで発展するけど、些細なところから一挙に転げ落ちていく。
落ちてからはドロドロで飲み込まれるように呼んでしまう
話がダレる所もなく楽しく読み終えた
投稿元:
レビューを見る
ひどい読後感。胃から何かせり上がってくる感じ。
桐生の宗教はしっちゃかめっちゃか。アイテテテな方々が暴走。
面白くて読むのが止まらなかったけど、ひどい気分。
グロさ的には桐野夏生のポリティコンの方がまだマシかな。
投稿元:
レビューを見る
「宗教」を経営する話。
上巻はサクセスストーリーなので、サラッと読めます。
なるほど、こんな風に新興宗教は大きくなるのね、みたいな。
下巻はある事件をきっかけにカルト扱いされて、
転落していくのだけど、その内容がかなりドロッとしていて
上巻との対比が面白い。
もう最後らへんは気分が悪くなるくらいカルトですw
でも、その中でも主人公はやっぱり普通の人で、そこにも注目。
ラストまで救いはありませんのでご注意を。
最近読んだ作品の中では一番面白かったなぁ。
人間の心の純粋さや歪み、闇が垣間見える。
投稿元:
レビューを見る
2010年版このミステリーがすごい!第7位。面白かった。ビジネスで宗教を作り上げる。なんて私好みなんだ!と思って長かったけど、頑張って読んだ。前半はところどころ笑えるとこもあり、かつ、あまりにもとんとん拍子でうまく行きすぎて、いつひっくり返されるか、どうなってしまうのか、怖い感じだった。しかし、こんな会社の社長がはまった宗教に、社員たちも関係させられるなんて。ワンマン社長じゃなきゃあり得ない。桐生慧海こと鈴木正彦のバランス感覚や頭の良さには感動。生きづらい系の人たちは仕事柄、想像がつく。全く、正直に言えば関わりたくない人たち。下巻は聖泉真法会が没落していくさまが書かれる。マスコミの叩き方のなんと恐ろしいことか。井坂はほんとに許しがたい。正彦が思った通り、こんな人格破綻者が素晴らしい文体を持っているのが恐ろしい。後半の集団ヒステリーぶりはリアルだった。私がカルトとひとくくりにしている中には、こんな呑まれている教祖もいるのかもしれない。下巻は上巻に比べるとイマイチだ。怖いの一言。
投稿元:
レビューを見る
やっと終わった、長かった。
ビジネスとして宗教を始めたが、回りからはカルトだと呼ばれ、信者達は、独自に仏を見るようになり、どんどん歯車が狂ってくる。
教祖として活動していた桐生は、手におえなくなり、解散しようとするが、信者達は止まらない。
最後は最悪な事態も発生し、食い止めることができず終止符がうたれる。
投稿元:
レビューを見る
鰯の頭も信心から、それをリアルに描くとこうなるのだろう。
信じたもののためには邪魔なものや反するものを始末もできる、まさに狂信。
しかしそれは我々にもある。
自分が好むものを悪し様に言われれば腹がたつし、また人は得てして他人が夢中になっているものに難癖をつけたがる。
そして争いが起きる。
宗教がらみの事件の実録を読んでいるようだった。
エンディングに、救いと恐怖を感じる。
忘れがたい作品。
投稿元:
レビューを見る
篠田節子にハズレはないなあ。 思い付きのビジネスで作った宗教法人が、にわか教祖の手を離れ 一部の信者達の暴走で壊れていく。 「救われたい」と願う他人の深い闇に金目当てで迂闊に触れてしまった報い。ただ、エセ宗教から生まれたのは悲惨な事件だけではなかった。不思議な読後感。
投稿元:
レビューを見る
下巻の前半でかなり堕ちたなと思ったが、その後もっといってしまうとは…。まさに宗教に食われてしまったという感じ。
ボリュームがあって読むのを躊躇うかもしれないが読んで損はなし。というかぐいぐい読めるので大丈夫。良本でした。