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実は短編集というのは初めて読む本。
作詞などで、何かぐっとくるものを私は感じる大槻ケンヂさんの書いた作品、ということで読ませていただきました。
結論からいうと面白いです。
短い話の中に感動がありバラエティがあり。
感動の後に笑い、というのはよくあることなのに、この本の場合は何か不意打ちのようなものがあります。
ちなみに、題名に「ゴシック&ロリータ」とありますが、別にそれに固執した話ではなく、話に何かしらの形で「ゴシック&ロリータ」が関わってくる、という形です。
どの作品も味があり、下手に「感動するよ!」といわれて読んだものよりかは私は面白いと感じました。
短編集というのは読み返しやすいですし、是非是非一読してほしい本でした。
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色んなゴスロリ少女の物語を漫画読むみたいにぱらぱらと楽しめた。
個人的には
「英国心霊主義とリリアンの羽衣」
「二度寝姫とモカ」
「おっかけ屋さん」
が特に好き。
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「ゴスロリってほんとっかわいいね」
ゴスロリに心奪われた少女の、
綺麗で華麗な物語集。
オーケンらしいな。
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そう!こういうのが読みたかったんだ、というのが最初の一編を読んでの感想。20編あるけれど、どれも素晴らしい内容。大仰な言動やブラックジョーク、ファンタジーな世界、そしてちょっぴり切なくなったりほっこりなったり。リズムカルでコミカルな文章はページを捲る指が止まることを許さない。大槻さんの作品読了はこれで3つ目で、長編も読んだけれど、自分はこの短編集が一番好きだ。久しぶりに大満足の一冊だった。
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やっぱりこの人の書くものは好き。
なぜかとても理解できるように
感じる。
読みやすいけどうまく自分では表現
できない感情が文章にされてる。
こんな話を40も過ぎたおじさんが
書いてるんだから不思議だ。すごい。
短編だから読みやすく、独特の
毒も健在。
最近積ん読が多かった中、
久しぶりに読書に手をつけ
すぐ読み終わった。
やっぱり本を読むことはいいね。
オーケンの本読み返したくなった。
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若い頃に追っかけていたアーティストや作家は、こっちの勝手な事情で突如お別れを告げたり告げなかったり(忘れたり)、オオケンもその中の一人。とはいえ初期の頃の本はかなり持っているし、筋肉少女帯はオオケン脱退までは追いかけてたしで、なんとなく懐かしい&照れくさい想いで手に取ってみた一冊。
高校生の頃の甘酸っぱい想い出が一気によみがえります。いい意味で変わってないな。こっちも若かりし頃の感覚と今の自分の感覚を行ったり来たり。
単純に肌の合う作家なんだと思います。
やさしい文体の中にグロ、妄想…諸々入ってますが、とある思春期に嵌るとずっと嵌ると思います。
短編集なので読みやすいかと。
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はい、大槻さんの作品の中で一番好きな作品です。どのくらい好きかと言うと、ワイルドの童話くらい好きです(笑)。中毒性がすごくて、抜け出せなくなるんですよねぇ大槻ケンヂワールドに。
登場するのはゴシック・ロリータな女の子。ちょっぴりグロテスクなお話もありますが、基本は幻想的、童話みたいな読後感のある温かい世界です(個人の感想)。クスッと笑っていて気を抜いていると「やられた〜」と泣きそうになります。とてもいい意味で情緒不安定。それが大槻さんの描く幻想だと、私は思っています。
また、私の読書傾向はどうやら大槻さんと近いようで、作中の細かいネタにも過敏反応! 思わずニヤニヤしてしまいます。ファッション描写にも敏感! です。
なかんずくお気に入りの作品は『妖精対弓道部』『おっかけ屋さん』『ぼくらのロマン旅行』になります。
「お前は画家になった」
「うん」
「俺だけがダメだった」
「夢だけが人生じゃないんだろ」
「表現意欲を持って生まれた者には夢だけが人生のすべてだ」
「だったら諦めるな」
「うん、俺はやっぱり小説家だ」
「わかってるさ」
(p64『夢だけが人生のすべて』)
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確か小学生の時にお小遣いで買ったのよね
ジャケ買いだったけれど大好きな本になった
いまだに何回も読み返してる
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雑誌「ゴシック&ロリータバイブル」に掲載されていたSSを収録した短編集。エミキュ、ロッキン、パニエ等……物語の中に散りばめられたお洋服の描写から、読みながら自身の少女時代の記憶が少しずつ呼び起こされるようだった。デスノートのミサミサや下妻物語の深田恭子に憧れて、初めてBABY.のワンピースを購入したこと。ただ大学に行くだけなのに、わざわざパニエを仕込みスカートを膨らませていたこと。靴擦れを我慢しながら履いたロッキンホースバレリーナのこと。どれも今思うと若干痛々しくも感じるが、当時はあれがわたしの思う至上の「かわいさ」だった。かわいさに貪欲に、好き勝手に振る舞い生きていた日々は、気恥ずかしさもあれど大切で眩しい思い出のひとつである。
個人的には「ゴンスケ綿状生命体」「ボクがもらわれた日」「二度寝姫とモカ」が好き。わたしにはどうしても人外生物やペットが人間と心を通わせて奇跡を起こすみたいな話に弱い傾向がある。
また、「戦国バレンタインデー」は戦国時代の合戦真っ最中のところに神様のいたずらでゴスロリ女がトリップしてしまうというオタクが大好きな要素がてんこもりの話だが、この話は読了後の爽快感がすごい。ここで出会う城主のお姫様のキャラクターが快活で思わず好きになってしまうし、お姫様とその部下である侍が身分違いの恋に苦しむ様はクレヨンしんちゃんの映画「アッパレ!戦国大合戦」を彷彿とさせられる。(わたしはこの映画が大好きです。)
あとは事故で亡くなった恋人のもとに愛用していたギターを届けるべく投身自殺を試みる「ギター泥棒」もなかなかドラマチックで良かった。「ロックは人から人へ受け継がれるもの。そしてロックで受け継がれた最高の瞬間が次の担い手へと転がり落ちていくことをロックンロールと呼ぶんだ」という台詞が胸に沁みた。数年前、コロナ禍のインタビューでオーケンが「楽しいことがない今の世の中だからこそ、僕らミュージシャンは楽しいことを歌いたい。それで人々を楽しくさせることが、音楽や今の僕らにできることだと思う」と語っていたのを思い出す。これは実際に音楽をやっているオーケンだからこそ書けた言葉なのかもしれない。
トラメは亡き恋人から受け継いだ虎目模様のギターを手に、これからどのように生き、どのように歌い、どのようなロックンロールを残していくのだろう。この話の続きはないと知りながらも、その先を想像してしまう自分がいる。