ヒロインが立派だ
2021/03/01 18:56
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のエッセイで触れられていた航空機ファイナンスの話を小説化したもの。だからかぎりなくほんとうのことなのだろう。航空機ファイナンスの仕組みがよくわかる。また旧共産圏の人々と商売する苦労もよくわかる。商社に行かなくてよかったというのが感想。昔の同級生はこういう苦労をしていたんですねと同情してしまう。
著者はクルド人にずいぶん同情的だ。個人的に知り合いでもできたのだろうか(小説の中の人物のような)。今のシリア情勢とかを見ても気の毒とは思う。言語をなくしてしまうのは許せない。しかし個別にはいろいろと事情もあるのでなんともむずかしい。
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飛行機+シルクロードっていう私のツボを抑えた作品だったから
迷わず購入!
キルギスのマナス航空向けに航空機のリースを進める日本の商社マンの話
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リーガルマターとコマーシャルマターにわけられ、前者は黒か白かといった風に、単純に割り切れる事が多く、後者は双方の主張が相容れない場合、妥協点を見いだす。その中で葛藤することになる商社マンの戦い。航空機を売るというビジネスは、ファイナンスと政治も絡むために難しい。その辺をリアルな描写と人間ドラマを混ぜながらドラマチックに描く。
舞台のキルギス、ロシアは、何となく親しみがない場所だけに、好奇心が後押ししてくれつつ読み進んだ。理不尽な対応やいらっとする感じは、海外の途上国で働いていれば、もの凄く共感するわけだけど。
リーガルマターとコマーシャルマターにわけられ、前者は黒か白かといった風に、単純に割り切れる事が多く、後者は双方の主張が相容れない場合、妥協点を見いだす。その中で葛藤することになる商社マンの戦い。航空機を売るというビジネスは、ファイナンスと政治も絡むために難しい。その辺をリアルな描写と人間ドラマを混ぜながらドラマチックに描く。
舞台のキルギス、ロシアは、何となく親しみがない場所だけに、好奇心が後押ししてくれつつ読み進んだ。理不尽な対応やいらっとする感じは、海外の途上国で働いていれば、もの凄く共感するわけだけど。
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中央アジアでの航空機ファイナンスを成功させようと奮闘する商社マンを黒木亮氏が描いてます。
黒木亮さんは、或る意味では、私の人生を変えたともいえる作家さんで、
尊敬しています。
今回の著作は、単行本で出ていたのは知っていたけど、ようやく文庫になったので、
購入して読んでみました。
黒木さんの特徴である、
取材や経験から来る緻密な事実描写や、
金融市場・保険市場の現状分析を踏まえた展開、
といったことはもちろん、
今回は中央アジアなので、流浪の遊牧民族たちに対する記述も多くあります。
コリョサラムとよばれる、中央アジアで流浪している朝鮮人や、
クルド人についての記述など。要所要所で効果的にそういった話が挿入され、
ただの経済小説より一味上のものになっています。
「トップレフト」でも、日本を捨てた男が出てきたり、
ロンドンが長い黒木さんだからこそ書ける題材なのかなと
またも感銘を受けました。
強いて批判をするなら、他の著作よりも、
トラブルというか、はらはら感は少なかったかなと思うけども、
黒木さんの力を思い知るには十分かなと想います。
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旅出発直前、時間に押され題名に惹かれたため購入。
序盤は知識の無さゆえ難しく感じるも、読み進めると面白い面白い!
ところどころに出てくる、中央アジア、ロシアなど諸国の描写が美しく、
いつか行ってみたいな―とおもいました。
航空ビジネス、おもしろい!!
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飛行機の取引をめぐる経済小説。飛行機ビジネスの仕組み、暗部をかいま見ることができた。また、旧ソ連諸国の現状も描かれている。
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さすが元金融の世界に生きた人の作品だ。
航空機リースのビジネスが詳細に書かれている。
その過程で中央アジアの侵略の歴史、それに翻弄された民の生活。
貧しいながらも必死に生きている人々。
過去に侵略されたことの無い島国育ちの私にとっては、かなり驚かされる内容でした。
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面白かったです。でも、ちょっと短かった感じがします。航空機ファイナンスって額面が大きいので、とても大変だということがわかりました。あと、特にエチオピア航空の記述は貴重な情報だと思いました。アフリカの航空会社が航空機の整備を行える背景は、エチオピア航空の優秀さが一役買っていることがわかりました。つい最近、印の航空会社がエアバス160機を大人買いした報道も会い重なって、航空機売買の情景が頭に浮かびます。
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キルギスにおける航空機ファイナンスを題材にした経済小説。途上国ビジネス、航空機ファイナンス、共産圏ビジネスなど馴染みの薄いテーマながらわかりやすく説明されていたと思う。楽しみながら勉強になるという意味でよくできた小説。これにより、この分野の一連の読書が始まったし、ビジネスに関する関心も高まった。
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おなじみ黒木さん。
今回は投資銀行のお話ではなく、
商社の航空機ビジネスのお話。
この人は期待を裏切らないなぁ~。
商社ってモノを右から左に繋げる役割ってのは
何となく知ってたけれど、
具体的にどんなことしているのかはよくわかっていなかった。
この本を読んでやっとリアルに仕事をイメージできるようになったなぁ。。
と、同時に問題点も浮かび上がる。
今回のお話では、キルギスに航空機を
買ってもらうよう交渉するんだけれど、
国が汚職まみれなため、
結局、キルギスはその航空機を有効活用できずに
国を発展させることができない。
日本の商社は、サヤを抜いて数億円の儲け。
これって何かオカシクナイっ??とも感じてしまったなぁ。。
キルギスの貧困層のお金が先進国の商社と
キルギスの一部の既得権層に行ってしまっちゃうんだから。
貧困層はやってらんないよね。。
ほとんどの人は何も知らないまま死んでいくんだろうけど。
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リアルなビジネスと歴史が交差する黒木さんの良著。キルギスタンの航空機ビジネス成約のため奔走する商社マンのリアルな姿、手に汗握るディールの展開、どんでん返しは良質な推理小説のよう。国際プロファイ、シルクロードの両方がお好きな方にはたまらない一冊。
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キルギスの航空会社が購入するボーイング737を日本の商社のモスクワ支店が動いて実現させる話。大きなお金が動くダイナミックな話がある一方で、現場での交渉は泥臭く遅々として進まないところなど、リアリティがあって楽しめました。
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途上国レバノンに航空機をリースしようと模索する商社マンの物語。
国際トレードビジネスにおいて商社が果たしている役割や、意義に関して考えさせられる。
知識も、ネットワークも、ファイナンス能力も有さない途上国において、商社という第三者が信用と金とネットワークを供与する。この意義は想像していたよりも大きい。
また、トレードビジネスに関しては、自ら投資という直接的な関与をしないため、トレードの当事者にとってはその意義が分かりにくく、交渉力も制限される。
そのような条件のなかで、解を見出し最後まで遂行する商社マンとしての粘り強さを持たなければならない。
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経済小説
キルギスに航空機を納入するプロジェクトを行う日本人商社マンが主人公。旧共産主義圏国家の管理体制に悪戦苦闘しながら取引を完成していくというストーリーでした。
経済小説な反面民族思想というような内容にも触れているので、スリリングな展開というより、他民族はそういう思考なのか。と、へーと思える箇所が多い印象
個人的には可もなく不可もなしという感想
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商社マンがキルギスの航空会社にボーイング737をリースする案件をまとめ上げるまでの1年強を描く話。
航空機ファイナンスの知識がつくし、中央アジアの旧共産圏のタフさがよく分かるし、政治や歴史の豊富な背景がふんだんに盛り込まれていて、かなり面白かった。
それぞれの関係者の、国や故郷への執着が、端々に訴えられているところもこの作品の大きな特徴でもある。