紙の本
考えさせられる
2009/02/02 03:13
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人犯から見た殺人犯の模様を細かく書いています。読んでいるうちに引き込まれ、人間の欲望や衝動、モラルや理性についても自然と改めて考えている自分が居ました。
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立ち読み。現役受刑者による自己の犯罪や性格の分析、また同囚たちの行動についての手記。明晰で論理性の高い文章は心をゆさぶる。
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人を殺すとはどういうことかに関しては、著者の考えがわかるが、それ以上に刑務所の中での殺人者がどのような心境でいるのかというのに驚いた。反省する人ばかりでないのはわかっていたが、ここまで反省していないとは。この人達がまた一般社会に出ることを考えると怖い。
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本文中で著者が述べているように,かなり偏ったサンプル・見方かもしれないし,著者本人にもかなりの偏りを感じるところはある。それでも,実際の殺人者から見た,殺人犯の分析というのもなかなか面白い。
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現在自らも服役中の身である著者ならではの、受刑者たちの生の声。
被害者が望む「罪の償い方」と、加害者が認識しているそれとのズレが甚だしい。
これでは何の為の刑務所なのか、何の為に刑に処しているのか・・・読んでいてむなしくなった。
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人を殺してしまう心理に興味があって読んだ。
気質とヤクザなど立場の違いはあるが、長期囚の実際の姿を知ることができるという点では
とても参考になった。
殺人犯への矯正の在り方についても考えさせられる。
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著者は2つの殺人を犯し、無期懲役刑に服している。
「一番以外は無、約束は最後まで貫徹」とする強烈な個性の父親の元での育成は、天才的な知能と冷徹さのゆがんだ価値観を持つ人格となり、命を奪っても約束をまもれなかったのだから・・と罪の意識はない。
しかし、公判中に(それまで彼は有能で常に孤高のトップであり、対等にコミュニケーションするということを体験していなかったのだが・・)被害者の母親の心情を思いやる心が突然芽生え弁護士らとの交流から人間らしい反省や心遣いが生まれる・・といった前半が自分自身の話。まるで任侠ものの映画の中の話のようだ。
成金の贅沢な暮らし、母の家出で家族崩壊、小学生で自分の給食費を捻出するほどに生活力旺盛というか知能優秀・・。金儲けも上手いが冷徹・・。
後半は殺人犯ばかりの刑務所で見た受刑囚たちの観察記。
ほとんどの受刑者は罪の意識などない反省や更生も無理と思える人が多いが、中には畏敬の念を覚えるヤクザもいる。
本当に人間とはさまざまな諸相を帯びた生き物であるし、その成育歴や環境が人を作っていることがわかり、肌寒い思いになる。これから社会はますます悪人ランドの気配が濃厚になりそうだ。
タイトルの「人を殺すとはどういうことか」ということより、「人を殺した人はどんな人たちなのか」ではなかろうか。
社会で豪奢な生活をしてきた人が、堀の中でつかのまに感じる幸福感は、支給される小さなケーキのおいしさとか、とてもシンプルなものだというところにはホッとしたが、強烈な書であることは間違いない。
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実際に2件の殺人事件をおこして服役中の人間が獄中から殺人犯の心境を書いてます。
作者は自分でも言うように知能が高くてクールで論理的な人間やと思いますがこれを読むとやっぱり常人とは違うと感じます。
いろんな殺人者が出てきますがこれを読む限りにおいては日本の刑務所は犯罪者が更正する施設としては機能してないようです。
なんと言っていいかよくわかりませんが良い悪い関係なしで興味深く読めました。
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知能も高く地位も収入もありながら、自分勝手な理由だけで人を殺して無期懲役に服する著者に、尊敬も同情もできないけれど、真摯に語られる言葉の数々は傾聴に値すると思う。
著者と同様の刑に服する囚人達の歪んだ人間性と反省の無さを知るにつれ、やはり死刑は必要だと思わざるをえない。少なくとも著者が提案する「執行猶予付きの死刑」は有効ではないだろうか。
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装幀:新潮社装幀室
刑務所に入っている人=罪を犯したことを反省している、ではないことだということが分かった。
信じたくはないのだけれど、これが現実。
ふっと『Lifers』という映画を思い出した。
アメリカにおける犯罪者の更正プログラム。
日本の刑期を決めてその間刑務所に閉じ込める、だけではなくもう一歩踏み込んだ「何か」が必要な時期に来ているのかもしれない。
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・二件の殺人を犯したと言う無期懲役囚が刑務所内で執筆したという本。
・著者は確かに頭脳明晰で、垣間見える知識なんかも本で覚えた俄知識のレベルをはるかに超えてる。こう言う人間が疑い無く殺人を犯したって事そのものが興味深い。
・人を殺すと言うのがどう言うことが か、と言うよりも、人を殺してしまったらその後人間はどうなるのか、と言う内容に近い。本人がどう反省や後悔を深めていったのかと、刑務所内の他の殺人者がどう感じているかについて書かれてる。
・人を殺すような人間には何かが欠けてたり異なったりするだろう、と言うのが一般のイメージだけど、それをはるかに超えた殺人者達の姿には驚くばかり。
・刑務所の矯正機関としてのシステムに不安を感じる内容でもあった。
(八王子図書館にて借る)
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話が通用する、比較的反省のある人に偏ってしまったと著者が綴っているがそれでも十分今の刑務所の状況とかどういう風に罪の意識を感じているのかが細かく書かれており興味深かった。
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そこらへんの小説家よりもモノを知り、頭が良いんだなと思える殺人者が2件の殺人、獄中の様子、心情を書いたノンフィクション作品ですが、これは賛否両論あるでしょう。被害者の気持ちを考えるととても読めるものじゃないですし、一般的な生活をしているような人にはわからない殺人を犯した加害者の心情を読むなんて。読み終えても悶々とするし、そこで形に残るような理解はないけれど、殺人は何も生まないし、死刑はあってもいいんじゃないかと考えた。まだまだ浅いので今後熟慮したい。
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実際に殺人を犯し、無期懲役囚である著者が自分について、事件について、そして囚人について書いている、という点で非常に興味深く、また故に貴重な本であると思う。
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長期刑で服役中の殺人犯が、自分について、また同房の囚人たちについて、その犯歴や性格等について述べた物。著者、ものすごく勉強していて、博識だし、きっと知能も高い人なのだろう。最初、まるっきりフィクション(殺人犯を装って誰かが書いた物)なのかとちょっと疑ったけれど、最後まで読んだ限りでは、どうもそうではなさそう。うーん・・・。観察眼や批評力になるほどと思うところもあり、勉強になります、という感じのところもあるのだが、ちょっとズレてるんじゃないか???と思うところもあり。その「ズレ」が殺人犯ゆえなのか、ただ個性なのか、何とも言えない。総じて、びみょーな読後感。いずれにしろ、人が人を裁くのは難しいねぇ・・・。私はきっと、誰も裁かず、誰にも裁かれず、ひとりぽっちでやっていく道をよかれあしかれ選んでしまうのだろうなぁ・・・(と、これもこの本の感想としてはズレまくりと思うけど)。