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藤沢周平《人生の愉しみ》 「生きるチカラ」と「小さな発見」 みんなのレビュー

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紙の本

「負」と「鬱屈」を愉しむ

2009/01/07 21:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:T.Keiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

 知的生き方文庫と銘打った実用書のコーナーに、この『藤沢周平 人生の愉しみ』をみつけたとき、少なからず驚いた。しかも、サブタイトルは「生きるチカラ」と「小さな発見」である。二重の意味で、意外だった。
 深くふかく鬱屈を抱えこみながら生きるものたちが、鬱屈を通じてのみ他者と心を通わせる瞬間をとらえ、柔らかな交歓とは無縁のきわめて重苦しい交感のほの明かりによって作品の再読をせまる『藤沢周平という生き方』(PHP新書)から、ほぼ二年。作中の明るく華やかとはいえない江戸を介して、藤沢周平の物語を今によみがえらせる『藤沢周平と江戸を歩く』から七ヶ月。『藤沢周平 人生の愉しみ』は、『藤沢周平――負を生きる物語』からはじまる高橋敏夫四冊目の藤沢周平論である。
 しかし、一方で作家藤沢周平の歩みとことばを追い、また一方で藤沢周平作品に意表外な愉しみをみいだすこの本もまた、「負を生き」つつ「鬱屈の交感」においてのみ「負を生き」続けられるものたちへの眼差しに貫かれていた。
 自然をみつめ、故郷を思い、「水平的関係」を尊び……、行き止まりであるかのような老いにあって新たな生を言祝ぐ。失われた何かを嘆くのではなく、自然を、故郷を、人とのつながりを愉しみ、自らの残日をも愉しむ作家藤沢周平と、作中人物たちが次々とあらわされていく。
 「負」と「鬱屈」をあきらかにしようという「試みをへて、本書でようやく藤沢周平の愉しみをとりだせるところにとどく」(前書き)。
 人生を楽しむのではなく、「負」と「鬱屈」を生きることを愉しむ過酷にして「チカラ」強い、とはいってもどこかユーモラスな筆致に、わたしも愉しい「小さな発見」をしてしまった。

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