- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
ブラッディ・カンザス みんなのレビュー
- サラ・パレツキー (著), 山本 やよい (訳)
- 税込価格:2,530円(23pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:2009.1
- 発送可能日:購入できません
新書
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本
パレツキーのミステリじゃない中間小説。
2010/02/25 01:39
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私、V・I・ウォシャウスキーシリーズというより、
サラ・パレツキーそのものを全く読んでいなくて、
(何回か、読もうかなぁ、程度は思ってのですが)
今回ノン・シリーズにしてサラ・パレツキー初読みです。
こういう場合、作家とのあんまりいい出会いにならないケースが多いのですが、、。
最初に書きますが、本書、ミステリじゃあ、ありません。ズバリ、中間小説。
冒頭の著者自身による、前書きで、カンザスという土地について簡単に説明してあり
カンザスは、奴隷制度においても、殆ど内戦といってもいい二派の争いがあり、
又、その後も、隣のミズーリーから武闘集団が、乱入して大変だったと、。
そう、カンザスというと、(私の場合竜巻というか、オズの魔法使いなんですが)
平和な片田舎ってイメージをもたれると思うのですが、決してそうではないと。
前書きからして、本書も、そんなお互いが鍵も掛けずに出かける田舎の
予定調和なお話しには、なりませんよう、という決意表明なんです。
原題は、邦題のブラッディ・カンザスよりもうちょっと過激で
ブリィーデング・カンザス、"流血するカンザス"。
使われなくなった、大きな屋敷に都会からある女性が引っ越してくるところから話は、始まり
ご近所の三家とその家族たちが主に描かれていきます。
この三家の各家族が、みんな一筋縄ではいかないといいますか、
近所のことを勝手に自分のHPにUPするおばあさんをはじめ、みなさん、変わっていて
(あえて普通なのは、主人公の一家か?)
みなさんキャラ立ちがすごい。
そして、宗教的対立、妊娠に対する考え方、戦争に対する考え方、みんなバラバラで
もめてばかりです。
まぁ、それが、小説のコアというか、駆動力になっているのですが、、。
又、本書、パレツキーが育ったカンザスを描いているのですが、決してノスタルジーいっぱいに
描いているのでなく、イラク戦争もあればアイポッドもある現在のカンザスを描いています。
この現代アメリカというか、現代カンザスというのも、キーだと思います。
ミステリとして手にとられた方は、ちょっと肩透かしだったと思いますが、
中間小説だと最初から思って読むと、作家生活云十年のパレツキーの
手管で結構読めるかも、、。
おもしろくないと、けなせないぐらい、面白い作品です。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |